グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第55話 L35にてランデブー


 NEO埼玉管制塔、管制官は何時もの様にレーダを見ていた。 突如、レーダーに2機の機体がレーダーサイトに点灯する。 それぞれ、逆方向から現れた。
 敵味方識別装置を確認する。 装置には、グンマー機の識別が表示される。 もう一つには、国連機の識別が表示される。
 管制官は、今日到着する機体のコードを確認する。 2機とも本日到着する予定は無い。
 片方は、司令官が機密に依頼した機体。 もう片方は、国連総長が秘密で来日したフライトプラン。
 グンマー側は、司令官の面子を守る為。 国連側は、警護上の理由から事前にフライトプランを出していない。
 両方を知っているのは、司令官とオペ子だけ。 2人とも現在は、医務室にいる。
 「こちら、管制塔!グンマー機、貴機体は空軍域に入った!目的を述べよ」
 『こちら、GPUゲーペーウー119!貴空港に着陸が目的』
 「飛行プランには、無いが?」
 『こちらには、有る。データを送る』
 管制官に、データが送られデータが確認される。 飛行プランには、司令官の署名も有った。
 (司令の機密指令指示か……グンマーに依頼ってどんな依頼だよ) 
 っと思いながらグンマー機へ指示を出す。
 「分かった、確認した。Lリマ35に着陸せよ」
 『感謝する』
 次に、国連機に通信を向ける。
 「こちら、管制塔!国連機は空軍域に入った!目的を述べよ!」
 「こちら、国連専用機001!貴空港に着陸が目的」
 「飛行プランには、無いが?」
 「001、機密保持の為に、出していない」
 「着陸は、認められない。羽田へ着陸してくれ」
 「001それは、認められない。国連機だ」
 「フライトプランが、無い着陸は認められない!」
 「001、総長命令でLリマ35に着陸する」
 「オイ待て!」
 通信が、切れる。
 NEO埼玉は、国連軍所属。  米軍が管理し、管制権限も米軍が持つ。
 ただし、国連と常任理事国も使用権限を持つ。 この時は、事前に米軍に通知する必要が有る。
 通知するだけ、許可は求めない。 そういう建前だが、実際は許可を求め着陸する。 それが、常任理事国間で取り決めた暗黙の了解。 不必要な緊張を産まない為で有る。
 (不味いぞ!グンマー機と衝突する)
 「こちら、管制!グンマー機、Lリマ35から離脱しろ」
 『GPUゲーペーウー119!分かりました!えっ!シールド全開フル
 「管制!どうした?」
 『機体が横から!防御デイフェンス外装武器ペルソナ展開!』
 「管制!大丈夫か?」
 『GPUゲーペーウー119!ハイ大丈夫です。謎の機体と接触したが離脱』
 「何だって!」
 管制官は思わず立ち上がり、双眼鏡でL35を眺める。 そこには、映って欲しくない光景が有った。 UNマークが尾翼に付いた機体が右翼から炎を上げ降下している。
 右翼が吹き飛び、機体は滑走路に叩きつけられる。 機体は滑走路に削られ、火花が飛び散る。
 (ま、まずい)
 管制官と予想通り、マッチに火が付いた様に燃え上がる。 ドーン、ドーンと音がし機体から爆炎が上がる。
 緊急非常スイッチを押し、警報が鳴り響く。 消防隊員達が、炎上する機体へ消防車に乗って行く。
 フーット息を吐いていると新しい通信が入る。
 『GPUゲーペーウー119!何処に着陸すれば良いか?』
 「Rロメオ35に、着陸を許可する」
 『GPUゲーペーウー119!了解』
 管制官は、Rロメオ35の方を見る。 前が2個、後ろ8個の車輪。 巨大な車輪が、大地に転がる。 そして、両翼の6つのエンジンが逆噴射し機体は停止する。
 「お見事」
 『サンキュー、次は管制官の指示を待ちます』
 「暫く待っていてくれ」
 管制官は、司令部に連絡を入れる事にした。
 (ハーっつ、長い1日になりそうだな)
 燃え上がる機体国連機。 黒と金で太陽の光を帯びながら無傷のグンマー機。 2機を眺めながら、思うのであった。
 2100年4月18日13時30分の事で有る。 

「グンマー2100~群像の精器(マギウス)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く