グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第96話 羽田空港狂騒曲 (2)

  ――2100年4月27日08時00分羽田空港 ディスプレイに映るは、無数の機影。 何れも、羽田へ向かってきている。
 「これ以上は、無理だ!」 「成田は?伊丹空港と関西国際空港?」 「ダメです!成田は普及の見通しが立ちません」 「伊丹空港と関西国際空港も余裕が無いそうです」 「ちくっショーーー」
 羽田空港管制塔内は、未曾有うの事態に襲われている。 別なディスプレイに映るは、爆炎を上げて転がっているエアー・フランス機。
 老婆に化けた賢治首席が放ったモップは、フランス陸軍参謀長に刺さった。 刺さったモップは、正確に参謀長の心臓を貫き死に至らしめた。 その速度は、凡そマッハ3。 着陸寸前の機体は、大きくバランスを崩し他の滑走路へ墜落。 運が悪い事に、待機中の軍用輸送機に衝突。 積み替え中の弾薬に火がつき、大爆発を引き起こした。
 結果として、成田の滑走路には大量の破片が散らばった。 破片は着陸する機体にとって、パンクする危険がある。 その為、着陸する事は不可能になっている。
 「おい!米軍機とグンマー機から通信が入っている」
 ディスプレイには、着陸予定の機体からの映像が展開される。 グンマー機は十代の少女。 米軍機は、スキンヘッドの中年男だ。
 【グンマG223、NEOイタリア発羽田着便、グンマJFK空港に変更する】 【USAエアフォース、USAF554、NEO埼玉に着陸する】 【グンマG223、他グンマー機にも指示を出す】 【USAF、全米軍機はNEO埼玉空港に向かう】
 「2機とも分かった。了解する、幸運を」
 ディスプレイ上に表示されていた機体達が、一斉に向きを変える。 だが、まだ多数の機体が羽田空港に降りるのを望んでいる。
 「大分減ったぞ!何とか捌くんだ」 「「「「はい!」」」」
 管制主任が言い、部下が声を出す。

 ◆  ◆  ◆

 『ヒュー、見事な編隊だ』
 スキンヘッド頭の中年男が輸送機、C-5ギャラクシー内で声を上げる。 視線の先には、十数機の黒に金線が入ったAn-225ムリーヤが等間隔で並んでいる。 機体ごとに精神駆動マギウスエンジンから様々な色のマギウス光が光っている。 赤、青に黄色、緑、其々の精神色メンタルカラーごとにバラバラだ。
 「隊長、グンマー所属の機体全てが高度を上げ始めした」
 『恐らくだが、太平洋側に出るのだろう?』
 「そのまま、行けばグンマーですが?」
 『そうすれば、首都圏校と我がNEO埼玉の上空を通るだろうに』
 「あっつ!そうですね」
 首都圏校とNEO埼玉、グンマー校の飛行には其々制限が付いている。 各勢力とも互いに、不容易に侵入するべらからず。 侵入の際は、事前に許可を貰って侵入する。 許可無く侵入又は許可を得て侵入時に攻撃を受けた場合は、撃墜と反撃を許可する。 っと協定を結んでいる。
 『恐らくだが、旧仙台付近を通過し新潟経由でグンマーに行くのだろう』
 「面倒ですね……昔はよかった」
 部下は、かつての自由に航行出来た時代を思い浮かべる。 最新の機体を繰り出し、依頼された土地に物資を空輸する。 より短く、早くをモットーに世界を飛び回っていた。
 (今の世界は、私の知っている世界では無くなった)
 ビーストによる世界秩序の崩壊。 グンマーと日本政府の戦いによる、日本上空の分断化。
 『世界は変わってしまった』
 隊長の呟きに、部下は思わず同意をしようと顔をみた。 が、同意する事は無かった。
 (むしろ、この状況を楽しんでいるのですね)
 『が、変わった世界も楽しい物だな。来たぞ』
 ビーっとレーダに、反応が生じる。 マギウスパターン青、【ビースト】である。
 部下は、外装武器ペルソナを慣れた手つきで展開をする。 両翼から武装が、飛び出しシールドが展開される。
 視界に映るは、烏賊型のビースト。 宙を舞いながら、触手を光らせながら機体に向かってくる。
 『さぁ、楽しい戦闘時間ショータイムだ』
 各C-5ギャラクシー機から、外装武器ペルソナが発射される。 一通りのビーストを撃退後、彼等はNEO埼玉に機体を向ける。

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