俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。

夜明

第1章 3話 「チュートリアル」

「お目覚めすぐの所大変申し訳ないのですが現在のサタン様は治癒術の副作用でかなりの弱体化が起こっています為、早速レベルを上げるためのウォーミングアップを致しましょう」

と、ドアを開け部屋から出るのを促される。古びれた屋敷のだだっ広い廊下に出た。

なるほど、ここでやっとチュートリアル的な戦闘が始まるんだな。

「分かりました。どうすればいいですか?」

「サタン様には劣りますが私めも少々魔物を召喚できますのでその魔物を倒して昔の感覚を少しでも取り戻して頂ければ幸いです」

俺はまだまともに見た事の無いステータス画面を確認してから戦闘に挑む事にした。

レンジ Lv.1 男職業:【魔王】HP:50/50MP:1500/1500(×3)
STR:10VIT:10AGI:3(1/3)DEX:10INT:10
装備頭:【無し】顔:【無し】胴体:【汚れた黒のTシャツ】足:【汚れた黒のズボン】左手:【無し】右手:【無し】靴:【無し】装飾:【地獄のペンダント】
パッシブスキル【カリスマ】Lv.1
アクティブスキル【従属者召喚】Lv.1

このゲームの基準はよく知らないが【魔王】はMPが高いのが特徴的なキャラらしい。まぁまだ育ててみないと分からないか。

ちなみにSTR→筋力、VIT→防御力、AGI→移動速度、DEX→器用さや命中率、INT→魔法の威力 だな。

【汚れた黒の〜】の二つは何の効果も無いが、【地獄のペンダント】はAGIを3分の1にし、MPを3倍にするらしい。【魔王】はMP高いのがメリットだし、結構噛み合ってるな。

ちなみにパッシブスキルというのは常に発動されているスキルで、アクティブスキルというのは任意のタイミングでMPを消費し自ら使用するスキルである。

パッシブスキルの【カリスマ】Lv.1 は召喚した魔物を従えることができる。アクティブスキルである【従属者召喚】Lv.1は、<第三位従属者>を召喚することができる能力なので、色々役立ちそうだ。

「サタン様、お預かりしていた魔剣をお返しします。戦闘の際にご使用ください」

『【魔剣ブロウ】を手に入れました。装備しますか?』

迷わず左手に装備する。左利きなので。

「では召喚を始めますね」

「はい!お願いします!」

最初だしゴブリンを2、3体くらい出してもらえれば丁度いいだろう。ルシフェルは右手を左から右へ振り払った。その瞬間黒い煙が次々と現れ、複数体のゴブリン....ではなく完全武装したオーガ三体である。文字通り¨鬼の形相¨は見掛け倒しであると信じたい。

「<第二位従属者>のヨロイオーガLv.30~40程度のが3体です。強さを例えるならLv40の勇者が10人で挑んで何人か生き残れば良い方ですね。」

あれ?チュートリアルってこんな鬼畜でしたっけ?

「私の召喚できる中での最高の3体ですが魔王様なら軽く倒してしまうでしょう。ウォーミングアップにすらならないかもしれないですね。」

と、ルシフェルとメイド達は廊下の端に避け俺を見守っている。お願いします助けてください。

とか言っている内にヨロイオーガの内の一体がこちらに迫ってくる。どうやら動きは遅いみたいだ。お、これは行けちゃうのでは?

しかしそれより遅い動きをする者がいた。はい、俺です。Lv.1でさらに【地獄のペンダント】効果でAGIは3分の1になっている。

鬼の赤いエフェクトを纏った金棒が迫り来る。恐らく何かしらのスキルなのだろう。受け止めきれるか分からないがさっき渡してもらった【魔剣ブロウ】とやらで受け止めてみる。

ガキンッッ!

その衝撃は廊下中に凄まじい剣戟音を鳴り響かせる。だが音とは裏腹にこちらには何のダメージもない。目の前に蓄積ダメージ370と表示されているが何のことだろう。

先程の衝撃で少しよろけたヨロイオーガに一瞬の隙を突き、【魔剣ブロウ】を大振りした。

パリィィンッッッッ!!!

ヨロイオーガは瞬間的にエフェクトに代わり、消滅した。あれ?思ったより弱い?状況が掴めないまま、二体目が迫り来る。

ほぼ同じモーションで同じスキルを使ってきたのでこちらも同じ動きで対応する。
やはり衝突したときの音は大きいが反動やダメージはゼロである。蓄積ダメージが425と表示される。

二体目のヨロイオーガも案の定よろけて隙を見せたが、しかしすぐさま三体目の金棒が迫っていた為先に受け止める。672ダメージと表示されてから、蓄積ダメージは1097と表示される。

三体目のヨロイオーガに先に一撃を食らわせるといとも簡単に消滅した。二体目のヨロイオーガは危険を察知したのかバックステップで距離を取り何やら口から...金棒を吐き出した。汚い、というのもあるが痛くないのかよ......。

両手に金棒を持つヨロイオーガの姿は、正に¨鬼に金棒¨である。離れた距離を一気に詰め寄り、両手を高く上にあげる。その迫力は体験した者にしか分からないことだろう。

何やら赤と黄色のオーラのようなエフェクトを滲み出しながら金棒を一気に振り下ろす。かなりスピードが乗ってて早い。慌てて魔剣を横にし受け身の構えをとる。正直
、内心焦りでいっぱいだったがそれは要らぬ心配であることがすぐに分かった。

ドゴンッッッ!!

そんな音を立てた後すぐに蓄積ダメージが1305と表示される。やはり受け止めに成功するとほんの1ダメージも食らっていない。

スキル後硬直でほんの数秒動けないヨロイオーガにお返しの一撃。呆気なく消滅して戦闘は終了した。

『Lv.17になりました。』
『パッシブスキル【強制服従】を得ました。』
『アクティブスキル【絶対王者の風格】を獲得しました。』
『アクティブスキル【弱肉強食】を獲得しました。』

おおっ。一気にレベルが上がった。とりあえずDEXとINTを中心にステータスを振り分ける。それと、【魔剣ブロウ】を含め獲得したスキルを確認していく。

【魔剣ブロウ】【魔王】専用武器。STR+350。剣で受けた攻撃を全て無効化・吸収。攻撃時、吸収した蓄積ダメージを防御力を貫通してダメージを与える。空振る度に蓄積ダメージが半分減る。蓄積ダメージがゼロで攻撃した場合、自分のSTRで通常ダメージを与える。

パッシブスキル【強制服従】Lv.1自分を中心に半径3m以内に居る者のAGIを半減する。

アクティブスキル【絶対王者の風格】Lv.1自分を中心に半径3m以内に居る者を自分から10m吹っ飛ばす。相手は相手のHPの1/15を食らう。

【弱肉強食】Lv.1Lv、HP、MP、STR、VIT、AGI、DEX、INTの内、六つが自分より低い者を消滅させる。このスキルを使用するには相手の頭に手を置いて発動させる必要がある。使用直後1分間は自分ステータスが0.8倍になる。1日に10回まで使用可能。

<Another Earth Story>内の強さとか、そういう基準を知らなくても分かった。

「魔王ってチートじゃね?」

「俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く