女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第二十話 地獄の戦線2






 バシュ、バシュ、私サンダー事、ジル・ド・レ伯爵の魔銃が放たれる。 少年少女達の脳が弾け飛び、浄化される。
 「お願い、殺さないで、何でもするから」
 少女が、服を脱ぎ、私の前に両手を組み祈る。
 「分かった、死んで」
 パンと心地よい音がし、少女の額に穴が空き、大地に崩れ落ちる。 少女は、安堵からの恐怖の顔を浮かべ、死んでいた。 此れこそ、私が望んだ、人族の死に方。
 少年少女達が、来た所を遡って行くと、開けた所に出た。 其処は、中央に大きな穴が空き、大小の穴で繋がっていた。 少年少女達が武器を持ち、穴から穴へ出入りを繰り返している。
 大きな穴の傍で、ガスマスクを付けた集団がいた。 彼等は、【VX】と書かれている金属タンクを持っている。 私がいた収容所では、実験兼処刑に使われてた物。
 魔銃を出すと、そのタンクと持っていた人物達を撃った。 タンクから、シュート音がし中身が漏れ出す。 傍にいた、人間達がバタバタと皮膚を爛れさせ、倒れていく。 タンクを持ち、下と上へぶん投げる。 悲鳴や絶叫が聞こえ、やがて、静寂が訪れた。
 「ウ……ッツ」
 呻き声を上げている少年が居たので、穴の下に落とす。 彼は、絶叫を上げながら、重力に引かれ、ベチャッと音を立て、浄化された。 結構な数が、死んで無かったので、同じ様に浄化した。
 取り敢えず、下に降りてみると、其処は司令部の様だった。 中は最新式の魔導具で、完備され、ディスプレイに戦況が表示されていた。 魔道具を操作していると、面白い物が有った。
 地下に、秘密裏に隠されたミサイル達。 私は、魔道具を操作し、ミサイルの発射と座標を指定した。 場所は、この基地の真上、トリス市。
 やがて、真上でドーン、ドーンと叩く音がし埃が天井から堕ちた。 ディスプレイの戦況では、合衆国も共和国軍も大ダメージを受けた様だ。
 更に何か無いかと思いきや、目の前に、面白い物が有った。 開発中の泥人形ゴーレムの魔導具。 私は、それ等を駆動させ市街に放った。 攻撃対象は、全ての生きている人間。
 泥人形ゴーレム達が、カタパルトから射出される。 その様を確認し、最後にこの司令部の、自爆シーケンスを発動させる。
 自爆警報が鳴り始め、私は、最後の一体のゴーレムと一緒に、飛び出した。 空は蒼く、大地からは黒い煙が立ち込めている。 ゴーレムから離れ、大地に降りた。同時に足元から突き上げる様な振動。 あちこちから、煙が上がる。 どうやら、司令部は自爆した様だ。
 「だ、だじゅけでぶぎゃ!」
 声のした方を振り返ると、合衆国兵士達が、泥人形ゴーレムに虐殺されていた。 ある者は生きたまま股を裂かれ、ある者は、踏みつけられ、臓物を口から吹き出していた。 どうやら、市内を掃討中の兵士達の多くが、先程のミサイル攻撃で被害を受け、分断された。 其処に、泥人形ゴーレム達の急襲、為すすべも無く壊走し始めたのだろう。
 歩いていると、少年少女達が、後ろ手で拘束され、状態で死んでいる。 撤退時に不要という事で、処刑されたのだろう。
 「%$#+*`(お母さんーー)」 「*+?&%$#(死にたくないー)」 「&%$#(ママー)」
 ババッと発砲音がし、十数人の少年少女達がなぎ倒され、大地を朱に染める。 そして、合衆国兵士が逃げ始めた時に、泥人形ゴーレム達が現れ、兵士達を殺す。
 戦場は地獄、誰もが殺し、殺される。 それは、人族にとっての話し。
 私に、とっては天国。 誰もが死に、誰も殺せる。
