グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第44話 カツ丼と言えば★


 置かれたドンの中には、蕩ける様な卵と合わさったトンカツ。 カツと卵が絶妙に合わさり、箸で触ると溶け出す。
 「美味しーー」
 「そうでしょ!グンマー産の豚と卵、野菜を使っている」
 少女と少年は、嬉しそうカツを口にする。
 「お前ら、此処が何処だか分かっているのか?」
 「「うん、警視庁だよね」」
 「なぜ、カツ丼を食べている?」
 「「警察だからね!」」
 「貴様ら!」
 ギリっと男は、歯ぎしりする。 男の奥では、頭を抱えている老人の姿が有る。
 <a href="//19656.mitemin.net/i234807/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i234807/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 「長官からも何か言ってください」
 奥の老人は警視庁長官の様だ。
 『賢治首席、何故、隊員を殺した』
 「一発なら、誤射。70年前に某国が日本に、ICBMを撃った時もそうだった」
 『それが、通用するとでも?』
 「判決は、判例主義だよね?国会もそう判断したよね」
 『グンマーは、某国と一緒なのか?』
 「グンマーは、日本●●の県だよ?日本が某国と一緒なのかな?」
 そう言いながら、賢治は美味しそうにカツを口にする。 サクッサクッツっと美味しそうな、音が部屋に響く。 再び、男が口を開く。
 「では、総理の孫を殺したのは、何故だ!?」
 「死んでないしよねー、性欲に塗れれた人間はビーストですね」
 「死んでいない事は認める、両手脚に男性機能を破壊する等」
 「許されるんだよなーだって、僕はグンマー首席なのだから」
 胸の五芒星ペンタクルを見せる。
 「五芒星ペンタクルを付けた人間は、一切の治外法権が認められる」
 「クっつ!貴様!」
 「ちゃんと申請もしたし、Goサインも出ている」
 スマホの画面には、【承認】の表示がされている。
 五芒星ペンタクルは、国から与えられた治外法権の印。 国からといういうか……国に10年前に認めさせた権限である。
 各都市の生徒会メンバー全員に、与えられている。 治外法権は他のメンバーの2/3で【承認】され、発動出来る。
 つまり、【承認】された以上は治外法権が成立する。
 「でも、貴方は逮捕されるよーー」
 「どういう事だ?」
 「行方不明の適合者フィッター少女の願いの握り潰し、賄賂等」
 映像が、展開される。 内容は阿倍野来都あべのらいとから、依頼された機密メール。 依頼は、誘拐可能な適合者フィッター少女の探索。 行方不明届けの握り潰し、少女を納めた対価等。
 「こんな事が、許されるとでも!」
 「犯罪者に言われたくないね!今日から君は、容疑者室井だね!」
 「貴様!!!」
 男は、賢治に飛び掛かろうとするが脚元に黒い穴が空き消える。
 『我が組織に、下品な奴な不要だ』
 肘掛椅子のボタンを押しながら、老人は呟く。 立ち上がり、2人の向かい合い座る。
 『さて、2人とも今回の件は私に任せて』
 「「あげません」」
 『なぜだ!私自ら、先頭を切ってやるんだぞ』
 「だからだよな、賢治首席」
 「そのお通り、乙姫さん。貴方は、唯一マトモな人間」
 「失うには、惜しい人材」
 『だが、私がやらなけば……』
 「そうだ、長官!グンマー産GUNMAのG型トラック買いません?」
 突然の賢治からの提案に、顔を驚かせる。
 「全員を自殺に見せかけて、殺れますよ」
 『幾らだい?』
 「300万ドル、日本円で3億円ですね」
 暫く老人は瞑目し、手を叩く。
 『良いだろう、次いでに情報もネットに流しも頼む』
 「いいの、長官?」
 乙姫が、横から口を挟む。
 『悪い奴が自殺しても、退職費は要らないだろう』
 「悪い人だね」
 乙姫は、カツを口に入れながら言う。
 『君だって、グンマー首席に依頼しているだろう?』
 「そうだねよー私の場合は、グンマー校生の首都圏の通行を許可している」
 『お互い様な』
 「そうだね」
 フフフっと互いに悪い笑みを浮かべる。 老人はディスプレイを展開し、
 『秘密口座からグンマーの口座に入れたぞ』 
 「確認しました、何時からヤレば良いかな?」
 『私が、公表した後で頼むよ』
 「次いでに、これどうぞ」
 賢治は、懐から瓶を出す。
 『何だい?』
 「グンマー特性、お涙頂戴薬」
 賢治が蓋を開けると乙姫と老人が、目をショボショボさせる。
 「記者会見で、使えばみんな号泣しちゃう。揮発性が高いから、後一回かな」
 『ヴァかった、ヴぃどいなごれ』
 「ゲんじじゅぜき、ヴぃとことヴぃってくれ」
 老人と乙姫は涙声で、賢治に訴える。
 「ゴメン、ゴメン。じゃ、乙姫ちゃん行こうか?」
 「分かった」
 「回復はや!」
 「適合者フィッターの第一世代を舐めないで貰いたい」
 「ハイハイ」
 「では、長官さよならー」
 賢治と乙姫は、NEO埼玉の方へ夜空を装甲車で駆ける。
 「乙姫さん?」
 「何だい?」
 「装甲車で帰るのまずくない?」
 「まぁ、いいんじゃない?」
 「そうだね」
 アクセルを踏み、全開で満月の夜空を駆ける。 その様は、自転車で空を飛ぶより味気ない。
 数分後、NEO埼玉のレーダは異常なマギウス波をレーダに捉える。 スクランブル発進した米軍は、異常な物を目にする。
 「アルファワン、大変です」
 「管制塔、どうした?」
 「装甲車が、空を走っている」
 「管制塔、貴官の生体データに以上は無いが薬をヤったか?」
 「アルファワン、この映像を見てくれ」
 高解像の映像には、賢治の肩に頭を載せ涎を垂らす乙姫首席が映る。
 「管制塔、把握した。そのまま、追尾せよ!司令に伺いを立てる」
 「アルファワン、了解した」
 最新鋭戦闘機は、空を飛ぶ装甲車を追尾する。 2100年4月17日22時30分の事であった。

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