【旧】魔法の世界でプログラム

北きつね

情報収集

--- アルノルト Side ---「アルノルト様。まずは、どちらに行くのですか?」「まずは、ヘーゲルヒ街に移動する」「え?フォイルゲン街で無くて、ですか?」「そうだな。少し、調べたい事がある。そうだ、その前に、ノース街の物価が、どうなっているのか調べたいけど、出来るか?」「はい。資料は、ヨハナがコンラート殿の指示で作っていました」
ノース街に戻って、ヨハナを呼び出した。ヨハナが持ってきた資料は、外部の商人が買い付けていった、食料と量になる。値段が、微増している所から考えると、どこかが買い占めを行い始めているのだろうか?
商人ギルドの情報と合わせてみるが、王国内の他の領地に本店を持っている、商人の様だ。そこから先が解らない。流れているのかも知れないが、断定は出来ない。
「ヨハナ。後、何か、困っている事はないか?」「得には・・・そうだ!公爵様。ゴーレム馬車を増やす事は出来ませんか?」「ん?出来るけど、どこを増やせばいいの?」「各門を回る形の者が増えれば動きやすくなります」「そう・・・わかった。ちょっと考えるよ」「ありがとうございます」「それから、領民とかで、そういう意見がある人達が居たら、遠慮なく、言ってくるようにしてほしいけど、何か方法を考えておいてくれると嬉しいな」「あ!わかりました!」
ヨハナが一礼して下がっていく「アルノルト様。さっきの話ですが、目安箱ですよね?」「そうだよ」「だったら、なんで、"目安箱を作る”と、言われなかったのですか?」「だって、それじゃ、俺から押し付けている事になってしまうだろう?それも、もっといい方法が見つかるかも知れないからな」「そうですけど・・・」「急務でもないし、まずは、帝国の事を考えよう」「はい」
今度は、ヘーゲルヒ街に移動する。ここは、海も近い。海運も行われている。ただ、沖に出ると、大型の魔物が出るので、それほど沖には行く事はないので、船もそれほど大型ではない。でも、馬車と比べると、大量の物が運べる事には違いはない。その為に、状況を調べに行く事にした。
ヘーゲルヒ街のマナベ紹介に移動した。すぐに、従業員が数名駆け寄ってきた。
その者たちに、ヘーゲルヒ街で、食料品や武器防具を大量になって、港まで持っていった物がないか確認したが、解らないという返事だ。申し訳無さそうな顔をされても、急に思い立った事だからな。こんな事なら、ヘーゲルヒ街とライムバッハ街にある。マナベ商会も、カルラ達に一任すればよかったかな。
思い立ったが吉日。ヘーゲルヒ街とライムバッハ街にある、マナベ商会をカルラ達に任せる事にした。表と裏が必要になってくるだろうから、現在の両街の従業員を表で働かせてもいいだろうな。
「ヒルダ。悪い。もう一度、王都に戻って、カルラと話をする。その後で、フィーア迷宮に行こうと思う」「わかりました。大丈夫です」『なぁアル。僕は、どうしたらいい?』『あぁ一緒に付いてきてくれればいいぞ。それよりも、マルティナ。設定が・・・』『なに?』『まぁいい』
なんか、地雷を踏み抜きそうだったので、マルティナの口調に関しては、突っ込まないようにした。最近になって、テディから言葉を習っているのだろう。テディが余計な事を入れ知恵する前に辞めさせればよかったのだが、すでに手遅れのような感じがしている。
ヘーゲルヒ街と、ライムバッハ街にある、マナベ商会に努めている従業員の代表を連れて、王都のマナベ商会に移動した。
「アル様。どうされたのですか?」「あぁカルラ。一つ頼みがある」「嫌です」「わかった、それで、頼みっていうのはな!」「話を進めないで下さい。アル様の持ってくる話は厄介な物が多いのです」「今回”も”大丈夫だぞ」「その自信がどこからくるのかわかりませんが・・・・それでなんでしょうか?」「あぁヘーゲルヒ街とライムバッハ街のマナベ商会も、カルラの所で見てもらおうと思ったな。代表を連れてきた」
二人がカルラに挨拶をする。「アル様。少しいいですか?」
俺の腕を引っ張って、奥に入っていくカルラ。
