グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第102話 羽田空港狂騒曲 (8)★


 ――2100年4月28日13時00分羽田空港
 羽田空港内ホテル。 先程、部屋を借りた男が部屋に入ってくる。 男が指に付けたリングを取ると、少女の姿に戻る。 色素が薄い紫のツインテールに、紫水晶の様な瞳が特徴の少女。 少女の名前は、中居屋銃子なかいやじゅうこである。
 まずは、銃子は服を脱ぐと一糸纏わぬ姿になる。 そのままの足で、スマホを持ち向かうは浴室。 湯栓をしジャグジーを捻ると、湯が銃子の手を溢れる。
 湯が貯まるのも待たずに銃子は、湯船に躰を入れる。 湯船に躰を入れると、少しだけ湯が増える。 一般人から寒いと思う所だが、銃子は適合者フィッターである。 そんな事は、感じないのである。
 お湯が貯まるのを待ちながら、銃子はスマホで電話をする。
 『こちら、ガンガール。以降GGっとコードネームを付ける』
 「了解、こちら地獄の傀儡師ヘルズ・マリオン。承認した」
 『で、私に送られた物は何に使うのですか?』
 「フフフ、良い事につかうのよ」
 『貴女がいうと、どんな悪い事でも良い事に聞こえます』
 「褒め言葉と受け取っておきます。で、任務はこの様な物です」
 スマホから映像が、風呂の壁に展開される。 映像には、標的の顔や乗る機体が映る。
 暫くの会話の後に、映像と声は消える。 銃子はお湯を満喫すると、湯船から出た。
 淡い紫色の下着を付けて、銃子は、銀色のアタッシュケースを開ける。 中には、30cm程の筒が3つと多数の部品が並んでいた。
 銃子は、テキパキと部品と筒を合わせていく。 やがて、姿を見せたのは1m程の長さの細長い筒が出来る。
 『これが、最新式の外装武器ペルソナね!そして、これを付けると』
 自分のメンタルギアである小型銃を取り出し、外装武器ペルソナに付ける。 小型銃に細長い筒が付けられ、マギウスを発動させる。 全体が、紫色に発光する。
 <a href="//19656.mitemin.net/i237153/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i237153/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 展開されたスコープを銃子は窓に向ける。 超遠距離で映り込むは、たまたま隣の木に止まっているカラス。
 『バーン』
 声と共に、筒がピカッと光りカラスが砕け散る。 室内から、発射したのに窓ガラスは壊れていない。
 『ナイスガン』
 銃子は、口角を上げ筒を撫でる。 そのまま、銃子は筒を躰で挟むとベッドで寝息を立て始めた。
  ◆  ◆  ◆
 ――同時刻、首都圏校内のグンマー直営店。 ここでは、グンマー校の特産物が売られている。 売られているのは、ビーストを原料にした食品や加工品である。 隠れた高級品として、一部の好事家達に人気の店である。
 その店のVIP用の応接室内で2人の少年少女が、向き合っている。 少年は黒髪に黒い瞳で、膝元では赤茶髪に赤い瞳の少女を寝転ばせている。 少女の方は、銀髪に紅い瞳で左手で頬杖を付いている。
 『賢治首席。女を侍らすとは高麗国の将軍様だな』
 「姫ちゃんケンちゃんは、悪くないの私とデートの約束を守っただけ」
 「ウサちゃんとの契約でね、デートをしてくれと頼まれていて」
 グンマー首席こと、至誠賢治しせいけんじ。 その首席を膝枕にしているのは、前橋宇佐美まえばしうさみ。 向かい合っているのは、首都圏首席の白虎乙姫びゃっこおとひめ
 『我々が集まったのは、今の事では無く。来週の事だ』
 「そうだね、姫ちゃん。来週ぐらいに、日光安全保障局NSAが動きそう」
 『で、我々に渡した100億で何をすれば良いのかな?』
 「分かっていると思うけど、山梨と長野南部を制圧する為の資金だよ」
 『足り無いと言ったら?』
 「足りないハズは無いと思うけどなー個人的にも渡した筈だよ?」
 賢治は片目を閉じながら、乙姫に両手を見せる。 これ以上は、払えないっという事を示している。
 『金では無く、核心的な安全という意味だよー』
 「ああ、そういう事。全部隊に、首都圏部隊に手を出すなと行っておくよ」
 『感謝する、ちなみに指揮はほまれ副首席がとる予定だよ』
 「誉ちゃんか……まぁ、何とかなりそうだね」
 そう言い合ってるとウェイトレスが、手打ちそばを持ってきた。 群馬産のビースト化した蕎麦を使い、ビースト化した鳥を出汁に使っている。 ナルトも、太平洋で水揚げして来た新鮮なビースト化した魚を使用。 何れも最高の素材で一食あたり、数万円と高級品に含まれる。
 「味は我々には良く分からないが、美味しいらしい」
 『そうだね、我々第一世代の適合者フィッターは味覚という物は無い』
 「そんな事もあろうかと!私は最新の味覚ソフトを創ったの!」
 ガバっと賢治の膝から、起き上がった宇佐美がスマホを見せ声を上げる。
 『宇佐美ちゃん、味覚テストは?』
 「そんな暇あるかい!私は忙しいんだ」
 『とりあえず、宇佐美ちゃんで試してみて』
 「分かったわ」
 宇佐美は、スマホから首にコードを刺しこむ。  ビックリする方法だが、これが適合者フィッターの当たり前。 暫く虚ろな瞳をしていたが、瞳に生気が戻る。 どうやら、インストールされた様だ。
 「それでは、いただきます」
 宇佐美は、置かれた手打ち傍を一口食べて咽る。
 『どうしたの?』
 「何か知らないけど、激辛カレー味になってた」
 『デバックに失敗した様ね』
 「今少し、時間と予算があれば」
 『弁解は、罪悪としりたまえ』
 「これで、終わらせはしませんよ」
 『「フフフ」』
 2人の少女達は不敵に笑う。 そんな2人挟まれながら、賢治首席は気まずそうに蕎麦を食べ始めた。
 彼等が、食事をしている間にも刻刻と時間は進む。 羽田空港で、狂騒曲が奏でられるまで後もう少し。

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