女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第二十七話 司書とスバラと居酒屋



 「あっ、あっつ」
 「転生者とは、何?」
 私、サンダーは先程まで、戦っていた男の脳に指を差す。
 「貴様何かに、いう物かぁあああつすつつ」
 「うん、別に言わなくて良いよ!」
 私は、男の脳から、情報を引き出す。 転生者とは、別な世界から知識を受け継ぎこの世界に来た者。 全員が、何らかの特典を持っている。 殆んどが、日本という国から来ている。 大体、五十人位がこの世界に居る。
 多くは、普通に余生を送っているが、魔力と知識を持ち、活躍する者もいる。 知識を得ようとしたが、ブロックが掛かり、知識が抜けない。
 「もう少し、リラックスして、貰えますかね?情報が抜けないので?」
 「誰が、貴様何かに情報gっぐっぐぐぐわああ」
 「別に、意識を別な方に持ってかれても良いのですよー」
 私は、男の一物を握り、潰す。 グチャット音がし、男は泡と白目を剥いた。 んーいいね、意識が壊れた為に、情報が抜けた。
 居酒屋、令嬢、酒屋家業を営む領主、パティシエ領主……。 うん、いいね!全員殺そう! この国を進歩させ、魔族に対抗出来るまでに発展をさせては、行けない! この国を、魔族と戦争出来る国にしては、行けない。
 私は、男の白子を口の中で転がし、潰した。 さて、この男から情報は聞き出しだし、処分しよう。 でも、美味しい白子をくれたお礼に、華やかに逝かせて上げようと私は思った。 男の胃の中に、爆薬を仕掛け、空に投げると綺麗な肉塊の花火を飛ばした。
 次は、白子を食べたら、男の記憶の中のとりあえず生という物を飲みたい、衝動に駆られた。 居酒屋【ノブナガ】に向かう事にした。
***
 ――逃げた二人
 「チャドネの魔力が、消えた」
 「津田さん……一体何が、有ったの?」
 「分からないわ!行き成り襲われたの」
 「津田さん、どうするの?」
 「取り敢えず、彼女の元へ行くわ!」
 「彼は、信用できるのか?」
 「ええ、彼の居酒屋が儲かっているのは、私のお陰よ!」
 津田と呼ばれた少女は、透明な袋に入った白い粉を出し、スバラ少年に渡す。 少年は、袋を破り、右手の人差し指に乗っけ吸う。
 「ヒャーーーいいブツだぜ!姉貴!」
 「つくづく、理系女子で良かったと思ったわよ」
 少女は、袋の中の白い粉を撫でながら笑顔で、答える。
***
 ――とある居酒屋
 「大将、私はこれ以上、こんな事は……」
 「だけど、そうしないと我らの居酒屋は、立ち行かない」
 「ですが、こんなのは料理として、間違っています!」
 「そうね、確かにそうだわ」
 「大将!分かってくれたのですね!」
 「ええ、分かったわーー」
 バゴンと音がし、少女と話していた、男性が床に倒れる。
 「何故、大将……」
 「貴方が、居なければバレル事は無い、死体は、友好活用するわ」
 少女は、笑顔で肉挽き器を指差す。 次の日の仕込みをする為に、少女は仕事を始めた。
 「先ずは、オークの肉を挽いてハンバーグ、骨は豚骨ー、そして、求人を出さないとー」
 少女が、大きなノコギリを持ち、先程まで店員だった、オーク族の男の頭を落とす。
 「フーン、フーン、住所不定無職の大食いのオークも役に立つ!」
 血を抜き、肉を剥がし、骨を煮始める。 ギュット、パンパンと肉を合挽きする音が聞こえ、鍋からは、良い匂いが出てくる。
 「ふふふん、次は、当店秘伝の粉をマブセバ完成!」
 少女は、ご機嫌な顔で、合い挽きした肉を魔導式冷蔵庫に入れる。 鍋を弱火にしていると、ガラガラと店の扉が開く音がし男が入って来た。
 「大将!空いているかい!」
 「トムさん、ようこそ!」
 「取り敢えず生と、今日のお勧めで!」
 「今日のオススメは、新鮮な、もつ煮だよ!」
 「じゃ、それで!」
 「あいよ!」
 少女は、人参に豆腐、ジャガイモ、生姜、オークのモツを入れて煮る。 客は、ビールを飲み、茹でた蚕豆を食べて上機嫌。
 「この頃、良い助手居ないかしら?」
 「また、逃げたのかい?」
 「ええ、皆さん良い、職場を見つけたみたいで……」
 「鳥族に魚族に、オーク族か……獣人は、ダメだな!」
 「イエイエ、そういうわけにも参りません」
 「唐揚げに、白魚の刺身、イズレも美味しかった……」
 「今度は、豚のもつを使った煮物だよ!」
 「へーー、そこのオーク族は、豚なんだー」
 少女の笑顔が、引きつる。
 「居酒屋【ノブナガ】ですか?【第六天魔王】に変えた方が良いのでは?」
 男は笑顔で、少女に話す。
 「トムさん、冗談は止してくださいってば!」
 「トムって、こいつだっけ」
 男は口を開け右手を突っ込み、口の名から同じ姿の男を出す。
 「イヤー、不味かった。消化不良だったわ」
 床に叩きつけると、辛うじて形を止めていたトムは、液体に姿を変える。 少女は、料理刀を出し、男の方へ向く。
 「何の事だか?私には、分からないです」 「フフフ……其れでは、吾輩の名推理を聞くが良い」
 男は、取り敢えず生を飲み干し、少女の方へ向き直した。

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