ネカマな回復職の物語
3.目覚め
目を覚ますと俺は草原に立っていた。
「あれ?さっきまで狩場に…女の子は?」
明らかにおかしい。
バグか何かだろうか?
それとも自分が咄嗟に転移スキルでも発動させてしまったのだろうか?
しかしそれにしてはおかしい。
俺は1年近くプレイしているがこんなフィールドを見たことが無いのだ。
「ここ何処だろ。」
一応周りに人は居ないが女の子口調にも取れるようこぼす。
ハウンドフォレストに似ている気がするが彼処は森があったはずだ。
「とりあえず持ち物確認とMAP確認か。」
そう言いながら持ち物を確認しMAPを呼び出す。
とりあえず持ち物や装備に変わりはなさそうだ。
金もしっかりある。
しかしMAPをみているとやはり見覚えがない。
少し離れた所にプレイヤーらしきドットが動いている。
「んー…おかしいなぁ…やっぱり見覚えがない。」
と、1人MAPとにらめっこしていると後ろの方から馬車らしき馬の蹄の音が聞こえる。
「あ、馬車かな?」
エヴォルブレイバーオンラインにおいて乗り物は珍しくない。
転移では味気ないと思うプレイヤーや行商スキルを取って商人ロールをしているプレイヤーがよく馬車に乗っているのだ。
まぁ馬車を引いているのは大半が馬では無いが。
「丁度いいからここが何か聞いてみよう」
しばらくするとやはり馬車が来る。
俺の視線から10m程手前でおーいと声がし馬車が減速する。
「どうしたんだい?こんな所で、お嬢さん1人かい?」
そう言いながら業者台から声をかけてきたのは少しふっくらとした40代くらいの人族男性と馬車の影にぴったりと張り付いていた
護衛だろうか少し強面の人族の筋肉質な男だ。
年齢は30半ば位だろうか?
そんな事を考えながらとりあえず質問を投げかける
「プレイヤーの方ですよね?ここは…ハウンドフォレスト?」
「ハウンドフォレスト?プレイヤー?」
プレイヤーじゃないだと?NPCがこんなに話しかけてくるのか?
新しいイベントか何かか?
「この草原の名前はサウラジアだけど…」
なるほど。
しかしこの草原の名前はサウラジアって言うのか。
ますます聞いた事が無いな。
うーん。困った。
「歩いてここまで来たのかい?」
そう言いながら商人らしき男は怪訝な顔をし始める。
不味いな、少し不審に思われている様だ。
「すみません、私名前以外何も思い出せなくて…」
「街へ行こうと思って歩いていました。」
すると男は驚いた表情をして
「街まで歩くって?!3日はかかるよ!」
「3日?!」
「そこも覚えていないのかい?」
「すいません…わからないです」
「なるほど…記憶喪失か…」
男はブツブツと言いつつ1人で納得してくれた様だ。
後ろに付いている護衛の筋肉は終始無表情だが。
「しかしお嬢さんの様な子が1人では危険だろう。どうだい?これも何かの縁だ乗っていくか?私もこれから街へ戻るところだ。」
「いいんですか?」
ありがたい!是非乗せていってくれ3日も歩くのは流石に精神的に厳しい。
「ギースも構わないか?」
と男が護衛に尋ねる。
この筋肉の名前はギースって言うのか。
「俺はどちらでも構わない。守る人間が増える分報酬に色は付けてもらうが。」
どうでも良さげにそう呟くとまた無表情に口を閉ざす。
どうやらこの筋肉は俺に興味もなく無口な様だ。
「じゃあ決まりでいいかな?」
「よろしくお願いします!」
こうして俺の知らない世界での生活が始まった。
何度も直しながら書いているためおかしい部分があるかも知れません。
文才の無い作者ですがよろしくお願いします。
※今後修正する可能性あり。
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