ネトゲ戦車長がガチの戦車乗りになるみたいです。

亀太郎

肇、現実を受け入れる。

ふと、肇は目を覚ます。そこは会場の医務室ではなかった。ぼやけた目ではよく分からないが、木目が見えたことから木造であることだけは分かった。
「……ここは…何処だろう?」
肇が声を出す。そこでふと、違和感に気がついた。
「…声が違う。」
元々の声が、今では少年の様な声に変わっていた。
最初は戸惑った肇だったが、一時的なものだろうと思った。
……しばらくの間肇は自分の身に何が起きたのかを考えていた。
「確か優勝したんだよな。その後は……えっと……頭が重くなって倒れたんだっけか?」
しかし、その後が思い出せない。思い出そうとする度に、頭に鈍痛が走り、考えるのをやめさせようとしてくるのだ。
肇が頭の痛みと戦っていた時、突然ドアが開いた。
「あっ、起きてらっしゃったんですね。はじめまして。」
肇が顔を上げると、少女がいた。いや、少女ではない。猫耳の少女がいた。
「…………」
肇は唖然とした顔で少女を見つめている。
「どうしました?私、何がいけない事しましたか?」
少女はオドオドと困惑している。そして、肇は現実を受け止められないでいる。まさにカオス
そんな空間で先に声を出したのは肇だった。
「……あのぅ。」
「!?ひゃっ!ひゃい!!」
いきなり話しかけたため少女が変な声を出した。
「……猫耳…触っても…いい?」
数秒の沈黙。西洋映画ならばダンブルゥイードが転がってくる。
「っ!?!?」
突如少女が真っ赤になり、下を向いた。
「お…おい……大丈夫か?」
「こ……」
「こ?」
「このぉ!!変態野郎がァ!!!」
次の瞬間、肇の頬に衝撃が走る!!すると、
   ゴキリ
嫌な音がした。
肇の意識は闇の中に落ちていった。

……
………
ふと、目を覚ます。頬がすごく痛いし、体が重い。
頬の痛みに耐えながら目を開けると、少女が肇に寄りかかるようにスヤスヤと寝息を立てていた。
「うおぉおお!!!」
「ひゃぁっ!?」
肇の絶叫の後に少女が飛び起きる。
気まずい沈黙の後、少女が謝ってきた。
「先程は思い切り叩いてしまいすいませんでした。そのぉ…私自身あんな事言われるのは初めてだったので…その…驚いちゃって。 」
「あー……いや、気にしないでくれ。その…それを見るのは初めてだったんだよ。それにさ、それは本物なのか?」
肇が問いかけた。すると、
「勿論本物です。あなたにも付いてるじゃないですか。」
少女がきょとんとして言った。
「………へ?」
頭を触る。ふさふさした何かがくっついている。それを引っ張ると、肇の頭にくっついている事が分かった。
「………夢ですか?」
「夢じゃないです。現実です。」
頭が痛い。中からハンマーで叩かれているような痛みがどんどんと強くなっていく。そして……
「あなたにチャンスを与えましょう。」
何処かで聞いたことのある声が聞こえた。
それと同時に今までの記憶が全て入り込んできた。生まれた直後、眩しい光に目を細めたこと。幼稚園に入り、友達と遊んだこと。
小学校に入り、元気に遊んだこと。
中学校になり、イジメられて引きこもったこと。そこから復讐のためにミリオタになったこと。そのまま引きこもり、ゲームをしていたこと。そして……「何か」にこの世界に転生させられたこと。全ての記憶がとめどなく溢れだし、混ざり合い、結晶となって肇の頭の中に形を作る。
「……もしもし?聞こえてる?」
ハッとして顔を上げる。少女がいた。
「まったく…話の途中から俯き出して、急に何かを呟いたかと思えば今度は頭を抱えだして。ほんとに君、大丈夫?怪しい薬でもやって……」
少女が話をやめた。そして、肇をまじまじと見つめ、
「君……泣いてるの?」
えっ?と、声が出る。そんな肇の顔を一筋の雫が流れ落ちてゆく。
「……何があったかは知らないけど、辛い時は何時でも助けるから。私に出来ることなら何でもするから。だからさ、ね?1人で抱え込まなくてもいいんだよ?」
「……ありがとう……少しだけ抱きしめて貰ってもいいかな……  」
肇がそう言うと、少女はコクリと頷き、肇を抱きしめた。少女の体温が肇に伝わってくる。そして、久しぶりに肇は声を上げて泣いた。


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本当にお待たせしてすいません。
私生活のほうで色々とありましたので、今日から書いていきます。
ほんとにすみませんでしたm(*_ _)m
                                                              亀太郎

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