白と華と魔王と神と

アルマジロ@小説書いてます

プロローグ2

「......…………?」
ふと、目を覚ます。辺りは白。上も下も右も左も白。浮いてるのかと錯覚を感じるほど色が変わらない白い空間に居た。
そして思い出す。気を失う前にあった出来事を。頭が絶望が体に痛みが蘇る。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
 コロス カクジツニコロス ケシトバシテヤル コロス コロス コロス コロォオォォォォォオス
痛みと絶望と怒りで狂気に染まる。
ヤツ、ヲ、コロス、タメ、ダケニ。



いったい彼はどれほど歩いたのだろうか。



果てしない年月を歩いたような、ほんの数時間歩いただけのような。そんな感覚で狂気の中彼はさまよい続けた。


そして...

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…ア゛ア゛ア゛…ア゛ア゛...ア゛??」
ふと呼ぶ声が聞こえた気がした。何故かはわからない。狂気の中、ただ使命感を感じ唸り、ふらふらになりながらもそちらへと歩いていく。時間も、距離も、方角も、空腹も、眠気も、何もかも、一つして感覚がまったくない中ひたすら声が聞こえた方へ。まるでゾンビのようにひたすらただひたすら
歩く歩く歩く歩く歩いていく。
歩けば歩くほど声は次第に、ほんとうに少しずつ大きく、ハッキリとなっていく。
そしていったいどれほど時間が経ちどれほど歩いたのか。
遂に声の発生源を見つけた。
白い世界にただ1箇所、金色の輝きを放つ球体を見つける。
そこに何か懐かしくとても暖かい物を感じ思わず駆け寄ろうとするが足がもつれて転ぶ。立つ時間が勿体ないと這って球体に近づいていく。
そして球体にたどり着きの中にあるものを見て思わず涙が溢れ出た。
「華音...」そこには刺され、切りつけられたはずなのに傷一つない華音が静かに眠っていた。
どのようにしてここに呼んだのか。なにに呼ばれたのか。それすら分からない。
ただ、なぜここに呼ばれたかは理解出来た。
心が晴れていくような気がした。涙と共に心の中の不純物が消えていくようなそんな感覚があった。
「良かった...」傷がないことによる安心と懐かしさで涙が止まらない。華音に近寄ろうとするが球体に阻まれ近づくことが出来ない。
「オヌシは一体誰じゃ」しばらく立ち往生していると不意に後ろから声をかけられる。「っ!?」弾かれるように振り返れば白く長いヒゲに白く長い髪で皺の深い老人が立っていた。そして華音の球体に近づこうとしている事に気づき警戒態勢に入る。すると老人がなにかに気づいたように呟き出す。「いや...オヌシ、さては…いや…だがもう手の施し用のない壊れ方だと…」一人で考え込んで始めてしまった。
俺は頭の上に?を浮かべながらも華音を阻む球体を通り抜ける術はないか探す。

そしてしばらくして老人が口を開く。「オヌシは『朱槻 白夜』であっとるか?」
「なぜ、、名前を知っている、、」なぜ名前を知っているのかと警戒を強める。
「そうか…正気に戻ったのか…そうかそうか!よかったよかった!」老人はふぉっふぉっふぉっと笑い出した。
「さて紹介が遅れたの。ワシはジェネシス。ここは『世界を支配する世界ワールド・ドミネイション・ワールド』いわゆる『神界』みたいなものじゃな。ワシはここや他の世界の生みの親、まぁ神や世界の王であり親みたいなもんをしとる。まぁ創造神というわけじゃな。創造神やら神王と呼んでくれればいいぞ」
「…………………は?」死ぬ前の時とはまた違う驚きで開いた口が塞がらない。
「オヌシら二人には『アナザー』という世界へ転生してもらうぞ。オヌシの気が狂ってしまったからその子一人で送ることになったんじゃが。オヌシが正気に戻ったのなら計画通り二人とも転生してもらおうかの」
「…………………………………………は?」もはやまったく話が理解できない。いやライトノベルなどによくある異世界転生?転移?系のモノは読んだことがあるし言いたいことは理解できる。
「まぁ転生と言っても体はほぼそのまま身体能力をちょっと弄って向こうに適応させて飛ばすから転移のがしっくりくるかの?」
「おい……………」だが刺されて殺されて転生しますと言われても信じられるわけがない。
「で、オヌシらには特殊な能力が与えられるわけだが」
「おいっ!!!聞けぇぇぇぇ!」
「ふわぁっ!?な、なんじゃ!急に大声出すでないわ。心臓に悪いじゃろ」
「いきなり殺されて起きたら変なところでそんな場所で急に現れてはい、転生ねって言われてもはいそーですかとうなずけるわけが無いでしょうが」
「しかしのぉそこの嬢ちゃんはもう決まっておるからのぉ。嫌がるならまた別のところに送ることになってしまうんじゃが...それでええんか?」
華音と別世界とかもはや考える必要もない。「却下だ。仕方ない。でどうすればいい?」
「そこの球体に入ればいいだけじゃ。もう入れるじゃろ」先程まで俺の侵入を拒んでいた球体はそんなこと無かったかのように俺を受け入れた。
そして老人いや神王が手を降れば華音が横たわっているものと同じものが現れた。
「そこに寝てくれ。転送を始めるからの」
「……分かった」いまだに信じきれないがもうこうなれば仕方ない。
「では転送を開始するぞ」
そして意識は今度はゆっくりと静かに闇に沈んでいく。








「あ、特殊能力と身体を姿そのままに作り変えたの教えるの忘れたわい。

.....まぁ、よいか」

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