99回告白したけどダメでした
120話
「いやぁ~流石だな、料理も豪華で上手そうだわ」
そんなところに、料理を持って誠実が帰って来た。
豪華な料理にうきうきしながら、誠実はうれしそうに席に着く。
「ん? おいどうした美奈穂、顔赤くないか?」
「そんな事ないわよ」
「じゃあ、なぜ顔をそらす……」
誠実から顔をそらし、一向に誠実の方を向かない美奈穂。
そんな美奈穂と誠実を見ながら、恵理は笑みを浮かべる。
美奈穂の行動に若干の疑問は抱きつつも、誠実は美奈穂と恵理と共に食事を続ける。
「そういえば、誠実君は彼女とか居ないの?」
「え、い…いや……」
最近振られたり、告白されたりした誠実にとって、この質問はとても答えにくかった。
「あ、でも入学したばっかりだと、そういうことってまだ無いかな?」
「そ、そうですね……あはは」
恵理の言葉に、誠実は引きつった笑顔で答える。
これならこれ以上ツッコンだ事は聞かれなさそうだと、誠実が安心していると、やっと前を向いた美奈穂が恵理に言う。
「うちの兄は、夏休み前に失恋しましたよ?」
「おい! なんで言うんだよ!」
「嘘はダメじゃない?」
「こう言う嘘は良くない?!」
平然とした態度で、誠実の恋愛事情をバラす美奈穂に、誠実は勢いよく言う。
そんな誠実に、恵理は口元を両手で押さえ、驚きの表情でフォローを入れる。
「だ、大丈夫よ! 高校生なんてこれからじゃない? それに夏休みの間に良い出会いとかあるし……」
「あぁ、それならご心配無く。もう良い出会いなら十分過ぎるほど合ったみたいですから」
「え? それって……?」
「お、おい……お前まさか……」
誠実は美奈穂が話し出すたびに、何を言うのかとドキドキした。
そして美奈穂は誠実の予想通り、誠実の最近の恋愛事情をバラす。
「告白されて、今は保留中なんです。しかも二人」
「だから、なんで言うんだよ!」
「嘘は良くないでしょ?」
「美奈穂……俺なんかお前にしたっけ……」
最近の自分の恋愛事情を知られ、がくっと肩を落とす誠実。
そんな話しを聞いた恵理は、先ほどまでん笑みとは違い、小悪魔のような悪戯っぽい笑みを浮かべながら、誠実に話す。
「へぇ~モテるんだね、誠実君。やるねぇ~」
「い、いや…そんな事無いですよ。むしろ、この二人からの告白が人生の記念すべき一回目と二回目でして……」
「人生で告白って、そこまでされないと思うけどね~。お姉さん良いこと聞いちゃったなぁ~」
「なんで俺のこの話が良いことなんですか……」
先ほどからニコニコとからかうように笑う恵理に、誠実は肩を落としてがっくりしながら答える。
「記念すべき三回目は誰だろうね~」
そう言いながら、恵理はちらりと美奈穂を見る。
見られた、美奈穂は恵理の視線に気がつき、咄嗟に目をそらした。
「いや、多分もうないですよ。俺は基本モテないですし、今はちょっとモテ期なだけですよ」
苦笑いをしながら誠実は恵理にそう言う。
そんな誠実に、恵理はニコニコしながら言う。
「じゃあ、私が三回目になろうかしら」
「え!?」
「はい?!」
美奈穂、誠実の順で驚きの声を上げる。
告白同然の発言に、驚く誠実と美奈穂だったが、すぐに恵理の冗談だと気がつき、誠実は恵理に笑顔で言う。
「からかわないでくださいよ、モテない男は一瞬っでも本気にしちゃうじゃないですか」
「あら酷い、私が誠実君をからかっているとでも?」
「実際そうじゃないですか……そんな事より、そろそろ部屋に戻らないと、明日も撮影なんですし」
「うふふ、そうね。じゃあ行きましょうか」
そんな会話をして、誠実達の食事はお開きになった。
しかし、美奈穂だけがどこか険しい表情のまま、去って行く恵理を見つめていた。
「美奈穂?」
「え……あ、ごめん。行きましょう」
誠実に声を掛けられ、美奈穂はやっと動き出した。
二人はそろって同じ部屋に戻って行く。
「明日は、何時からだって?」
「予定見てないの? 朝の9時に一階のロビーに集合して撮影開始よ」
「あぁ、そっか。じゃあ大分ゆっくり出来るな」
「そうね……」
ほんのり顔を赤くして答える美奈穂に、誠実は笑いながら続ける。
「しっかし、お前と同じ部屋で寝るなんて、何年ぶりだろうな」
「知らないわよ……全く、変な事しないでよね」
「するか! まぁ、でも偶には良いかもな、兄妹水入らずってのも……」
「最近は良く二人で居るでしょ?」
「あ、考えて見ればそうか……」
そんな話しをしているうちに誠実達は、部屋に到着した。
部屋に入ると、誠実はベッドに飛び込み、一気にだらける。
「あ~疲れた……」
「何だらけてるのよ、まったく……」
「仕方ないだろ、気を張って疲れちまってさぁ~」
ベッドの上に寝たまま、誠実は動かなくなる。
美奈穂は、椅子に座ってお茶を飲みながら、スマホを操作する。
やっと訪れた、安らぎの時間。
しかし、そんな二人の時間を部屋の呼び鈴が壊した。
「ん、誰だ?」
「おにぃ出て」
「は? お前が出ろよ」
「私は今忙しいの」
「スマホ弄ってるだけじゃん……」
