草食系男子が肉食系女子に食べられるまで TRUE END

Joker0808

妹と草食系

 雄介たちが買い物に向かってから約一時間が経ち、雄介と慎は買い物から戻ってきていた。「結構遅くなったけど、まだ凛ちゃん帰ってこないのか?」「気にすんなって、いつものことだ。それにそろそろ帰ってくる。」
 時計の針はすでに20時半を回っており、外はもう真っ暗だった
「それなら良いが、じゃあもう飯の支度始めて良いか?」
「おう!ちゃんと凛に教える事も忘れずに頼むぜ〜」
 慎はソファーに寝転びながら雄介に手を振りながら言う。
「お前は本当に何もやらないのな……」
「俺は食べるの専門だって言ったろ〜」
「お前なぁ……少しは手伝う気とか起きないのかよ。」
「その分凛が手伝うよ。」
 慎は雄介と話しながらテレビのチャンネルを変える。
「んで、今日は何作ってくれんの?」
「簡単にカレーにしようと思ってる。あとはサラダとかだな。」
「無難なところできたなぁ〜」
「まぁ、カレーなら失敗も少ないし、凛ちゃんでも覚えられるだろう。」
 説明しながら雄介は、買い物袋の中身を一つ一つ出していく。そうしていると、玄関の方からドアの開く音が聞こえてきた。
「お、凛のやつ帰ってきたみたいだな」
「大丈夫か?部活で疲れてるだろ、料理なら今度でも……」
「あ〜心配ない、多分大丈夫だと思うぞ。」
 慎がそういったのとほぼ同時にリビングのドアが開いた。ドアを開いた本人は慎の妹の山本凛ヤマモト リンだった。服装は学校制服のスカートにジャージの上着を羽織っていた。
「ただいま〜。疲れたー!」
「おう、おかえり。」
 凛は床に持っていたバックを置いて、慎の正面のソファーに寝転んでリラックスしはじめる。
「もう本当に疲れた〜、お兄ちゃんジュース。」
「自分で取ってこいよ。」
「えー面倒いよ〜。」
「はい、オレンジジュース。」
「あ〜ありがとう〜」
 雄介は凛の元に飲み物の入ったコップを持っていく。凛はそのコップを持ち上げて口元に持っていく。
「あ〜美味しい。」
「それは良かった。」
「雄介さんありがとうございます〜」
「久しぶりだね、凛ちゃん」
 雄介は中腰になって凛に声をかける。
「はい〜、雄介さ……ん?え……えぇぇぇぇぇ!!!ななな、なんでいるんですか!!」
「えっと、今日泊まるって聞いてないの?」
 「スマホの電池なくなっちゃってて……。てか、雄介さん泊まるんですか!!」
 凛は雄介から少し距離を置きつつ顔を赤らめながら雄介に問いかけた。
「うん、色々あってね……ごめんね急にお邪魔して。」
 雄介は視線をそらしながら凛に説明をする。凛は自分のポニーテールの髪の毛をいじりながら、雄介の話を聞いていた。
「そ…そうなんですか、みっともないところ見られちゃったな……」
「部活大変そうだね、こんなに遅い時間まで練習してるんだ。」
「は…はい!秋の大会もあるので…」
「そっか、テニス部だっけ?頑張ってね。」
「ありがとうございます!」
 凛は顔を赤らめながら雄介の質問に答えていく。
「どうせ後輩の手伝いだろ〜?お前は実際は引退してんだから。」
「うっさい!バカ兄!コーチが入院中の間だけ仕方なく教えてるのよ!!」
 雄介と凛が話しているところに、テレビを見ながら慎が話しに入ってくる。凛は慎の言葉に立ち上がり、強く反論した。
「はいはい、そんなことより雄介のやつがお前に料理を教えてくれるってよ〜。」
 慎はテレビのチャンネルをを変えながら凛に言う。
「え!雄介さんが!今からですか??」
「うん。あ、でも疲れてるようなら今度でも……。」
「大丈夫です!教えてください!!!」
 凛は雄介の方に向き直り、雄介に近づいて上目遣いで訴えかける。
「あ、うん。じゃあまずは手を洗ってきてもらって良いかな?」
「はい!」
 凛はそう言うと、リビングを出て洗面所まで駈けて行った。
「部活してきたとは思えないほど元気だな……」
「ま、今日はお前がいるからな、いつもはあのままソファーで寝てたよ……」
「そうなのか?だったら今日はそこまで部活が厳しくなかったんじゃないのか?」
