グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第73話 少年の初任務と襲撃 前編★


 2100年4月22日09時00分東京某所。
 柳生鉄斎やぎゅうてっさいは、元グンマー校所属の生徒として護衛任務を行っている。 放校された現在は、首都圏校に入学し所属している。 で、現在はというとサングラスとスーツ姿で立っている。
 「こちら、アルファ1、対象Hを護送中」 「アルファ2、Hってどういう意味ですか?」 「変態のHに決まっているじゃないか!」
 そんな会話を骨伝導マイクで聞いている。
 (全く、何で性犯罪者を護送しなきゃいけないんだ)
 っと鉄斎少年は悪態を心の中でつく。 流石に、顔には出していない。
 やがて、現れたのは焦燥しきった老人。
 <a href="//19656.mitemin.net/i235616/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i235616/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 (あれは、最高裁判官……法の番人がまさか)
 老人が姿を見せると報道関係者がワラワラとやってくる。 直ぐに、守る様に機動隊が楯で関係者を押し出す。
 【なぜ、此の様な事を】 【被害者に対して何かコメントを!】 【法の番人として恥ずかしく無いのですか!】
 周りを警戒しながら見るとウサ耳を付けた少女が目に入った。  少女は鉄斎少年に手を振り、姿を消した。
 (何者だ)
 さっと飛び出す影が見え、老人の方へ向かう。 自分のメンタルギアの刀を取り出し、老人の影の間に立つ。
 「何者っつ!」
 「わ、わたしは一般市民」
 プルプルと震えながら、サラリーマンが傘を構えている。
 <a href="//19656.mitemin.net/i235617/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i235617/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 その様は、明治維新を生き残った壬生の狼みぶのおおかみの構え。
 (なんだ、此奴…言ってる事とバラバラだぞ)
 そう思いながら傘を刀でいなし、取り押さえる。 グッと声がし、ガクンと男は地面に倒れる。
 「お、おい大丈夫か!」
 「死にたく無い、まだやりたい……」
 舌を噛み切り口から血を流し死んだ。
 (死にたく無いのに死んだだと!)
 さらに、ガンっと何かぶつかる音がし音の方を見る。 立体駐車場の最上階から、フェンスを突き破った車が飛び出す。 車は吸い込まれる様に、集まったマスコミ関係者の上に墜ちる。 グシャ、ボキ、メシャっと肉や骨が潰れる音がする。
 「「「きゃああーーー」」」
 周りは阿鼻叫喚の嵐が発生した。
 「アルファ1、何があった!」 「アルファ2、何者かの襲撃があった急ぎ対象を運べ」
 輸送用の装甲車が急発進し、対象を運び出す。 鉄斎少年は予定通り、先頭の覆面パトカーに乗り警護に着く。
 「アルファ3、イヤ柳生、お疲れ」 『先輩まだ、始まったばかりですよ』 「そうだな、でどうだった」 『言動不一致、まるで誰かに操られているようでした』 「そうか……」
 鉄斎少年の話を聞いた先輩の呼ばれた少年は、顎に手を当て思考に入る。
 (一体、先輩たちは何を気にしているんだ?)
 違和感を鉄斎少年は感じていた。
 昨日のブリーフィング後から、何かに警戒しているのだ。 ブリーフィングで有ったのは、【人と不用意な接触をしないように】。 それだけ……。 護送経路等は全て、当日に言われるというだけで殆んど説明が無かった。
 (まさか、内部にスパイが?)
 襲撃の時間、場所、余りにも出来すぎている。 接触をしない様にというのは、スパイを炙りだす為。 そんな勘違いをしている彼の目に入ったのは、歩道橋にいるウサ耳の少女。
 (先程の女)
 すれ違ったと同時に現れたのはヘリだった。 多数の武器弾倉を構え、ホバリングしている。
 「AH-64 アパッチだと!!」 『敵ですか!?』 「わからん!米軍機だぞ!」
 鉄斎少年が、武器を展開する前に機首下のM230 30mmチェーンガンが火を吹く。
 (やられたか!)
 車に身を伏せるが、何とも無かった。 攻撃を受けたのは、輸送用の装甲車だった。 が、防御用の外装武器ペルソナで防がれる。
 「敵だ!!」 『先輩米軍ですよ!攻撃出来ませんよ!』 「馬鹿か!我々は首都圏校だ!」
 バチンと頬を殴られる。
 『ッツ!』 「とっとと武器を構えろ!」
 車から出た先輩は、外装武器ペルソナの機関銃を構え撃ち始める。 吸い込まれる様にアパッチヘリに向かったが、先輩の両手両脚から血が溢れる。 弾の向きが、真逆に変わった様だ。
 「なっつ!」 『先輩っつ!』 「大丈夫だ!それより周りに敵は見えるか?」 『イエ、見えません』 「気を付けろ、適合者フィッターがいる」
 鉄斎少年が注意深く再度周りを見た時……ウサ耳少女の姿が見えた。 少女はアパッチヘリを指差す。
 向いた時、ヘリから多数のヘルファイヤが発射される。 装甲車を容易く貫き、大爆発を起こす。
 『アルファ1大丈夫か?』 「アルファ3か、何とか防いだ」 『護衛対象は?』 「安心しろ、此処には居ない」 『どういう事だ?』 「対象は無事という事だ」
 鉄斎少年が首を傾げているとヘリがバランスを崩し、向かってくる。
 『わぁああああ』
 叫び声を上げ倒れている先輩を背負いながら、鉄斎少年は道路したの川に向かい走る。 金属が砕ける音と共に、爆音と共に熱い熱が鉄斎少年を襲う。
 道路から飛び降りたと同時に、炎が2人がいた所を飲み込む。 ザボンと音と共に水の中に落下する。 もがいた後で、河川敷に辿り付いた。
 『はぁーっつ何とか無事だった』 「大丈夫?」
 座り込んだ鉄斎少年の傍で、突然声がする。 赤茶髪に兎の様な朱い瞳、ウサ耳を付けた少女が立っていた。
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 少女は、手を出し少年を立たせようとする。 思わず手を取ろうとした時……ゾクッと嫌な感覚を覚え手を引っ込める。
 「どうしたのかな?」
 笑顔で、少女は尋ねる。 少女は笑顔、されど獲物を狙う攻撃的な笑を浮かべている。 鉄斎少年は、どう対応するのだろうか……。

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