白と華と魔王と神と

アルマジロ@小説書いてます

辺境都市 ローテルン


「おぉーこれが、この世界の街...」
「すごーい!!」
「そうでしょう!この街は王国内でも五本の指に入る街なのよ!」へぇ、たまには役立つ情報も言うのか。
なんと言えばいいか。中世ヨーロッパのような建物が立ち並ぶ街並み。タイムスリップでもしたのかと思わせるような風景だ。大通りに屋台や様々な店が並び店員が色々と呼び込みをしている。店に並んでいるものも見たこともない物や鎧や剣、食べ物なのか分からない食べ物など見ていて面白い。そしてここは地球と違う世界なんだと、思わせるかのように目に入ってくるのは人。獣耳があったり尻尾があったり耳が尖っていたり髪の色がカラフルだったり。地球上には絶対に存在しない彼ら。
「やっぱ異世界、だもんな」「あの尻尾もふもふしたい!!!」
華音のが順応が早くておかしいと思う。
「なぁ、これ、どこへ向かってんだ?」
行き先がわからないのでロドリゴに尋ねる。
「辺境伯邸だ」
「いきなり貴族かよ」貴族って言葉にあまりいい印象を持ったことはないんだがな。
「オルカスさんとの契約とかどーたらこーたらができんだろう?」
「はぁ、、、しょうがない」

