最恐魔王の手さぐり建国ライフ!!〜政治に農業、時々戦争!?〜
第33話 善光
『ヴァッヴァッヴァッヴァ♪』
悪神は焼け焦げた大地を見て気持ち悪く笑う。
どうやら邪魔者を倒した事で勝ちを確信したみたいだ。
だけど。
「隙だらけだ」
『ヴァ!?』
俺はその隙をつき魔力貯蔵瓶《マジックポーション》を飲み魔力を回復する。
放つのは俺の使える刃系魔法の最上位。
「巨人兵の剛斬撃!!」
俺の背後に巨大な魔力が集まり、鎧に身を包んだ逞しい戦士の形になる。
上半身だけしか形成されないがその大きさは悪神とほぼ同じ、つまりかなりデカい。
そしてその手にはこれまた巨大な両手剣が握られている。
「いっけええっ!!」
『グアアオォォ!!』
俺の掛け声と共に巨人は咆哮し、その手に握った両手剣で悪神の肩に斬りかかる。
ズッシャアアァ!!
『ゴギャアアァァ!!』
とてつもない力で振るわれた剣は悪神の肩を切り裂き、そのまま胸まで両断する。
神力の込もってない攻撃だが、さしもの悪神も痛みを感じるのか苦悶の表情を浮かべる。
しかし、斬り裂いたはずの肩はもう再生を始めている。
これ以上時間を稼ぐのは厳しいな。
「ここは頼むぞゴライアス!」
『グオォ!!』
俺はゴライアスに後を任せ上昇する。
あいつなら数分は持ち堪えてくれるだろう。
俺は雲のかかるところまで上昇し叫ぶ。
「準備はいいかマーレ!」
俺の問いかけに応じるかのように目の前の空間が揺らぎ、マーレが現れる。
「はい。十分な大きさになったと思います。」
そう返す彼女の頭上には直径100mは超すであろう巨大な水の塊が浮遊していた。
「こいつはスゴい。それでは作戦通りにいくとしようか。」
「はい。御心のままに」
俺たちは水の上に移動し魔力を練る。
最初にこの作戦を聞いたときはどうなるかと思ったが今のところは順調だな。
◆
「光魔法?」
「ええそうです。あの人工神アンリ・マンユの弱点はおそらく光魔法です」
俺が打倒悪神の作戦を立てようとするとマーレが作戦を提案してくる。
「根拠はあるのか?」
「はい。アンリ・マンユは神話の中で他の天敵とも言える神に倒されます。そしてその神が……」
「光を司ってるって事か」
「その通りです」
この世の魔法的な存在は言葉に縛られている。
マーレの情報が確かなら賭けてみる価値はありそうだ。
「しかし光魔法か……あまり使った事がないな」
使えない事はないだろうが、練習した事のない魔法はいくら俺でも上手く使う事が出来ない。
「安心して下さい私がやります。その代わり時間稼ぎをお願いします」
「マーレ、お前光魔法なんか使えるのか?」
前の彼女はそんな魔法《もの》使えなかったはずだ。
今の彼女は一体何が出来るのだろうか?
「いえ、今の私は水魔法しか使えません。ですがアレにダメージを与える良い考えがあります。」
「ほお、それは心強い」
「何より、今の私には神性があります」
「!?」
名前を変えた時そんな効果を盛り込んだ覚えはないぞ!?
「どうやら神力が満ちてる所で生まれ変わった為、神力を体に取り込んだみたいです。なので私ならアレを倒せるはずです」
「なるほど。一考する価値のありそうな作戦みたいだな」
「ありがたき幸せです」
マーレは俺に恭しく一礼する。
なぜここまで忠誠心が高いのか分からないが、今は気にしていられない。
マーレには悪いがその力、使わせてもらう。
「では考えを聞かせてもらえるか?」
「はい、まずは…………」
◆
「衛星鏡体《サテライトミラー》!」
俺の周りに5mほどの鏡が数十枚出現する。
「いくぞマーレ!」
「はい!」
俺の意思で動き出す鏡達はマーレの作り出した水の塊の少し上空を取り囲むように展開される。
「まだまだぁ!」
俺は追加で更に鏡を次々と生み出す。
いつしか生み出された膨大な数の鏡は水の塊を完全に取り囲む。
それを確認したマーレは水塊の形を変える。
平べったくて中央が膨らんだ円形。そう、レンズの形だ。
俺の鏡で集められた太陽光はマーレの作った水のレンズを通り収束。
その熱量は光ではなくもはやレーザーだ。おまけに神力の込められた水を通過した光は神力を帯びている。
「名づけて準神善光《デミ・マズダー》。これで終わりだ!!」
完全に形を変えた水のレンズに光が集まり、膨大な光のエネルギーが悪神に向け放出される。
『いっけええぇぇ!!!』
『ヴァアアアァァ!!!』
放たれた光の柱は寸分の狂いもなく悪神に降り注いだ。
悪神は焼け焦げた大地を見て気持ち悪く笑う。
どうやら邪魔者を倒した事で勝ちを確信したみたいだ。
だけど。
「隙だらけだ」
『ヴァ!?』
俺はその隙をつき魔力貯蔵瓶《マジックポーション》を飲み魔力を回復する。
放つのは俺の使える刃系魔法の最上位。
「巨人兵の剛斬撃!!」
俺の背後に巨大な魔力が集まり、鎧に身を包んだ逞しい戦士の形になる。
上半身だけしか形成されないがその大きさは悪神とほぼ同じ、つまりかなりデカい。
そしてその手にはこれまた巨大な両手剣が握られている。
「いっけええっ!!」
『グアアオォォ!!』
俺の掛け声と共に巨人は咆哮し、その手に握った両手剣で悪神の肩に斬りかかる。
ズッシャアアァ!!
