草食系男子が肉食系女子に食べられるまで TRUE END
後編 草食系とお嬢様19
教室で男子生徒達が、雄介から優子との関係を聞き出そうとしていたのと同じ頃、女子更衣室に向かった1年2組女性陣は、優子から話を聞こうとしていた。
「美歩…どうやって聞く?」
江波に一人の女子生徒が、着替えの途中でやってきて尋ねる。美歩とは江波の下の名前で、フルネームは江波美穂という。女子からは大体下の名前で呼ばれる事が多く、クラスの女子は大体名前で呼ぶ。
「どうやってって…女子なんだから、誰かが適当に恋話して、流れで聞き出すのよ! だから、由美! あんたが切り出しなさい!」
「なんであたし?! 別に好きな人なんて……居ないし」
「じゃあ、その一瞬の間は何よ! ほら、みんなの為だと思って!」
「だから居ないって……」
「ねぇ! みんな知ってるー! 由美って、山本君の事がー」
「なんで知ってるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
高らかに宣言する美歩を由美が大声を上げてかき消そうとするが、既に遅かったらしく、着替え途中だった女子生徒全員が、由美を見て話しを始める。
「え? 由美ってまだ諦めてないの?」
「入学当時からだよね? もう諦めなって、あんたじゃあのイケメンは無理」
「なんでみんな知ってるのよ……」
肩をがっくりと落とし、へこむ由美。そんな彼女にみんな呆れた様子で口々に言う。
「だってあんた、暇さえあれば山本君見つめて、うっとりしてるじゃない?」
「いや、気持ちはわかるけど……山本君はねぇ……」
「あんたらねぇ! 良いでしょ! 好きなんだもん! 何が悪いのよ!!」
涙目で訴える由美に、みんなヤレヤレといった様子。そんな由美に一人だけ共感を持って接してくれる女子生徒がいた。
「分かる! わかるわよ由美! 私もそうだもん!!」
「優子…あなた…」
由美に一人だけ共感を持って接するその人物は、加山優子だ。噂の当人であり、由美がこんな状態になっているきっかけとなった人物。美歩は、この状況に心の中でガッツポーズをする。流れで優子が由美に共感し、自分の恋バナを始めれば、あとは簡単だ。 優子は由美の手を取り、話を始める。
「私も好きで好きでしょうがないの! でも最近、なんだか私に構ってくれなくて……」
その場にいた女子生徒は「今村の事だな…」と思い浮かべながら、優子の話に耳を傾け、話の続きを今か今かと待っている。もちろん皆、着替えの途中である。
「それって…今村の事?」
「そう! なんか最近他の女のところに行ってるらしくて……」
加山の言葉にその場の女子全員が「今村最低」と思い。本人の知らないところで、女子からの好感度が一気に底辺まで下がり始めた。
「何それ最低! 優子があんなに好き好き言ってんのに、他の女のとこ行ってるの? そ入れでも山本君の親友?!」
(((それは関係ねーよ……)))
優子と由美の二人以外の女子生徒がそう思い、すっかり目的を忘れた由美は、どこか真剣な様子で加山と話を進める。
「良いの……だって私、一回振られてるもん…」
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」
この優子の一言には、更衣室の女子生徒全員が驚きの声を上げる。この事実を知っていたのは、優子と沙月だけであり、二人は誰にもこの事を言っていなかった為、皆がこの真実を知ったのはこの時だった。
「え! 何? 振られてたの?? 私はてっきり、今村が逃げてるのかと……」
「じゃあ、もう友達で行くってこと?」
「でも、友達にしては仲良すぎない?」
優子の発言に、更衣室中が騒がしくなる。皆、服のサイズ合わせをすっかり忘れ、話に夢中になっている。 次第に優子の方にみんなの視線が集まり、説明を求めるように迫ってくる。そんなみんなに、優子は笑顔で答える。
「うん振られたよ! でも好きだから……諦めないって決めたんだ!」
(((なんて健気!!)))