「いやいや、あんなにキラキラした目を見たのはお兄ちゃん久しぶりだったよ。」
 慎は雄介を茶化すようにニヤニヤしながら言う。
「何がお兄ちゃんだよ……。でも、凛ちゃんって昔は結構ニコニコしてたイメージがあるんだけど」
「そんなんお前の前だけだよ……」
「え?なんか言ったか?」
「なんでもねーよ。飯の支度頼むぜ〜。」
 慎はそう言うと、再びテレビの方に視線を戻した。
「なんだよ…気になんなぁ…」
 雄介が慎の言葉に違和感を覚えながら、料理の準備をすすめていると、凛がリビングに戻ってきた。
「お待たせしました!」
「あ、着替えてきたんだ。」
 凛は先ほどの学校帰りの服装とは違い、ホットパンツにパーカーというラフな格好になっていた。
「はい、汗もかいていたので……」
「そうだよね、部活から帰ったばっかりだったもんね。」
「てか、お前少し化粧もしてんだろ。」
 慎は凛の方を向きながらまたしもニヤニヤしながら言ってくる。
「うっさい!汗で少し化粧が落ちちゃったから少し直しただけ!!」
「へいへい、わかったわかった。さっさと飯作ってくれよ。」
 面倒くさくなったのか、慎はあくびをしながらテレビの方に向き直った。
「じゃあまずは玉ねぎを切ってもらおうかな。」
「は、はい!よろしくお願いします!」
 雄介と凛は並んでキッチンに立ち、料理を始めた。雄介は凛に料理の基本的なところから教え始めた。
「包丁の持ち方とかは大丈夫だようね?」
「そこは流石に大丈夫ですよ〜」
 そう言いながら凛が包丁を握ると、いきなり両手で包丁を握り始め、そのまま玉ねぎを切り始めようとした。
「まってまって!全然大丈夫じゃないよ、その持ち方!!」
「あ、あれ〜……」
「こうやって持つんだよ。」
 雄介は凛の後ろに立ち、凛の手を取りながら二人羽織のようなら形で包丁の握り方と切り方を教え始める」
「は…はい…」
 凛は雄介の行動に顔を赤らめながら、緊張した様子で指導を受ける。
「雄介って凛に対してはあの症状出ないのな。」
「あぁ、昔はダメだったけど、今は随分慣れたからな。」
「昔はかなり避けられてましたからね……」
 凛は寂しそうな表情でポツリとつぶやく、それを見た雄介はすかさずフォローを入れる。
「いや!あの時はまだ慣れてなかっただけで、今は大丈夫だから!」
「そりゃあ、雄介さんの事情はわかっていましたけど、あの時は本当に傷つきましたよ。」
「俺ってそこまで酷いことしてたかな……」
「あぁ、あれは酷かったよな〜」
 三人は昔の懐かしい話をしながら食事の支度をすすめていた。そして約一時間ほどで晩御飯の支度が整った。
「やっとできたな〜」
「慎、お前は何もしてないだろ……」
「お兄ちゃんは、テレビ見ながら時々話しに混ざってきただけでしょ。」
「ちゃんと話し相手っていう大役をこなしてただろ?」
「そんな使えない役割を大役とは言わねーよ……」
 ドヤ顔でいう慎に対して、雄介と凛は呆れ顔で答える。
「てか、さっさと食おうぜ、もう時間も時間だしさ」
「なんもしてないくせに態度だけはデカイな……」
「それが俺だ!」
「威張っても仕方ないだろ……」
 三人はテーブルについて食事を始めた。席の配置は慎と凛が隣り合って座り、その向かいに雄介が座るような形になった。
「相変わらず、雄介の飯はうまいな〜、連れてきて正解だったわ。」
「そうか?普通だろ。」
 慎はカレーを頬張りながら雄介に感想を言う。雄介は何食わない顔でカレーを食べるが、内心は普通に嬉しかったりする。
「凛ちゃんも大分上達したね。」
「はい!雄介さんのおかげです。」
 凛は嬉しそうに笑みを浮かべながら、雄介の問いに答える。
「んで、凛はどれくらいできるようになったんだ?」
「もう、カレーだったら普通に作れるんじゃないかな?ほぼ一緒に作ったから、流れは覚えただろうし。」
「えっと…多分出来ると思うんですけど…」
「まだ不安?結構物覚えが良くて結構大丈夫かなって思ったんだけど?」
 雄介の問いに対して凛は返答に困ってしまった。そんな凛を見ていた慎はカレーを食べながらフォローを入れる。
