グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第57話 火花散る滑走路 前編★


 NEO埼玉、Rロメオ35滑走路。 現在は、完全に封鎖されている。
 周りには装甲車に戦車、考えられる武器が囲む。 囲まれているのは、黒に金の線が入ったド派手な機体。
 H型尾翼、主翼に付いている大型の前縁と後縁のフラップ。 大型の六発のエンジンが特徴。 前が2個、後ろ8個の巨大な車輪が圧倒的な重圧を与える。
 「ヒューでけーなー」
 「良くあんなの飛ばすよなー」
 周りで、警備をしている兵士達が声を上げる。
 『グンマー機に動きは無いか?』
 「あたぼーっ!し、失礼しました隊長」
 『分かった、呼びかけに応じているか?』
 「イイエ、臨検には応じていません」
 『医療用航空機だろ?』
 「我が軍から攻撃を受けた為、協定に則り攻撃機に変わった様です」
 『ガッデム、陸軍の奴らめ余計な事をしてくれたな!』
 隊長の男は、機体を睨みながら言葉を吐く。
 医療用航空機は、臨検を求められたら応じる。 それが、この世界での常識である。
 常識というのは、各国や協定で決められる物。 NEO埼玉とグンマーの協定では、こうなっている。 【万が一、医療用航空機が攻撃を受けた場合、攻撃機に変わる】
 来る途中で、陸軍が対空ミサイルで攻撃した為、攻撃機に変わっている。 NEO埼玉とグンマーは、平和協定を結んだが停戦も休戦もしていない。 5年前の首席暗殺未遂事件依頼の間は冷戦に入っている。
 グンマー校の生徒達が首都圏の移動は、人道的に認められている。 通るのは、厳重なセキュリティチェクが有る。
 まぁ、グンマー校の生徒が首都圏に行くのは夏冬のコミケと休日のみである。  通販は、熱帯雨林の名を持つ企業とグンマーの合同企業が一手に担っている。
 さて、話は戻るがグンマー機119の状態を説明しよう。 休戦中のNEO埼玉に着陸。 状況は、ソ連のパイロットが函館空港に着陸した状況に似ている。 もっと悪いかもしれない……日常的に戦闘をしている。
 そう考えるなら、ソ連との冷戦時代がまったりしていたと言える。 周りを囲む兵士達は全員が汗ばみ、不安な顔をしている。
 一方、グンマー校の機内はというと……。
 「あーヒマヒマ過ぎー」
 「私たちの戦闘シーン、ネットに上がっている」
 操縦席に乗っている少女達は、席を倒しながら話している。 歳は15~16歳で、適合者フィッター特有の創られた美しさが有る。
 彼女達は、航空科の生徒達である。 通常は、海外へ物資輸送や戦闘域への生徒の輸送を担当している。 輸送地域では空族の荒くれ者や戦闘域ではビーストと戦っている。 その為、人の命を奪う事に躊躇しない。
 「それにしても、このパイロット【攻撃を停止せよ】ってね」
 「馬鹿だね!話せば分かるって言った、お爺ちゃん並に馬鹿だね」
 映像に映るは、ヘッドショットをされるパイロット。  空中で、高速で移動するパイロットをヘッドショット。 信じられない程に、高度な技術である。
 「空戦の基本は、操縦者を殺す事」 
 「そうだね、戦争は変わったの」
 「時代に付いてこれない、軍人ゴミは藻屑にしないと」
 「浪漫部の部長が、空戦は情報時代メディアから精神時代メンタルって言ってたわ」
 「同意するわ、この最新機は本当に使いやすいわ」
 「私も今度、それにしようかしら?」
 機長席側の少女は、猫耳が付いたカチューシャを撫でる。  副機長側の少女も、犬耳が付いたカチューシャを撫でる。 お互いの耳が、動物の様にピクンと動き空間をなぞる。
 <a href="//19656.mitemin.net/i235002/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i235002/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a> <a href="//19656.mitemin.net/i235004/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i235004/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 暫くして操縦席へのロックが解除され、1人の少女が入ってくる。
 その少女は、兎耳のカチューシャを付けている。 赤茶髪に兎の様に赤い瞳も相まって、兎耳娘の様。
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 「さて、私は降りて少女達を回収します」
 「大丈夫なのですか?周りは米兵が多数います」
 機長は猫耳を忙しく動かし、滑走路の映像を読み取りながら言う。
 「大丈夫ですよー私に攻撃を出来る人間は限られてます」
 「確かに、貴女に攻撃が出来る人間はこの基地には2人しかいません」
 「っという訳で、降りるので宜しく」
 兎耳をピョコピョコさせながら、少女は去っていく。 
 機長は猫耳で無線周波数を合わせ、外の米軍へ通告する。 【担当者を派遣するので、迎えを頼む】 暫くして、米軍側から了解したと返事が帰ってきた。
 「さて、どうなる事やら」
 後部ハッチを開けるボタンを押す。 ハッチが開けられ、1人の少女が降り立つ。 太陽の光の中で、白衣が照らされる。
 少女の名前は、前橋宇佐美まえばしうさみ。 所属は親衛隊10番隊隊長、そして脳業デカルチャー部部長である。 暫く周りを見た後、手を振っている米兵を見つけると歩を進めた

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