グンマー2100~群像の精器(マギウス)
第69話 石川攻略 前編
旧石川県金沢市、現在はビーストの巣穴に変わっている。 街全体に、多数の猫や犬のビーストが徘徊する。
「そこだ!やっちまえ」
「任せて!」
少女が持っていた槍で猫型ビーストを倒す。
「やったわ!」
喜んでいる少女が声を上げ、周りを見て次の獲物を探す。 が、思わず少女は後ろに飛び退いた。
「どうした?」
「スッゴイ殺気を感じたの」
「ああ、それは隊長の……」
少年の頬に、紫色の血が垂れる。
「身を隠せる所に入るんだ!」
少年少女が壊れた建物に入った時、血の雨が降り出す。 普通の血では無く、紫色の血で大地を染めていく。 夕立の様な雨が終わり、少女が周りを見る。
「わぁ、凄い」
「流石、隊長」
全長100mの紫色白衣観音が姿を見せ、周りにビーストの死体が転がる。 手の平に乗っているのは、白衣加奈子親衛隊隊長。
『オーイ』
「はい、何でしょうか?」
少女が白衣のそばに寄る。
『食用獲物を回収後、全員退避!半径5km程完了後は蒼信号弾上げて!』
「分かりました」
白衣の話を聞いたあと、全員に少女は指示を出す。 周りに転がっているのは、5m程の猪や熊、鶏と猫や犬型の大型ビースト達。
食べられる猪・熊・鶏を回収し去っていく。
ドーンと音がし、青色の信号弾が上げられる。 青は撤退完了の意味を持っている。
『さて、やりますか?』
白衣は観音像から生えている多数の腕で、転がっている猫や犬のビーストを集める。 隅から隅まで集めると25m程まで、積み上がった。 次に、全ての手に半径2m程の鏡が現れる。 鏡から反射された光が、積み上がった肉を焼き始める。
ジューっと油が溶ける音がし、肉が焼け始める。
『んー我々日本人は大陸と違って、猫と犬は喰べ無いけど……アレも同じなの?』
白衣は首を傾げながら呟く。 が、百衣の言葉を否定するかの様に、大地が揺れ金沢城に出来た大空洞ら音がする。
ドーン、ドーン地響きが聞こえる。 やがて音の主は、大空洞から這い出、地上へ姿を現す。
ダガーンと音を立てそれは、大地に降り立つ。
「槍を持った戦国武将?」 「加賀百万石で有名な、槍の又左衛門みたいだね」 「イヤ、アレはゴリラがビースト化して知能が付いた生き物だろう」 「対して、戦国時代と変わりは無いだろうね」
生徒たちは、言いたい事を言っている。 姿は、周りの生徒の言葉とおりである。
身長は100m程の巨大なゴリラ、髪は生えたのか後ろに纏めている。 頭には獲物で造った兜を被り、手には槍の様な物を持っている。
まさに、凶暴化した全盛期の槍の又左である。
ある晴れた昼下がりに、観音様と鬼の又左が出会った。
「がうるるる」
『ん?何をしに来たって?』
「ぐるるる!」
『貴方を殺しに来た!』
白衣の一言で、周りが静まり変える。
「隊長すげー言い切った」 「正々堂々し過ぎでしょー」 「だからこそ、隊長出来るのでしょ」
生徒達の声は、ビーストの声で遮られる。
「ギャオロロロロロン」
『うん、戦える事が嬉しいと』
ゴリラ型ビーストは、槍の様に長い骨を廻す。 観音像も千本の腕をクネクネと動かし構える。
『が、待って欲しい。肉はお嫌いですか?』
「ぐるるる?」
『そうだ、焼いた肉だよ?』
怪訝な顔をゴリラは浮かべる。 手を伸ばそうとするとが、引っ込める。 目の前にいる敵がどうやら気になる様だ。
『攻撃はしないぞ!私もこれから朝飯だからな!』
山の中から焼けた鶏ビーストを掴み、手羽先を千切り口に入れる。
「うるるる?」
『毒など入っていないぞ?食っちまうどー』
観音の千本手が肉の山に向かう。 動いたのは、ゴリラビースト。
山に飛び込み、肉を食べ始める。 涎をたらし、肉を口の中に放り込む。
『いただきますを言わない子には、お仕置きよ』
「るるる?」
白衣観音から生えた千本の腕がしなり、食事中のビーストを一斉に殴った。 ドグン、グシャ、ベチャっと嫌な音と共に土煙が周囲を包む。
2100年4月20日10時00分。 ゴリラ型ビースト通称:槍の又左と親衛隊隊長の白衣が戦いを開始。
