女神に毒殺されたら異世界でショタ魔法使いでした

奈楼小雪

第八話 ベリルン到着



 此処は、メフィスト帝国の首都ベリルン。 首都郊外で、最も広大な敷地を持っているのは、ベリルン帝国空港。 空港の頭脳たる、航空管制塔内、二人の男が話をしている。
 「今日も、忙しいな、クラウス」 「そうだな、クルト」
 二人はこの時間の主任で有り、部下達が其々の仕事をキビキビと、しているのを見ている。
 「今日は、軍の移動が激しいよな」  「先日のユトランド沖空戦のお陰で、帝国空軍の配置展開が変わっているからな、此れは、三年前の戦争依頼だな」 「ああ、そうだな。アエルフィンカ合衆国と戦争をして以来だな、あの時も忙しかった」 「だが、残業代が出て良かった」 「ちゲーね」
 言い合っていると、部下が血相を変えて二人の元にやってくる。
 「ん?どうした?」 「主任、此れが、空軍から通信で来ました」
 主任の一人、クラウスが書類を受け取り、見ると其処にはこう書かれていた。 【レッドアイ伯爵家・帝国の白い悪魔エンペラー・ホワイト・デビルが転移にて到着予定、時刻は……】 クラウスが腕の時計を見る、針は後五分に迫っていた。 。
 「現在、首都空域にいる、空軍以外の機体は別な空港への着陸を指示しろ!」
 覗き込んでいたクルトは、慌てながら部下に指示を出す 部下が急ぎ走って行き、暫くして、指示完了を部下が報告とする。 同時に、レーダーが異常な予定外の機体の反応を知らせる。 管制塔の二人は、バリバリと空間が裂かれ、出てきた白い機体を呆然と見る。
 「久しぶりに見たな、クラウス」 「そうだな、クルト」 「帝国の白い悪魔エンペラー・ホワイト・デビル」 「おっつ、発光信号」 「何何、ヤマト国の駆逐艦を降ろし修理出来る、場所を用意して欲しい」 「艦の中に、艦を入れているのか?」
 やがて、艦は帝都の空を舐めるかの様に、低速で遊覧船の様に帝都の空に留まった。
 「此処では、無理だな、クラウス】 「そうだな、クルト」 「やはり、スカイ・ワーゲン第二工場で無いと無理だな」 「っという訳で、打電を頼む」
 部下の女性に命じ、打電をさせると更に発光信号が焚かれる。
 【ば・か・め】
 「馬鹿だと!どいう事だ!クラウス】 「分からんぞ、クルト、誰か映像通信にしろ」
 映像通信に変わり、ディスプレイに映るは、銀髪に赤い瞳の少年。
 「貴様らは糞だ!スカイ・ワーゲンは、先日、魔導機の燃費の不正操作疑惑で揉めている。そんな所に、行かせる気か!」 「こちら、航空管制主任、クラウス。ならば、何処を所望するか?」 「そうだな、第一機体メンテナンス工場を使わせろ」 「無理だ!其処は、各社の機体整備場所だぞ!」 「ヤマト国の駆逐艦と、我がアルファワンを置かせて貰う!」
 プチっと映像が切れ、白い機体は高度を下げ始め、広大な敷地内へ着陸を始める。 施設内に駐車されていた魔導車が逆噴射の煽りを受け、転がる。
 「全く、何時も、チェイス殿はこうだ!クラウス!」 「嫌になるな!クルト!」 「だが、作った本人様だから、文句は言えないだろう」 「そうだな、全てを知っている方だからな」
 敷地内の広大な庭に魔法陣が展開され、ゴゴゴと音を立てながら庭が下に降り、入れ替わる様に、巨大な建物が現れる。 やがて、その機体は建物に接岸した。
***
 ぶ、無事に着陸できて良かった。糞の管制共は後で、上司に怒られるが良いわ。どーも、チェイスです。 ベリルンの航空機メンテナス専用敷地に隠していた、我が伯爵家のメンテナンス棟を展開させました。 建物の大きさは全長四百メートル、全幅三百メートル、全高六十メートル程。 我が艦を容易に収納出来る、安心安全の設計です。
 「錨を落とせ!」 「艦長!錨を落とします」 「各部のロックを確認!」 「艦長!ロックを確認しました!」 「駆逐艦三笠を移動させる」 「艦長!了解しました」
 甲板から三笠が出され、修理用ドッグに格納が始まった。拡大された三笠の映像が、展開される。 凡ゆる所がボロボロ……姉さんに見せたら、張り切って改造しそうで怖いな…… でも折角、この帝国に来てくれたのだから何か出来ないかなって思案していると、映像通信が入った。
 コード【ゴールディ】、四辺境伯と公爵以外へ滅多に使われないこのコードは、と思いながら展開をすると、金髪碧眼の壮年の男性が映った。
 【ラインハルト・ゴールディ・メフィスト皇帝】、その人である。 私が敬礼をすると、閣下はこう言われた。
 「久しぶりだな、チェイス・レッドアイ。君の報告書は、読んだよ。今日は、彼女達を王宮へ招待と勲章を与えたいから来てくれるよね」 「はい、皇帝閣下及びとあらば、不肖チェイス・レッドアイ、火の中、水の中何処へでもお供致します」 「其れでは、親衛隊の連中を行かせるから宜しく」 「了解致しました、親衛隊は、ワルキューレの方でしょうか?」 「勿論だとも、私は女性に配慮しておるよ」 「流石です、閣下、其れではまた王宮でお会いしましょう!」
 映像が切れると、私は思わずため息を付いた。 【金髪の芝刈り機】と言われる、皇帝のお気に入りの臣下へのお茶目な連絡であっても、やはり緊張をする。 私が、新米の時に海賊王と言われた男に、始めて出会った時の様な緊張を映像越しに感じた。
 私は副官の彼女に、ヤマト国の女子生徒達に伝える様に命じると、彼女はブリッジから出て行った。 

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