「アル様。お解りですよね?」「ん?」「ここには、ゲートがある上に、かなり外に漏れたら不味い情報がありますよ」「あぁそうだったけど、ヘーゲルヒ街も、ライムバッハ街も、両方とも、従業員は奴隷か、その家族だから大丈夫だよ」「え?あのエルフもですか?」「そうだよ?」「はぁ・・・わかりました。開放はしているのですよね?」「う~ん。彼女たちが、開放しなくていいと言うので、そのままだね。俺としては、いつ開放してもいいのだけどね」「・・・そうだろうと思いましたよ。それで、私に何をさせたいのですか?」「簡単な事だよ。彼女達に、マナベ商会の表の業務を引き継いで欲しい。そして、カルラ達には、情報を集めて整理する事に専念して欲しい。店長は・・・「嫌です。アル様がそのままおこなって下さい。名義だけで構いません」」「あぁわかった。それじゃ、表の業務をやらせるのには、賛成だな?」「えぇそうですね。丁度、人員を増やしてもらおうと思っていた所です。それに、反対しても、ダメなのでしょう?」「そうだな。カルラに、頼む事になるのは変わらない。それに、適当に人員は増やしていいからね。マナベ商会の預け金は、自由に使っていいよ」「え?いいのですか?」「あぁ無駄遣いはしないでね。一応、事後でもいいから、報告だけはしてくれるとうれしいかな」「表と裏で財布を分けますね」「あぁそれはしないで欲しいかな。裏の仕事も、表につながるかもしれないし、面倒だからね。だから、調査費とか適当な項目を付けておいてくれれば、後で見たら解るようにしておいてね」「え?あっわかりました」「カルラ達は、パソコンには慣れた?」「なんとか、入力が出来る位です」「そうか、それなら、もう少し出来るようになったら、彼女たちも教えてやって欲しいな」「え?わかりました。でも、よろしいのですか?」「ん?あぁノース街の資料じゃなくて、カルラ達が集めてくる情報や、俺が持ってきた情報の入力作業を、仕事の合間にやらせて欲しいって事だよ」「わかりました」
後の事は、カルラに任せる事にした。これで、の情報網が出来る事になると思う。
さて、裏の情報を聞きに行きますか!
フィーア迷宮に移動した。すでに、隠れ里のレベルを越えている。開拓村というよりも、隠し砦の様相だ。
結界で覆われているので、余計にそう思えてくるのだろう。「キースリングは居るか?」「え・・・あ!ノース侯爵!」「あぁいいから、それよりも、キースリングと話がしたいけど、大丈夫か?」「おい。長に!」
キースリングが、走ってくるのがわかった。「侯爵閣下。お呼びいただければ、私の方から・・・」「そういうのはいいから、それよりも、帝国と共和国の事を少し教えて欲しい」「解りました。人選は出来ています。どうぞ、こちらへ」
案内されたのは、迷宮ダンジョンの横に儲けられている小屋(?)だ。すでに、屋敷というレベルになっているが、小屋だと思っている。
「アルミン達を呼んでこい。”侯爵が話を聞きたいとおいでだ”と、言えば解る」
キースリングは、門の所に居た、男にそう言って、小屋の中に入っていく。応接室の様になっている部屋に通された。上座に座るようにいわれたので、それに従う。
「綺麗に作ったな」「ありがとうございます。これでも、ノース侯爵のおかげです」「・・・そうか、それで、問題はないか?」「はい。何も、ございません。地方に散らばっていた者たちも、徐々に集まっています」「そうか、迷宮ダンジョンも大丈夫なのか?」「はい。ただ・・・」「なんだ言ってみろ」「いきなり、強くなるので、そこで止まってしまう物が多いのです」「そうか・・・階層は?」「はい。20階層を越えてから、いきなり勝てなくなってしまいます」
ノーパソを取り出して、フィーア迷宮のログを眺める。確かに、21階層には、行けているようだが、その先の攻略が出来ないでいる。
「そうか、それは調整しておく、それ以外には?」「・・・はい。できましたら、集団戦闘が出来るような場所があると嬉しいのですが・・・」「集団戦闘?」「はい。儂らは、戦闘能力は高くありません」「そうだな」「そこで、集団戦闘をしている、後ろからの攻撃や補助などの訓練をしたいと考えています」「そうか、ナーテ・・・は、居なかったな。ヒルダ。ゴーレムを貸し出してもいいよな」「大丈夫です」