評価の下がった雄介とは違い、優子の評価はみるみる上昇していく。そんな事は露知らず、優子は由美を励ましていた。
「由美はまだ振られたわけじゃないんだから! 私より望みあるよ!」
「そ…そうかな?」
「そうだよ! 私、最近よく山本君と話すけど、好きな人とかは居ないみたいだから、大丈夫だよ!!」
「ゆ…優子……」
涙目で感激する由美。そんな二人を見ながら、更衣室の女子達は今村への怒りを燃やし、新たな目的を見出していた。
「今村ぁ~あんなに健気な優子を~」
「許せないよ! いくら不良から助けたからって、振った女の子に気使わないで、他の女のところに言ってる宣言するなんて!」
雄介がすっかり悪者になり始めたそのころ、更衣室で着替えをしていた女子生徒一人が着替えを終えた。
「……フリフリね……」
沙月だ。みんなが優子の話に夢中になっている間、沙月は衣装に着替えを済ませ、サイズを合わせていた。
「あれ? 沙月着替えたの? メッチャ可愛いじゃん!」
「ありがとう。貴方もいつまでも下着姿で居ないで着替えたら? 風邪ひくわよ」
「あ、そういえばメイド服の試着に来たんだった! 早く着替えないと遅くなるわよ~」
みんな、本来の目的を思い出し、急いで着替えを始める。優子も雄介に見せようとニコニコ笑顔を浮かべながら、着替えを始めた。
「メイド服なんて、雄介の家を思い出すなぁ~」
「「「今なんて!?」」」
「え? 雄介の家を思い出すな~って…」
「「「今村の家? しかもメイド服って何??」」」
着替えを始めたのにも関わらず、優子の一言で皆手を止めて、またしても優子に注目し始める。美歩はみんなを代表して優子に聞いた。
「えっと……優子って、今村の家に行って、メイド服にどんあ思い入れがあるの?」
「え? あぁ、雄介のお姉さんと一緒に来たんだよね~。でも、その時は雄介に見せてないから、雄介は知らないよ?」
「「「今村って……」」」
今村雄介はこの時、クラスの女子から、制服好きの変態男子という認識を受けてしまった。本人がこの事実を知るのは、もう少し先の話である。
「……着替えなくていいの?」
沙月は一人、再び騒がしくなった更衣室でぽつりとつぶやいた。
「美歩…どうやって聞く?」
江波に一人の女子生徒が、着替えの途中でやってきて尋ねる。美歩とは江波の下の名前で、フルネームは江波美穂という。女子からは大体下の名前で呼ばれる事が多く、クラスの女子は大体名前で呼ぶ。
「どうやってって…女子なんだから、誰かが適当に恋話して、流れで聞き出すのよ! だから、由美! あんたが切り出しなさい!」
「なんであたし?! 別に好きな人なんて……居ないし」
「じゃあ、その一瞬の間は何よ! ほら、みんなの為だと思って!」
「だから居ないって……」
「ねぇ! みんな知ってるー! 由美って、山本君の事がー」
「なんで知ってるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
高らかに宣言する美歩を由美が大声を上げてかき消そうとするが、既に遅かったらしく、着替え途中だった女子生徒全員が、由美を見て話しを始める。
「え? 由美ってまだ諦めてないの?」
「入学当時からだよね? もう諦めなって、あんたじゃあのイケメンは無理」
「なんでみんな知ってるのよ……」
肩をがっくりと落とし、へこむ由美。そんな彼女にみんな呆れた様子で口々に言う。
「だってあんた、暇さえあれば山本君見つめて、うっとりしてるじゃない?」
「いや、気持ちはわかるけど……山本君はねぇ……」
「あんたらねぇ! 良いでしょ! 好きなんだもん! 何が悪いのよ!!」
涙目で訴える由美に、みんなヤレヤレといった様子。そんな由美に一人だけ共感を持って接してくれる女子生徒がいた。
「分かる! わかるわよ由美! 私もそうだもん!!」
「優子…あなた…」
由美に一人だけ共感を持って接するその人物は、加山優子だ。噂の当人であり、由美がこんな状態になっているきっかけとなった人物。美歩は、この状況に心の中でガッツポーズをする。流れで優子が由美に共感し、自分の恋バナを始めれば、あとは簡単だ。 優子は由美の手を取り、話を始める。