『ゴギャアアァァ!!』
とてつもない力で振るわれた剣は悪神の肩を切り裂き、そのまま胸まで両断する。
神力の込もってない攻撃だが、さしもの悪神も痛みを感じるのか苦悶の表情を浮かべる。
しかし、斬り裂いたはずの肩はもう再生を始めている。
これ以上時間を稼ぐのは厳しいな。
「ここは頼むぞゴライアス!」
『グオォ!!』
俺はゴライアスに後を任せ上昇する。
あいつなら数分は持ち堪えてくれるだろう。
俺は雲のかかるところまで上昇し叫ぶ。
「準備はいいかマーレ!」
俺の問いかけに応じるかのように目の前の空間が揺らぎ、マーレが現れる。
「はい。十分な大きさになったと思います。」
そう返す彼女の頭上には直径100mは超すであろう巨大な水の塊が浮遊していた。
「こいつはスゴい。それでは作戦通りにいくとしようか。」
「はい。御心のままに」
俺たちは水の上に移動し魔力を練る。
最初にこの作戦を聞いたときはどうなるかと思ったが今のところは順調だな。
◆
「光魔法?」
「ええそうです。あの人工神アンリ・マンユの弱点はおそらく光魔法です」
俺が打倒悪神の作戦を立てようとするとマーレが作戦を提案してくる。
「根拠はあるのか?」
「はい。アンリ・マンユは神話の中で他の天敵とも言える神に倒されます。そしてその神が……」
「光を司ってるって事か」
「その通りです」
この世の魔法的な存在は言葉に縛られている。
マーレの情報が確かなら賭けてみる価値はありそうだ。
「しかし光魔法か……あまり使った事がないな」
使えない事はないだろうが、練習した事のない魔法はいくら俺でも上手く使う事が出来ない。
「安心して下さい私がやります。その代わり時間稼ぎをお願いします」
「マーレ、お前光魔法なんか使えるのか?」
前の彼女はそんな魔法《もの》使えなかったはずだ。
今の彼女は一体何が出来るのだろうか?
「いえ、今の私は水魔法しか使えません。ですがアレにダメージを与える良い考えがあります。」
「ほお、それは心強い」
「何より、今の私には神性があります」
「!?」
名前を変えた時そんな効果を盛り込んだ覚えはないぞ!?
「どうやら神力が満ちてる所で生まれ変わった為、神力を体に取り込んだみたいです。なので私ならアレを倒せるはずです」
「なるほど。一考する価値のありそうな作戦みたいだな」
「ありがたき幸せです」
マーレは俺に恭しく一礼する。
なぜここまで忠誠心が高いのか分からないが、今は気にしていられない。
マーレには悪いがその力、使わせてもらう。
「では考えを聞かせてもらえるか?」
「はい、まずは…………」
◆
「衛星鏡体《サテライトミラー》!」
俺の周りに5mほどの鏡が数十枚出現する。
「いくぞマーレ!」
「はい!」
俺の意思で動き出す鏡達はマーレの作り出した水の塊の少し上空を取り囲むように展開される。
「まだまだぁ!」
俺は追加で更に鏡を次々と生み出す。
いつしか生み出された膨大な数の鏡は水の塊を完全に取り囲む。
それを確認したマーレは水塊の形を変える。
平べったくて中央が膨らんだ円形。そう、レンズの形だ。
俺の鏡で集められた太陽光はマーレの作った水のレンズを通り収束。
その熱量は光ではなくもはやレーザーだ。おまけに神力の込められた水を通過した光は神力を帯びている。
「名づけて準神善光《デミ・マズダー》。これで終わりだ!!」
完全に形を変えた水のレンズに光が集まり、膨大な光のエネルギーが悪神に向け放出される。
『いっけええぇぇ!!!』
『ヴァアアアァァ!!!』
放たれた光の柱は寸分の狂いもなく悪神に降り注いだ。
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コメント
道端ねぎ
すっごい面白い。
マーレとジークの誕生秘話見てから1話戻ると泣ける。