「キースリング。ゴーレムを貸すから、若い方を、ノース街に送ってほしい。そうしたら、ゴーレムの使い方を覚えたら、集団戦闘も出来るようになるだろうからな」「ありがとうございます」「そうだな。あとは、少し迷宮ダンジョンの調整をするか、テディに言っておくから、10階層位までは、広い部屋が続くようにするからな。それから、20階層位までは、魔物が出ないようにするから、農業や見られたくない作物とかは、中で作れよ。あれって、毒物だろう?」「え?あっあと、睡眠草とかもありますが、よろしいのですか?」「使い方を間違えなければ大丈夫だろう。それに、お前たちが使うだけだろう?よそに売ったりはしていないのだろう?」「もちろんです」「それなら問題ない。どんな環境がいいのかを教えてくれ、調整させる」「わかりました」
丁度、共和国と帝国に詳しい連中が集まったようだ。中に入ってもらって、話を聞く事になった。
俺から聞きたかったのは、共和国と帝国が手を組む可能性があるのか?それと、最近の動向だ。
皆の統一した見解のようだが、共和国と帝国が手を組む可能性は低いが、共和国の数家と帝国の数家が手をにぎる可能性があるという事だ。その場合でも、どちらかが大きな餌に食らいついたら、反対側は、その餌ごと手を食い散るかもしれないと言っている。利益でつながる事はあるが、どちらかが利益を握ったときには、同盟でもなんでもなくなるという感じなのだろうか?
近況は、1ヶ月位前の情報だとしながら、共和国には大きな動きはないという事だが、帝国側は、食料の備蓄を始めたり、商人を通して、武器防具を集めている貴族が増えている。やはり帝国は準備をしているのだろう。
「それで、それはどのくらい前からなのだ?」「はい!急激に備蓄し始めたのは、ここ半年位です。その前に、帝国の一部で飢饉があり、食料の値段が上がった為だと思われます」「そうか、武器や防具は?」「わかりかねます」「まぁ防御を固めるのか、攻撃に使うかだろうからな」「・・・・」
「侯爵閣下」「あぁキースリングの所にも、そろそろ情報が入ってくるとは、思うけど、帝国がフォイルゲンに攻め込んできた。それと同時に、帝国の貴族が蜂起して、皇城に攻め込んだようだぞ」「それは確かな情報なのですか?」「あぁギル・・・シュロート商会の跡継ぎからの情報だ。ほぼ間違いないだろう」「そうですか・・・それで、侯爵閣下はどうなさるのですか?」「どうもしないよ。援軍要請も出ていないし、ノース街まで来るなら返り討ちにするけど・・・」「アルノルト様!」「そうだな。正確にいうと、ノース=ライムバッハ家としては動かないというのが正しいな。個人的には、帝国には、世話になっているから、お礼をしたいからな」「そうですか・・儂たちは?」「そうだな。まずは、人を集めてくれ、それから、各地の情報がすぐに手に入る様にしてくれ、共和国も帝国もだ」「わかりました」「それから、この前のコンラートが、上手く行けば、共和国で帝国と手を結んだ可能性がある奴の名前を引っ張り出してくる。そうしたら、丸裸にしてくれ」「かしこまりました。侯爵閣下」
フィーア迷宮での話も終わって、ノース迷宮に戻ってから、フォイルゲン街に向かう事にする。街には、入った事は無いが、ゲートはすでにつながっている。
街の外に作った小屋にゲートがつながるようになっている。クリスに連絡だけは入れておく、王都にはよらない。クリスの事だから、自分も行くと言い出しかねない。それだけは、さけたい。何かあったらユリウスに詫を入れるだけではすまない状況になるのがわかっている。
ヒルダもそれがわかっているようで、クリスに一言だけ言って、ノース街から行くことに承諾している。いきなり戦闘になる事は、考えにくいが、マルティナにはヒルダを守るようにお願いしている。ナーテの様に上手く使えていないが、オートで防御するゴーレムをヒルダにつけておく事にする。
「ヒルダ。マルティナ。さて、行きますか?」「そんな、ピクニックに行くような軽さで・・・」「重くしても、事実は変わらないからな」「まぁ確かにそうですけど・・・それでも、限界があると思うのですけどね」「いいだろう!」
ゲートを繋いだ。小屋から出たが、いきなり襲われる事はなかったが、誰も居ない事で、心配な気持ちが大きくなってしまった。

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