「私も好きで好きでしょうがないの! でも最近、なんだか私に構ってくれなくて……」
その場にいた女子生徒は「今村の事だな…」と思い浮かべながら、優子の話に耳を傾け、話の続きを今か今かと待っている。もちろん皆、着替えの途中である。
「それって…今村の事?」
「そう! なんか最近他の女のところに行ってるらしくて……」
加山の言葉にその場の女子全員が「今村最低」と思い。本人の知らないところで、女子からの好感度が一気に底辺まで下がり始めた。
「何それ最低! 優子があんなに好き好き言ってんのに、他の女のとこ行ってるの? そ入れでも山本君の親友?!」
(((それは関係ねーよ……)))
優子と由美の二人以外の女子生徒がそう思い、すっかり目的を忘れた由美は、どこか真剣な様子で加山と話を進める。
「良いの……だって私、一回振られてるもん…」
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」
この優子の一言には、更衣室の女子生徒全員が驚きの声を上げる。この事実を知っていたのは、優子と沙月だけであり、二人は誰にもこの事を言っていなかった為、皆がこの真実を知ったのはこの時だった。
「え! 何? 振られてたの?? 私はてっきり、今村が逃げてるのかと……」
「じゃあ、もう友達で行くってこと?」
「でも、友達にしては仲良すぎない?」
優子の発言に、更衣室中が騒がしくなる。皆、服のサイズ合わせをすっかり忘れ、話に夢中になっている。 次第に優子の方にみんなの視線が集まり、説明を求めるように迫ってくる。そんなみんなに、優子は笑顔で答える。
「うん振られたよ! でも好きだから……諦めないって決めたんだ!」
(((なんて健気!!)))
評価の下がった雄介とは違い、優子の評価はみるみる上昇していく。そんな事は露知らず、優子は由美を励ましていた。
「由美はまだ振られたわけじゃないんだから! 私より望みあるよ!」
「そ…そうかな?」
「そうだよ! 私、最近よく山本君と話すけど、好きな人とかは居ないみたいだから、大丈夫だよ!!」
「ゆ…優子……」
涙目で感激する由美。そんな二人を見ながら、更衣室の女子達は今村への怒りを燃やし、新たな目的を見出していた。
「今村ぁ~あんなに健気な優子を~」
「許せないよ! いくら不良から助けたからって、振った女の子に気使わないで、他の女のところに言ってる宣言するなんて!」
雄介がすっかり悪者になり始めたそのころ、更衣室で着替えをしていた女子生徒一人が着替えを終えた。
「……フリフリね……」
沙月だ。みんなが優子の話に夢中になっている間、沙月は衣装に着替えを済ませ、サイズを合わせていた。
「あれ? 沙月着替えたの? メッチャ可愛いじゃん!」
「ありがとう。貴方もいつまでも下着姿で居ないで着替えたら? 風邪ひくわよ」
「あ、そういえばメイド服の試着に来たんだった! 早く着替えないと遅くなるわよ~」
みんな、本来の目的を思い出し、急いで着替えを始める。優子も雄介に見せようとニコニコ笑顔を浮かべながら、着替えを始めた。
「メイド服なんて、雄介の家を思い出すなぁ~」
「「「今なんて!?」」」
「え? 雄介の家を思い出すな~って…」
「「「今村の家? しかもメイド服って何??」」」
着替えを始めたのにも関わらず、優子の一言で皆手を止めて、またしても優子に注目し始める。美歩はみんなを代表して優子に聞いた。
「えっと……優子って、今村の家に行って、メイド服にどんあ思い入れがあるの?」
「え? あぁ、雄介のお姉さんと一緒に来たんだよね~。でも、その時は雄介に見せてないから、雄介は知らないよ?」
「「「今村って……」」」
今村雄介はこの時、クラスの女子から、制服好きの変態男子という認識を受けてしまった。本人がこの事実を知るのは、もう少し先の話である。
「……着替えなくていいの?」
沙月は一人、再び騒がしくなった更衣室でぽつりとつぶやいた。
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