最強無敵の賢者(ワイズマン)
Love21「パニック・イン・ジャスコ(中編)」
此処はジャスコの喫茶店内で一人のイケメンの青年が優雅に時計型端末を開きながらコーヒーを飲みながらデータを打ち込んでいると耳元のデバイスに通信が入った。
「プリンス仕掛けを施しました」
「了解した合流地点で後で会おう」
青年は喫茶店から出て人が多数集まり始めたメンタル・スーツをチラリと見ると非常階段を優雅に急ぎ降り駐車場へ向かい車の中へ入ると大男がケースを出した
「カルロス之か?よし!車を出せ!」
頷く男のケースの中身を取ると操作を始めた。
さて、イケメン青年によって何が起こるのだろうか?
***
メンタル・スーツの前ではスーツ姿の女性がマイクを持ち
「メンタル・スーツ[スケルトニア]は凡そ全高4.5mでフル装備で7tと軽量化に成功しました。最新の四谷重工のシステムにより常に規格化された武器管制システムを持つことが可能で治安維持や防衛等時の大量の同タイプが集まった時に互換性を持ち、通信等を円滑に行う事が出来ます、其れでは鈴原桃二パイロットに乗ってもらいたいと思います」
奈落が上がり躰にピッシリと合わさった青色のパイロットスーツとヘルメットを被ったパイロットが出て来て手を振りながら背中の操縦室に入ると扉が締まりM・Sの眼が青く光り動きだし動き始めた。
「先ずは、躰を前後に…躰を捻って…ランスを構えて…ポーズ!」
後ろから出る白煙と風によって付けているマントがなびき[スケルトニア]は機械の騎士が立っている様な姿に見え人々は其々の端末で写真や映像を撮り始めフラッシュがパシャパシャ瞬き始めた時だった[スケルトニア]が突然脱力したかの様に頭を下げた
「おっと、皆さん[スケルトニア]が眩しいとポーズを取っています!」
フォローしその間に原因を探るように手元のディスプレイで指示を出したが[スケルトニア]は再び顔を上げた。だが、眼が赤く成った[スケルトニア]はランスを天井に投げると同時にガッツンと音がし暫くしてガリゴゴとコンクリート同士が擦れる様な音がすると天井の一部が落下し始めた。
「落ちるぞ、逃げろ!」
「早く、逃げろ!!」
怒号と悲鳴が聞こえ人々は我先に蜘蛛が散るように逃げ始めたが
『ママー、ママードコー』
泣きながら、土煙の中で目を擦りながら母親を探す幼い少女が居た、どうやら母親とはぐれてしまった様だ。擦った目を開けて上を見てみると巨大な岩の塊が落ちてきている。幼女は余りのショックで足がすくみ、恐怖の余り再び目を閉じたが幼女に当たるのは岩の硬さでは無く、撫でたのは優しい温もりと涼しさで有った。
「やるじゃない!ブラウさん!」
「そちらこそ!奈々さん!」
幼き瞳に映るのは、朱と蒼の美しい少女達で有った。
『お姉ちゃん達は…』
幼女が少女達に話しかける間もなく朱い少女は幼女を抱え、崩落が続く天井の付近から蒼い少女と共に避けたが周りは何時の間にか瓦礫と炎で覆われていた、元凶はガガ…チンッバンと音をさせながらフードコートの店内を破壊しているメンタル・スーツ[スケルトニア]だ!燃え上がる店内から出て来た少年の両手には店員らしき男女が抱えられていた。
少年はソースと青海苔で汚れた口元を拭いながら少女達を見つけると
「二人を任せた!此奴は何とかする!」
男女を二人の方へ投げ、少女達が彼等を受け取ると刀の柄を触り、M・Sの右手が落ちた。同時にM・Sから煙幕が流れ付近が見えなく成り暫くして煙幕が晴れると其処には少年のM・Sの姿は無く残された少女達は
「どうしましょうか?ブラウさん」
「そうですね!我々だけで逃げるのは簡単ですけど…」
言葉に詰まるのも無理が無い、此処にはまだ十数人もの負傷した人々が居り、壊れかけた天井は今には崩落しそうな勢いである悩んでいると
「あら、プロテイン市を見に来たら警報が鳴って皆、退避し始めたけど知っている人間の気配がして来てみたら、大丈夫?せっかくの綺麗な肌と髪が煤だらけよ」
身長2m程の服からはち切れんばかりの筋肉が成って居る彼が現れた。
「「大和さん!!良いところに!!」」
少女達が抱きつくと
「あら、嬉しいわ!私に出来る事なら何でもするわ、他ならぬレディ達の頼み成らばね!」
抱きつき返しながら嬉しそうな顔をしていた。
***
一方、少年とM・Sの方はどうなっただろう?
少年は3階のおもちゃ売り場に居る、店内は静まり帰り誰も居らず機械仕掛けのおもちゃの展示品やフォログラムのキャラクターが顔認証センサーに反応し呼びかけている。カランと音がし少年が振り向くと傍にスイカほどの大きさの黒い物が転がっておりピカッと光ったと思った瞬間に爆風と破片が彼を襲ったが彼はが柄に手をやるだけで爆風も破片も彼を避けるように飛んでいき周りの玩具たちを破壊し炎を上げ始めた
「ふん…面白い…光学迷彩に大型手榴弾か…?どの位まで僕が耐えられるか実験をして見たのかな?じゃあこっちも試しにやってみようかな?」
柄に手を置くと少年を中心として紅い円が生まれ左手をパチンと手を鳴らすと紅い円は巨大な炎と爆風を生みながら3階のおもちゃ売り場イヤ三階のフロア全てを破壊しつくし外へ大量のガラス片を撒き散らした。少年は柄に手をやりながら暫く目を瞑っていると
「此処には居ない…という事は上と下…どっちか?イヤ上だな!」
少年が上へ行くため非常階段へ向かおうとしたが、ガラガラバゴーンと凄まじい音がし非常階段の方から土煙が上がった
「分かった…正面から来いという訳か…」
呟きながら止まっているエスカレーターを4段飛ばしで上がると其処の階は特設会場で[迷える鏡の迷宮]と書かれたフォログラムが書かれて居り少年は其れを見ると会場内に入っていった。
誰もが一度は遊園地で行った事がある背の高い自分、太った自分が見える鏡のトリックアートが見せる鏡の迷宮、そう行った所に一度も行った事が無い彼は一枚一枚興味深けに見ているがM・Sが一枚の鏡に現れ少年に発砲した
「アレ?このM・S何時から銃持っていたの?危ないなーちゃんとM・S委員会から銃所持の許可取ってるのかな?」
脚元に叩き落とした大口径の弾と弾が辺り粉々に砕け散った鏡を見比べながら呟いた後に柄に触れると後ろの鏡達がバラバラと砕け始め其処にはアサルトライフルを持ったM・Sが現れ少年は
「気が付かないと思った?馬鹿なの?死ぬの?今、降伏するながら出血大サービスで死なない程度に加減するけど?」
M・Sの背後、つまり操縦席の当たりから通告するとM・Sは両手を上げたが同時に床に多数の丸い珠を落とし次の瞬間に周りは爆風に包まれた。
「全く、つまらない!逃げてばかしじゃ!もっとワクワクさせてよ!でも、左腕は貰ったし後もう少しでチェックメイトかな?」
爆風により全ての鏡が割れ伽藍堂に成った特設会場に残された少年は爆発の中で切り落とした鋼鉄製のM・Sの左腕を蹴飛ばしながら不敵に笑った。
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