女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第二十五話 少女と転生者



 今日は、何時もと違う雰囲気の店に私、サンダーは来ている。 トマトとビールが合わさった、レッドアイという物を飲んでいる。
 「嬢ちゃんは、まだ早いと思うんだが?」 「死にたいの?後ろの人間みたいに?」
 私は、後ろの死体達を指差さすと、情報屋の男は、引きつった顔をする。 彼等は、不幸にも私に楯突いた愚か者達。
 見事に全員、愉快なアンティークと化している。 今、座っている冒険者だった女●●●●の椅子も中々心地よい。
 だけど、流石にこいつ等は、美味しくない。 だから、トマトで満足している。
 「で、転生者って、何なの?」 「それは、異世界から来た者達です」 「へーどんな者達なの?」 「例えば、高い魔力を持ってたり、知識を持ってたりします」 「魔法使いだったりするの?」 「そうです。後は賢者とかと言われて、います」 「フーン、そいつらって良い奴?」 「悪い奴も、良い奴もいます」 「そいつらのリストとか情報ってある?」 「ええ、有ります、白金貨十枚で、どうです?」
 私は、情報屋の前に白金貨二十枚を渡す。
 「へへへ、多めに、ありがとうございます。此れが資料です」
 情報屋は、白金貨を受け取ると、店から早足で出ていこうとした。
 「ええ、多い分は、貴方の命の代金よ」 「へぇあ?」
 バラバラっと情報屋は、バラバラに砕け散った。 だって、私の情報を売る可能性のある人間は、始末しないとね!
 私は、立ち上がり、保冷庫の中にトマトジュースを取りに行く。 中には、未熟なトマトが、カタカタと震えている。
 渋い顔のマスターの娘とは、思えない可愛さ。 ビールを取り、パサっとへたを分離すると、トマトジュースが出る。 樽の中に、トマトジュースを絞り出し、皮だけにする。
 皮を火で炙り、ツマミにし、情報屋の資料を見る事にした。
***
 フーン、情報屋って中々役に立つのね! 全部で、二十人程、転生者っていうのが居る。
 全員が先ずは、マヨネーズっていうのを作り始める。 そして、酒とか菓子を作り始める。 人気が出、大金を貯める。
 何故か、爵位を持っている家に生まれる。 辺境伯の五男とか、男爵家の長男とかに生まれる。 女の場合は、没落しそうな悪徳公爵家の令嬢とか……
 全員に共通しているのは、醤油と味噌と米という物が好きみたい。 ヤマト国の人間と趣向が、似ている。
 また、全員が獣人族に対して嫌悪感を持たず、好意を抱いている。 中には、獣人族の少女をメイドとして侍らせている、辺境伯もいる。
 あ、此奴はこの間殺した奴だ!バッテンしとこう。 さて、どうしようか? 誰から、ヤロウか? 目立たない、人間からヤロウか? そうだね……図書館の司書とか良いんじゃ無いかな?
 女の子だし、美味しそうだし、魔力も高い。 んーー、もう一人居た。 一般人の男、能力は不明だけど、普通に生活をしている。 まずは、コイツを捕まえて、転生者の情報やらを得てみよう。 皮を食べ終え、私はバーを後にした。
***
 日が落ちた、街の裏路地、その男は歩いていた。 私は、意識を刈り取る為に、そいつの背後から襲った。 スカッと私の手刀が、空を切った。
 「お嬢さん、危ないですよ」
 その、普通の男は、横で引きっつた笑みを浮かべ、私は直ぐに、その男から離れた。
 「僕は、怪しい者じゃ無い」 「じゃ、どうして、避けれたのですか?」 「自分の未来が、見えるからと答えじゃダメかな?」
 そんな、男の戯言を聞いている暇は無いため、転移魔法で男の横に飛び、腕を切る。 でも、スカッと空を切る。
 「だから、僕は、自分の未来が見えるって言っているじゃない!」
 男は、獲物らしき魔銃を私に向ける。
 「だから、どうしたというのです」
 私も持っていた、魔銃を取り出し、彼に撃つ。 だが、また弾は、男に当たる事は無かった。 あーイライラする。
 「こんな、普通の人生を送りたい僕をどうして、殺そうとするんだい?」
 男は、何時の間にか私の傍で、銃を構え胸に当てて居た。 貰った、私は自身に巻きつけた爆弾を爆破させる。
 閃光と爆音が、辺りを襲った。 私の躰は、勿論問題は無いが、あたり一面を焼け野原にしてしまった。 男の姿は、見えず蒸発してしまったのだろうと、踵を返した時だった。
 「あー危なかかった!死ぬかと思ったら」
 男の声がした。 声の主は、地面から出て来た。 どうやら、下水道に隠れてて居た様だ。
 ん、殺そう、死んでから脳を食べれば良いや―― プチっと私の中の何かが弾けた……
 殴る、蹴る、投げる、爆破、破壊、気がついたら私の周りは全てが瓦礫に変わっていた。 その男も、服をボロボロだ。
 「まったく、君のお陰で酷い目だ!どうして僕を殺そうとする」 「貴方、転生者を殺す事が、マスターの為ですから!」 「ほぅ、僕が転生者だと知っているのかね!」 「ええ、だから死ね!」
 再び、男に斬りかかる。だが、男に全て躱されてしまう。
 「ちょこまかと逃げないで、欲しいですね」 「死にたくないのでね!所で、君は何故、マスターの為に殺そうとする」 「冥土の土産に、お教えします。転生者は、勇者と成り魔族を撃つ存在だから」
 私は転移し、男の額に銃を付け言い、トリガーを撃つ。 男の額に、穴が空いたっと思いきや丸太に変わる。 後頭部に、何かが当たる。
 「君の負けだ!銃を降ろし降参してくれると嬉しいな」 「ええ、私の負けです。今回は、でも貴方を捕まえた鉄の処女アイアンメイデン
 私と彼の周りが、トゲトゲで覆われる。
 「ええ、だから一緒に死にましょう」 「ええええええええええ」
 私と男はプシャっと潰れ、一つの肉片に変わった。 ん……おかしい、私の分しか肉片の質量が無い。
 鉄の処女アイアンメイデンの展開を終えると、男が吐いていた。
 「はぁはぁ、ヤバイ!ヤバイ!セーブして置いて良かった!」 「じゃ、死にましょうか!?」
 男の脳をグシャリと掴み、脳を取り出したら、男の姿は消えた。 私は、晴れない気分を紛らわす為、指名手配の冒険者を殺しに行く事にした。

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