 「あ、伯爵殿、ェなんで……」 「%$#+*`(お母さん…)
 合衆国・共和国兵士が私の魔銃で撃たれ、胸を赤く染める。 皆、浄化される。
 空から、超低空飛空で走るのは爆撃隊。 恐らく、泥人形ゴーレムを殲滅する為の援軍だろう。 私が、機体に手を振ると、何も知らないパイロットが手を振る。 やがて、後方から轟音と爆音が発生し黒い煙が上がる。
***
 「伯爵どの、ご無事で何よりです」 「アイゼン将軍、魔法使いはこの位で、死にません」
 司令部に戻って来た私は、将軍と話をしている。 戦況は、混乱の極みに有った。 だが、この将軍のお陰で、戦況は好転した様だ。
 謎の市街地へのミサイル落下に、敵司令系統の寸断。 泥人形ゴーレム部隊の突然の進撃。混乱に乗じ、犠牲を厭わず進撃。 市街地の三分の二を確保したそうだ。 現在は、敵勢力を掃討中。
 調査では、市街の人口、三分の二人、六十万が消失した。 残りの市街地に残ったのは二十万人。 全員が、手に武器を持ち集まっているそうだ。
 「いっそ、空爆で全滅させたら良いのに……」 「そうしたいのは、山々ですが、そういう訳には、いきません」 「では、どうするのですか?早めに、トリス市を攻略しないといけません」 「彼を投入します……余り使いたく無いのですが……」 「彼?」
 将軍が人を呼び、暫くすると司令部に入って来たのは、一人の小柄な少年だった。 顔の左側は白いマスクを付け、躰中にはギシギシと機械を付けていた。 唯一は、尖った耳からエルフ族だという事が分かった。 何処かで、見たと思ったら、妹にあてがい女で、童貞卒業させられた、魔法使いだった。
 「こんにちは、ジル・ド・レだ」 「……」 「伯爵、彼はとある事情で、喋れないのです」 「そうですか」 「彼の名前は、エルフェ・ヴェーダ、我が国の特務隊員です」 「彼一人で、大丈夫ですか?」 「ええ、彼は、優秀で、ある街では一晩で、十万人を殺しました」 「頼もしいですね」 「頼んだぞ、エルフェ・ヴェーダ」 「……」
 無言で、その魔法使いは去り、夕焼けの市街地へ姿を消した。
 童貞を卒業すると、男は変わるというが、彼は変わった。 妹もこの男の一皮を剥いた点は、人族の進歩に貢献をしている。
 私は、将軍に断り、自分の天幕に戻った。 そして、ベッドに寝転び、遠見の魔法で彼を見た。
 其処には、問答無用で、市民達を魔法で殺す、彼の姿が有った。 命乞いする者、立ち向かう者、逃げる者。 全員が炎で焼かれ、のた打ち回っている。
 特に子供は両手両脚を魔法で、へし折り、燃やされている。 まるで、自分が受けた、仕打ちを返しているかの様。 憎しみは、憎みしか産まない。 いいと思うよ!モット憎んで、殺して。
 っと思って居ると別な風景が見えた。
 其処には、集団の中で、無抵抗、服従運動を唱える老人の姿が見えた。 気概は良し、だが死ね! 人は争いの中でしか、分かり合えない、不器用な生き物。 抵抗をしないという事は、分かり合う事をしない、野蛮な行為。 そんな、蛮族は、浄化しないといけない。
 魔銃を取り出し、撃ちながら弾を転移させる。 老人の頭に当たり、頭がパーンと弾ける。 周りは、驚き、興奮し全員が武器を持った。
 ナイスなタイミングで、彼が現れ人々は彼に襲い掛かる。 凄惨な舞台の幕が開けるのをアピールする様に、都市区画の一部から炎が上がる。 頑張ってくれと思いなら、遠見の魔法を切った。
 私は、奴隷情報網スレイブ・ネットワークに進捗状況を上げる為、目を瞑り睡眠スリープモードに入った。   

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