そんなやり取りをしながら街の中を進むことしばらく。
町の中心より少し北側だろうか。でかい屋敷が見えてきた。
「でけえな」
「あれが辺境伯様の屋敷だ」どうだ、と言わんばかりのドヤ顔でロドリゴが言ってくるのでお前のではないだろうと心でツッコミつつ、あぁでかいな、と返しておく。
なお華音は
「でかい!すごいね!」
と興奮気味である。エリスは華音にそう言われ誇らしげに胸を張っていた。どうやらあそこはまだ2人で盛り上がってるみたいだ。屋敷でかい家はまだ地球にもあった類だろうに。
やはり写真やテレビで見るのと現物見るのではやはり違うんだろうか。
うちは別荘があったからな。しかも普段住んでる家よりでかいのが。お盆に親戚がみんな集まるからかなりでかい。さすがにここまででかくなかったが。
やはり馬車がここのものだからだろう。門番はおかえりなさいませと一言発し門を開ける。俺らは街に入る際と同じようなやりとりをして門をくぐる。
門をくぐったあとしばらく進むとようやく玄関にたどり着いた。
門から玄関が遠い。
不便だろ。。。
馬車が玄関の前で止まると中から数人のメイドさんが出てきた。
そう、本物のメイドさんである。
俺はびっくりした。まさか居るとは思ってもなかった。
「お客様がいらっしゃいます。客間にお通ししてお茶を出しなさい」
オスカルがなにやら指示を出すと1人のメイドさんがこっちへ来た。
「いらっしゃいませ。客間へご案内いたします。どうぞこちらへ」
「あ、ありがとうございます」「め、メイドさん!すごい!」
華音、さっきからすごいしか聞いてないよ?馬鹿に見えるだろう?これでも俺より頭いいんだぜ?
1歩足を踏み入れて分かった。辺境伯はセンスがいい人だ。なにせ適度に華やかで豪華で煌びやかなのだ。ゴテゴテしている訳ではない。かといって質素すぎる訳でもない。
「キラキラ!いいなぁ、こんな家住みたい!」
「住もうと思えば住めるぞ。金ならある」
「え?なんか言った?」
「いや、なんでもない」
「こちらになります」
客間へ足を踏み入れる。調度品は素人が見てもいいものだと分かる。うん。やはりセンスがいい。
「こちらにお座りになってお待ちください。すぐにお茶をお持ちいたします」
お言葉に甘えてソファへ座る。
ふっかふかである。まさか中世ヨーロッパのような時代でここまでふかふかのソファがあるとは。これはベットも期待できるな。
「失礼します。お茶をお待ちしました」
「おぉ、ありがとうございます」
テキパキとお茶を出すメイドさん。お茶請けだろうクッキーとともにテーブルに置かれた。
「「いただきます」」
おそらくいただきますという文化はないのだろう。メイドさんは頭に?を浮かべている顔だ。
そんなメイドさんを横目にお茶を1口。
「うまっ!えっ?うまっ!お茶ってこんな美味くなんの!?」
「クッキーも超美味しいよ!!」
「ありがとうございます」メイドさんがすこし誇らしそうにお礼を言う。
「辺境伯様を連れてきたぞ」
そんなところでノックがありロドリゴたちが入ってきた。ロドリゴとエリスアホ女とそしてもう1人が辺きょう、は、、く?
.........でっっっっか
「でかぁっ!?」
「おい」こら!華音!思ったことは全て口に出しちゃいけませんよ!!
まぁ、いいとして、改めて辺境伯を見てみる、正直かなりでかい、予想以上にでかい。というか、
巨漢
である。
腕も丸太ほどあるし身長は2m50cmくらいあるんじゃないか?あれ。
しかしよくよく見ればエリスはそれなりに美女である。しかもどちからといえば小柄でもある。どうしたらあれからこれが生まれてくるんだ。DNA仕事しろよ。
「ハッハッハ!素直な子だ!面白い!ランベルト王国 辺境伯 アルベルト・ローテルン、ローテルン領領主だ」
「朱槻 白夜、旅人だ、ハクとでも呼んでくれ。ハクヤが名前だ」
「同じく 朱星 華音 です」
「ハクヤ アカツキ、カノン アカホシか。娘の無茶で迷惑をかけたようだな。娘を助けて頂いて感謝する」
「あぁ、気にするな。そこの執事との契約だ。報酬も出させるのでな」
こういう話し合いになると華音はすっと静かになる。話し合いは苦手なのだろうか。まぁいいや。
「あぁ、その事だが、身分保証だったか?」
「あぁ、そりゃ別に報酬も払わせるがな。別に金がいる訳じゃないがあって困る訳でもないだろう?」
「ハッハッハ!そうだな!いいだろう!私がお前達の身分を保証しよう!」
何が面白いのか爆笑してそういうと紙とペンを出してなにかを書いていく。
「そのなりだと冒険者になるのか?」
「あぁ、そのつもりだが?」
「なら推薦書も書いておこう」
「助かる」
しばらく待つと二通の紙を封筒に入れ、ちいさめの袋とともに机の上に乗せた。
「ほれ、あとは報酬だ。金貨100枚。十分だろ?」
「ずいぶん太っ腹だな」まさか100枚も貰えるとは思ってなかった。なるべく《無限収納》の中の硬貨は使いたくなかったから助かった。だって価値がわからないから迂闊に出せない。多分とんでもないんだろうけど。
「娘の命なんざ金で買えんからな。安いほうだ」この人はちゃんと分かっている。やはりセンスがいいだけある。
「なら、ありがたく貰っておく」
「このあと予定はあるのか?」
「特にないな。あぁ、宿を見つけなければいけないな」
「ふむ、、、なら今日はうちに泊まっていくがよい。食事も出すぞ。明日にはいい宿を紹介してやろう」
「いいのか?見ず知らずの人間をいきなり泊めて」
「お前達の目を見ればわかる。犯罪を犯す者の目じゃない。それにこの時間からだ。良い宿もそう見つからん」
まったく無茶をいう人だな。窓の外を見ればかなり暗くなっている。たしかにこの時間からじゃ宿を見つけるのも難しいだろうし好意に甘えておくか。
「華音もそれでいいか?」
華音もこくりと頷いた。
「じゃあ、よろしく頼む。助かるよ」
「ハッハッハ!気にするな!おい、部屋に案内してやれ」
「はい。ご案内いたします」


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