「要するに雄介。凛はお前にもう少し料理を教わりたいんだと。」
「え?そうなの、凛ちゃん?」
「そ、そうなんですよ!!雄介さんさえよければまた教えて欲しいな〜、なんて……。」
 凛は申し訳なさそうに雄介に頼む。雄介はそれに対して少し困りながら答える。
「いや、俺なんかが教えるよりももっと上手い人に教わった方がいいんじゃ……」
「いえ!雄介さんに教わりたんです!!」
 凛は勢い良く雄介の返答に答えた。それを見た雄介は少しだけ驚き身を引いてしまった。
「そ、そこまで言うなら俺は別に良いけど……」
「本当ですか!!」
「いや、でも凛ちゃんって部活とか受験勉強もあって忙しいんじゃない?」
「大丈夫です!両立できます!」
 雄介は凛の必死のお願いを断ることも出来ず、雄介は凛の頼みを受け入れることにした。
「じゃあ、週一くらいなら…大丈夫だよ。」
「本当ですか!ありがとうございます!!」
 雄介の返答に凛は嬉しそうに答える。雄介は凛の嬉しそうな笑顔に少しプレッシャーを感じながら、愛想笑いを返した。
「雄介〜断っても良いんだぞ〜。加山の相手もあるだろ?お前は〜」
「なんで加山が出てくるんだよ…」
 慎が雄介をからかうように言うと、凛が話題に反応して、口に運ぼうとしていたスプーンを置いて話しに入ってきた。
「加山さんって誰ですか?」
「雄介に猛アピールを仕掛けてる女子だよ。そいつから逃げて今日はここに泊まりにきてんだから。」
「それってストーカーじゃないですか!」
 凛は少しだけ怒った様子で雄介に向かって言った。
「ストーカーって言われるほどの事はされていないから、大丈夫だとは思うんだけど……」
「でも、よく二人でイチャイチャしてるだろ?」
「イチャイチャしてるんですか!!」
 慎の一言に凛の怒りは一層大きくなり、さらに声を大きくして雄介に言った。
「いや、イチャイチャなんてしてないから!ただあいつがしつこいだけで……」
「でも、仲は悪くないだろ?」
「確かに仲は悪くはないが、正直言って好き好んで一緒にはいたくはない。」
 雄介はそう言い切ると、そのままカレーを口の中に放り込んでいく。
「そう言ってる奴に限って、いなくなったら寂しいとか言い出すんだよ。」
「絶対ない!!」
 雄介は必死に否定する。そんな雄介をよそに凛は面白くないような顔をしながら、黙々とカレーを口に運んでいた。
「凛ちゃん?どうかした?」
「別になんでもないです……」
 凛はあからさまに不機嫌な様子で雄介に対して返答をする。
「あ〜あ、雄介が凛の機嫌損ねちゃったよ〜」
「え!俺のせいか?!」
 凛は無言で黙々とカレーを食べている。表情は相変わらず不機嫌そうで、先ほどまでの笑顔はなくなっていた。
「えっと…凛ちゃん?俺何かしたかな??」
「いえ、雄介はさんは何もしてないですよ。悪いのはその加山さんって言う女の人なんですもんね?」
 凛は笑いながら雄介に返答を返すが、凛の目は笑ってはいなかった。
「まぁ、この話はいいとして。雄介、風呂入って来いよ、もう沸いてるから。」
「あぁ、サンキュー。じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。」
 そう言うと雄介は立ち上がり、食器をキッチンに戻すと風呂場に向かって行った。
「凛、以外とライバルは多そうだぞ。」
「そうみたいだね。でも大丈夫、今日で私のものにするから……」
 凛と慎は雄介のいなくなったリビングで何やら話をし始める。
「さっきの加山ってやつの話だけどな、結構胸はあるし、何よりメチャクチャルックスが良いぞ。お前はどうやって加山に勝つつもりなんだ?」
「そうだね、普通に考えたら勝ち目はないけど。私には雄介さんからの信頼って言う武器があるから。」
 凛は小悪魔のような笑みを浮かべながら慎に言う。慎はそんな妹を見ながら笑みを浮かべる。
「こりゃあ今夜は面白くなりそうだな。」

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