グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第66話 首席と大統領の会談

  日本時間、2100年4月19日24時00分。 米国時間、2100年4月18日11時00分。
 米国大統領とグンマーと東京首席の会談が始まった。
 まず口火を切ったのは、賢治。
 「こんばんわ、大統領閣下。まずは、謝罪をしたい」
 『何についてでしょうか?』
 「NEO埼玉の山を吹飛ばし、月へ吹き飛ばした」
 『へぁ?冗談ですよね?』
 「冗談では無いのです!この東京の馬鹿が?」
 「馬鹿では無い!吹き飛ばせっと言われた通りしただけだ!」
 乙姫が反論しながら、賢治の肩を叩く。 気にせずトーマス大統領に、データを見せる。
 標高2000m、地下2000m、合計4000mの山と地下断層が宇宙に飛んだ。 分かりやすくいうと富士山が、宇宙へ飛んで行く様な物。
 現在は地球を時速28,400km、つまり第一次宇宙速度で廻っている。
 『ど、ど、どういう事だ!』
 トーマスは思わず声を荒げる。
 こんな重質量物体ヘヴィーオブジェクト宇宙そらを飛んでいる。 某ハリウッドの様に、石油技術者に破壊させなければと思ってしまう。
 「安心して下さい、地球には落ちません」
 『本当か!』
 思わず、安心し息を着くが爆弾が落とされる。
 「ただ、月面第二基地ルナツーに落ちますね」
 『な、なんだと!』
 月面第二基地ルナツーは現在、米国が建設中の月面基地。 将来的に火星惑星改造マーズテラフォーミング計画用に作ってる。
 10年前に国連基地が破壊されて以来、再び秘密裏に米国が開発していた。
 「目的は、第2の地球を火星に造ることだっけ?」
 そう、米国はビーストから逃げる為に火星に第2の地球制作を考えた。
 「そんな事をさせるとでも思った?地球浄化アースクリーンなんてさせないよ!」
 トーマスの前に出されたのは、地球浄化アースクリーン作戦の情報。 情報では、火星惑星改造マーズテラフォーミング後が書かれている。
 まずは、米国内の優秀な人種や人物を移住させる。 その次に、模範的で従順な人種を移住。 最後に、地球全体を残った人間と共に焼き払う。
 『私は其処まで、聞いていないぞ!』
 「まぁ、大統領閣下はご存知無いですね。全て石工職人の仕業です」
 『石工職人?ドワーフか何かか?』
 「イエ、石工職人フリーメーソンさんです。」
 データが見せられ各国の政治家、資本家等の関係が出される。 何れも、白人優越主義者の人物達だ。
 「閣下が、関与されていないのは分かっております」
 『そうなのか?何故そう言える?』
 「閣下のスポンサーが、そうでないからです」
 『其処まで調べたのか、すごいな』
 トーマス大統領は、両手を上げ驚いたポーズを取る。
 (流石は、グンマー首席……分かっている)
 現大統領の支持母体は、北部と全米中間層と南米の移民層。 白人優越主義者の母体は南部が主。
 大統領は、人類が協力してビーストと戦うべきという考え。 もう片方は、まぁ選民して別な世界に旅発とうという考え。
 どちからが、支持されるかは明白。
 「何れ、第2速度に入り月面に向かいます」
 『ほぅ、月面基地はどうなる?』
 「完全に消滅しますね」
 (予想していたが、厳しいな!あわよくば、接収しようと思ったが)
 『で、謝罪というならば、何か手土産があるのだろう?』
 「その通り、これをどうぞ」
 データが展開される。 そこに映るは、【とある映像】を買った人物達。 【とある映像】には、少女達が男達に犯される映像が映る。 プレイ後、少女達は壊れた様に虚ろな瞳を見せる。
 思わずトーマスは、顔を顰める。
 「米国籍の購入者情報……後、基地建設に軍事物資を流した者達」
 追加で、宇宙まで物資が搬入される工程の情報。 軍事物資の移動を指示した人物のデータが表示される。
 『ほぅ、凄いな政治家に、資本家』
 「全員逮捕すれば、閣下の政治的基盤は揺るぎない物になります」
 『確かにそうだが、これだと私に利益が多すぎないか?』
 「まぁ、良いです」
 『分かった、彼等は法の下で裁きを受けさせる』
 「それでは宜しくー」
 画面が消え、トーマスは溜息を吐く。
 (大人が子供相手に押されるとは……むしろアレは、子供では無い)
 そう思いながら、トーマスは秘書に午後の予定を変更する様に告げる。
 『彼は一体何者で、何を望むのか……私には分からない』
 呟きながら、高く登った太陽を眺めた。  

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