そう言いながらも、誠実は起き上がり、部屋のドアを開ける。
そんなところに、料理を持って誠実が帰って来た。
豪華な料理にうきうきしながら、誠実はうれしそうに席に着く。
「ん? おいどうした美奈穂、顔赤くないか?」
「そんな事ないわよ」
「じゃあ、なぜ顔をそらす……」
誠実から顔をそらし、一向に誠実の方を向かない美奈穂。
そんな美奈穂と誠実を見ながら、恵理は笑みを浮かべる。
美奈穂の行動に若干の疑問は抱きつつも、誠実は美奈穂と恵理と共に食事を続ける。
「そういえば、誠実君は彼女とか居ないの?」
「え、い…いや……」
最近振られたり、告白されたりした誠実にとって、この質問はとても答えにくかった。
「あ、でも入学したばっかりだと、そういうことってまだ無いかな?」
「そ、そうですね……あはは」
恵理の言葉に、誠実は引きつった笑顔で答える。
これならこれ以上ツッコンだ事は聞かれなさそうだと、誠実が安心していると、やっと前を向いた美奈穂が恵理に言う。
「うちの兄は、夏休み前に失恋しましたよ?」
「おい! なんで言うんだよ!」
「嘘はダメじゃない?」
「こう言う嘘は良くない?!」
平然とした態度で、誠実の恋愛事情をバラす美奈穂に、誠実は勢いよく言う。
そんな誠実に、恵理は口元を両手で押さえ、驚きの表情でフォローを入れる。
「だ、大丈夫よ! 高校生なんてこれからじゃない? それに夏休みの間に良い出会いとかあるし……」
「あぁ、それならご心配無く。もう良い出会いなら十分過ぎるほど合ったみたいですから」
「え? それって……?」
「お、おい……お前まさか……」
誠実は美奈穂が話し出すたびに、何を言うのかとドキドキした。
そして美奈穂は誠実の予想通り、誠実の最近の恋愛事情をバラす。
「告白されて、今は保留中なんです。しかも二人」
「だから、なんで言うんだよ!」
「嘘は良くないでしょ?」
「美奈穂……俺なんかお前にしたっけ……」
最近の自分の恋愛事情を知られ、がくっと肩を落とす誠実。
そんな話しを聞いた恵理は、先ほどまでん笑みとは違い、小悪魔のような悪戯っぽい笑みを浮かべながら、誠実に話す。
「へぇ~モテるんだね、誠実君。やるねぇ~」
「い、いや…そんな事無いですよ。むしろ、この二人からの告白が人生の記念すべき一回目と二回目でして……」
「人生で告白って、そこまでされないと思うけどね~。お姉さん良いこと聞いちゃったなぁ~」
「なんで俺のこの話が良いことなんですか……」
先ほどからニコニコとからかうように笑う恵理に、誠実は肩を落としてがっくりしながら答える。
「記念すべき三回目は誰だろうね~」
そう言いながら、恵理はちらりと美奈穂を見る。
見られた、美奈穂は恵理の視線に気がつき、咄嗟に目をそらした。
「いや、多分もうないですよ。俺は基本モテないですし、今はちょっとモテ期なだけですよ」
苦笑いをしながら誠実は恵理にそう言う。
そんな誠実に、恵理はニコニコしながら言う。
「じゃあ、私が三回目になろうかしら」
「え!?」
「はい?!」
美奈穂、誠実の順で驚きの声を上げる。
告白同然の発言に、驚く誠実と美奈穂だったが、すぐに恵理の冗談だと気がつき、誠実は恵理に笑顔で言う。
「からかわないでくださいよ、モテない男は一瞬っでも本気にしちゃうじゃないですか」
「あら酷い、私が誠実君をからかっているとでも?」
「実際そうじゃないですか……そんな事より、そろそろ部屋に戻らないと、明日も撮影なんですし」
「うふふ、そうね。じゃあ行きましょうか」
そんな会話をして、誠実達の食事はお開きになった。
しかし、美奈穂だけがどこか険しい表情のまま、去って行く恵理を見つめていた。
「美奈穂?」
「え……あ、ごめん。行きましょう」
誠実に声を掛けられ、美奈穂はやっと動き出した。
二人はそろって同じ部屋に戻って行く。
「明日は、何時からだって?」
「予定見てないの? 朝の9時に一階のロビーに集合して撮影開始よ」
「あぁ、そっか。じゃあ大分ゆっくり出来るな」
「そうね……」
ほんのり顔を赤くして答える美奈穂に、誠実は笑いながら続ける。
「しっかし、お前と同じ部屋で寝るなんて、何年ぶりだろうな」
「知らないわよ……全く、変な事しないでよね」
「するか! まぁ、でも偶には良いかもな、兄妹水入らずってのも……」
「最近は良く二人で居るでしょ?」
「あ、考えて見ればそうか……」
そんな話しをしているうちに誠実達は、部屋に到着した。
部屋に入ると、誠実はベッドに飛び込み、一気にだらける。
「あ~疲れた……」
「何だらけてるのよ、まったく……」
「仕方ないだろ、気を張って疲れちまってさぁ~」
ベッドの上に寝たまま、誠実は動かなくなる。
美奈穂は、椅子に座ってお茶を飲みながら、スマホを操作する。
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「ん、誰だ?」
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