白と華と魔王と神と

アルマジロ@小説書いてます

災厄



4人にパーティを組ませて冒険者を始めさせて4ヶ月ほどの頃。
俺は4人がどんな感じなのか見るために冒険者ギルドへ付いてきていた。もう全員Bランクへ昇格してた。さすがバケモンぞろい。
華音たちは依頼ボードを見て会話している。それを横で見ている俺への視線がヤヴァイ。
「おい、アレ、邪龍討伐したやつだよな?ひと月でSランクになったって言う」
「あぁ、多分そうだ。めったに依頼を受けないのにどーゆー風の吹き回しだろうな」
そこ、聞こえてますよ?まぁ、事実なんだけど。だって衣食住安定してて、お金もあるから稼ぐ必要もない。めんどくさいし特訓もあるしでSランクになってから依頼は2回くらいしか受けてない。まぁ受ける必要も無いしね。降格ないし。失効もないし。
「依頼どれしよう?エリはどーお?」
「私はどれでも構いませんわ」
「フレッド兄様はどうです?」
「アルが決めろ。パーティリーダーだし」
ちなみに偽名としてエリスはエリ、アルフレッドはフレッド、アルグレスはアルを名乗っている。華音はそのまんまだ。パーティ名は『雷炎氷華』それぞれが得意とする魔法だ。雷はアルフレッド、炎はエリス、そうあのエリスが結局、火属性魔法だけは使えるようになった。で氷がアルグレス、華は華音個有の幻覚魔法のことらしい。ちなみにアルグレスをパーティリーダーにしたのはアルフレッド。半強制的にやらせたらしい。
「またですかぁ...じゃあこのh...」
バァン!
アルグレスが依頼書に手を伸ばそうとした時、ギルドの扉を壊す勢いで一人の男が入ってきた。たちまちざわつくギルド。それもそのはず大慌てで入ってきた男はBランク、ベテラン勢で決して弱くない部類の男だから。
「やべえ!やべえよ!やばいんだ!だれか!ギルドマスターは!?」明らかに仲間がピンチとかそーゆー感じじゃない。おかしい。
「おい、どーした!しっかりしろ!」
「ギルドマスターを!ギルドマスターを!」ああ、もう!うざい!さっさと話せよ!
「いいから話せっ!俺が取り次いでやる!」
「わ、わかった。デ、、、死の行進デスマーチだ。明日にはこの街に着くっ!」
「なんだとっ!?」アルフレッドが叫ぶ。
ギルド内は大騒然となる。当たり前だろうな。死の行進とは過去に2度、起きている魔の森からのスタンピード。魔の森は平均モンスターランクがSSランク。
これがどれほどなのか。わかるだろうか?そう聞いても微妙だろうと思うのでここで、モンスターランクについても説明しよう。
まずは普通に冒険者と同じSSS~Gまで存在する。そしてモンスターの場合、SSSのさらに上がいる。
それが上から、
神罰級まさに神罰のような破壊を齎す。関わってはならぬ存在である。目を覚ましてしまえば国がいくつあっても足りないだろう。現在は存在していないとされている。認定されたのは過去数千年で1回きりである。
天災級抗うことのできない天災のような存在。一度怒らせれば国がいくつも滅ぶであろう。現在、存在しているかは不明。認定されたのは過去に3回。
災厄級人がなんとか抗う事が出来るだろう。しかし怒らせれば鎮圧するのに国はひとつでは足らぬだろう。現在4種が認定され、生存している。
災害級これが通った後は災害後の様相だろう。だが、勝てぬ事は無い。討ち滅ぼすことも出来るだろう。現在、50種が認定されている。
この4つ。教えて貰ったじーさんはエルフの語り部らしく吟遊詩人として世界を渡り歩いているらしい。天才級に巡り会ったこともあるらしいがあれは人の手に負えるものでないと言っていた。まぁ俺なら大丈夫だろうけど。
と、まぁそんな訳だが...その災害級やら災厄級やらの内のほぼ全て魔の森にもいる。しかもゴロゴロと。魔の森の魔物の最低ランクはBだが、そいつらのせいで平均がSSランクまで跳ね上がっている。最低ランクBランクのスタンピードって時点で絶望に近いだろうな。
そもそも、モンスターのランクも冒険者ランクと同等ではない。
大体がそのランク4人で倒せる想定のランク設定だ。だからAランクモンスターならAランク4人が必要なわけだ。まぁ、相性なんかもあるが。
「おい、お前ら一旦帰ってアルベルトへ報告しろ。今すぐダッシュでだ。いいな」4人に声をかけ俺はカウンターへ向かう。固まっているレヴィへ声をかける。
「レヴィ、メルクへ通せ」
「へ?」
「いますぐメルクリウスの部屋へ案内しろ。緊急だ」
「は、はい!こちらへ!」
走ってメルクリウスの執務室へ。ノックもせずに扉を開け、入ると同時に叫ぶ。
「おい、さすがにノックはしてから入...」
「おい!メルク!緊急だ!死の行進だ。辺境伯には連絡をやった。避難勧告と冒険者の緊急召集、早くしろ!」
メルクは驚いて立ち上がった
「なんだとっ!?それは本当か!?」
本気マジじゃなかったらノックもしないで入ってこねえよ!到着予定は明日。冒険者はAランク以上を集めて討伐隊とBランク以下の防衛隊に分けろ。魔法使いは全員防壁の上から魔法を撃ち込ませろ。地上迎撃部隊の指揮は俺がとる。総指揮は任せるぞ」
「わかった。しかしそれでは街の防備がな...」
「安心しろ。防護結界を張れる」
「任せていいんだな?」
俺はそう言われて大きく頷く。
はぁ~とため息を吐くとメルクが立ち上がった。
「わかった。レヴィ!」でかい声で呆然としてるレヴィに声をかける。
「は、はいっ!」
「緊急の鐘を鳴らせ。拡声の魔法の準備も誰かに伝えてやらせろ」
「わかりました!」
「ハクヤ、行くぞ」
「わかってらぁ」
ギルドのロビーへ走って戻る。
「諸君!すぐに指示を出す!今しばらく待ちたまえ!」
大騒然としたギルドロビーにメルクの声が響く。ずっと静かになった。
「すぐに緊急召集の鐘と拡声の魔法による避難勧告を出す。ハクヤこのことを辺境伯様に...」
「いや、いい。直接来た」
1度静まったロビーかまた騒がしくなる。なにせ辺境伯夫妻がガッチガチのフル装備でロビーへやってきたのだ。その後に続くのは華音たち4人。
「死の行進とは本当か。ハクヤ」
「あぁ、《世界地図ワールドマップ》で確認した。おぞましいほどのいるぞ」嘘でないことは確認済みである。
「諸君、ここからは私とメルクで指示を出す!メルク鐘と拡声の魔法は?」
「マスター!準備完了です!」
「今完了しました」
「ここへ持ってきてくれ。鐘は鳴らせ」
「レヴィ聞いたね!拡声の魔道具をここへ!鐘を鳴らすように通達を!」
「はいっ!」
レヴィが奥へ走っていきしばらくすると街の各所から普段、時報に使われる鐘よりも高い音の鐘の音が鳴り響き始めた。


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