「そこだ!やっちまえ」
「任せて!」
少女が持っていた槍で猫型ビーストを倒す。
「やったわ!」
喜んでいる少女が声を上げ、周りを見て次の獲物を探す。 が、思わず少女は後ろに飛び退いた。
「どうした?」
「スッゴイ殺気を感じたの」
「ああ、それは隊長の……」
少年の頬に、紫色の血が垂れる。
「身を隠せる所に入るんだ!」
少年少女が壊れた建物に入った時、血の雨が降り出す。 普通の血では無く、紫色の血で大地を染めていく。 夕立の様な雨が終わり、少女が周りを見る。
「わぁ、凄い」
「流石、隊長」
全長100mの紫色白衣観音が姿を見せ、周りにビーストの死体が転がる。 手の平に乗っているのは、白衣加奈子親衛隊隊長。
『オーイ』
「はい、何でしょうか?」
少女が白衣のそばに寄る。
『食用獲物を回収後、全員退避!半径5km程完了後は蒼信号弾上げて!』
「分かりました」
白衣の話を聞いたあと、全員に少女は指示を出す。 周りに転がっているのは、5m程の猪や熊、鶏と猫や犬型の大型ビースト達。
食べられる猪・熊・鶏を回収し去っていく。
ドーンと音がし、青色の信号弾が上げられる。 青は撤退完了の意味を持っている。
『さて、やりますか?』
白衣は観音像から生えている多数の腕で、転がっている猫や犬のビーストを集める。 隅から隅まで集めると25m程まで、積み上がった。 次に、全ての手に半径2m程の鏡が現れる。 鏡から反射された光が、積み上がった肉を焼き始める。
ジューっと油が溶ける音がし、肉が焼け始める。
『んー我々日本人は大陸と違って、猫と犬は喰べ無いけど……アレも同じなの?』
白衣は首を傾げながら呟く。 が、百衣の言葉を否定するかの様に、大地が揺れ金沢城に出来た大空洞ら音がする。
ドーン、ドーン地響きが聞こえる。 やがて音の主は、大空洞から這い出、地上へ姿を現す。
ダガーンと音を立てそれは、大地に降り立つ。
「槍を持った戦国武将?」 「加賀百万石で有名な、槍の又左衛門みたいだね」 「イヤ、アレはゴリラがビースト化して知能が付いた生き物だろう」 「対して、戦国時代と変わりは無いだろうね」
生徒たちは、言いたい事を言っている。 姿は、周りの生徒の言葉とおりである。
身長は100m程の巨大なゴリラ、髪は生えたのか後ろに纏めている。 頭には獲物で造った兜を被り、手には槍の様な物を持っている。
まさに、凶暴化した全盛期の槍の又左である。
ある晴れた昼下がりに、観音様と鬼の又左が出会った。
「がうるるる」
『ん?何をしに来たって?』
「ぐるるる!」
『貴方を殺しに来た!』
白衣の一言で、周りが静まり変える。
「隊長すげー言い切った」 「正々堂々し過ぎでしょー」 「だからこそ、隊長出来るのでしょ」
生徒達の声は、ビーストの声で遮られる。
「ギャオロロロロロン」
『うん、戦える事が嬉しいと』
ゴリラ型ビーストは、槍の様に長い骨を廻す。 観音像も千本の腕をクネクネと動かし構える。
『が、待って欲しい。肉はお嫌いですか?』
「ぐるるる?」
『そうだ、焼いた肉だよ?』
怪訝な顔をゴリラは浮かべる。 手を伸ばそうとするとが、引っ込める。 目の前にいる敵がどうやら気になる様だ。
『攻撃はしないぞ!私もこれから朝飯だからな!』
山の中から焼けた鶏ビーストを掴み、手羽先を千切り口に入れる。
「うるるる?」
『毒など入っていないぞ?食っちまうどー』
観音の千本手が肉の山に向かう。 動いたのは、ゴリラビースト。
山に飛び込み、肉を食べ始める。 涎をたらし、肉を口の中に放り込む。
『いただきますを言わない子には、お仕置きよ』
「るるる?」
白衣観音から生えた千本の腕がしなり、食事中のビーストを一斉に殴った。 ドグン、グシャ、ベチャっと嫌な音と共に土煙が周囲を包む。
2100年4月20日10時00分。 ゴリラ型ビースト通称:槍の又左と親衛隊隊長の白衣が戦いを開始。
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