ネトゲ戦車長がガチの戦車乗りになるみたいです。

亀太郎

肇、死す

 戦車。この兵器ほど世界中の男にロマンを与えたものはないだろう。
重厚な装甲。履帯が鳴らす金属音。迫力のあるエンジン音。そして敵を一掃する主砲。
 そんな戦車に情熱と命を捧げる少年が1人。
彼の名は黒鉄 肇。毎年戦車グッズに十万ほど貢ぎ込むオタクである。
そんな彼は人生最大のピンチに立たされていた。
 「くっ……このままではこちらの部隊の戦力差が開いてしまう。」
彼は画面をじっと見つめ、ヘッドセットに指示を飛ばしていた。
 TANK_WAR_FIGHT。彼が熱中しているオンラインゲームである。
彼はその世界大会、そして決勝戦に出ていた。
 彼の顔には脂汗が滲み出ており、会場温度も30度を越している。
そんな時だった。
「こちら偵察小隊。目標を発見、攻撃されたし。」
 彼のヘッドセットから敵発見の知らせが入る。
「了解。全車通達、これより目標に対し制圧を行う。幸運を祈る。」
肇の指示と同時に茂みに隠れていた戦車が轟音と共に移動を開始する。
肇も彼の愛車であるポルシェティーガーに乗り込み、敵を制圧する。
美しい草原が履帯痕と硝煙の匂いで包まれ、それに続いて油と鉄の焦げる匂いで埋め尽くされてゆく。
そして……
 「第5回TANK_WAR_FIGHT世界大会優勝者は…ハジメさん率いる日本代表です!!」
ワッと会場が湧き上がり、拍手が鳴り響く。
そして、肇が立ち上がり……… 
倒れた。
すかさずメンバーが助けに向かうが、ピクリとも動かない。

そして、肇の人生は貧血で倒れた時に頭を打ったことにより幕を閉じてしまった。

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はじめまして。亀太郎と申します。これが初めての投稿です。
 投稿ペースですが、出せる時に出す感じで行きますので、読者様には申し訳ありませんが、僕の我儘にお付き合い下さい。

【用語集】
ポルシェティーガー:ドイツの重戦車。フェルディナント・ポルシェ博士の設計で試作された。モーター駆動式で当時では革新的な技術だったが、採用されなかった。よくエンジンから火が出る。

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コメント

  • 叉龍

    Ⅰ型じゃなくてポルシェできましたか…
    頑張ってください!

    1
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