グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第37話 NEO埼玉の夜会にて


 朱音あかね副首席が、姉川にいる時。 賢治けんじ首席は、NEO埼玉で夜会に招待されていた。
 夕日が断末魔の如く、世界を赤く染める。 NEO埼玉の迎賓館前には、多数のマスコミがいる。
 『4者会談は、途中で中断された模様です』 『情報では、国連軍ジョン司令とグンマー首席の会談が開かれた模様』 『長野北部での大爆発について、極秘会談をした模様です』 『残された2首席は、南関東の監察官と監督官を決めた様です』 『あ、車がやって来ました』
 装甲リムジンが停まり、SPが扉を開ける。
 出て来たのは、ジョン司令官と至誠賢治しせいけんじ首席。 マスコミのフラッシュが焚かれる。
 『会談では、どの様な事が!』 『爆発は、一体なんなのですか?』 『国連の見解は!?』
 2人は、曖昧な笑で迎賓館の中に入っていく。
 「ジョン司令、マスコミは嗅ぎつけるの早いですね」
 「何者かが、流していると思われますね」
 「それなら、納豆ナットー県が疑わしですね」
 「NATOですか?欧州が介入を興味を?」
 「イエイエ、茨城の事です」
 首を傾げるジョン司令と賢治は、会話をしながら迎賓館に入る。
 中には、多数の財界人が酒を手に談笑をしている。 2人が入るとザワっと周りが、静寂に包まれる。
 「アレ、皆さん静かになりました」
 「君と私の話を聞きたいのだろうな!」
 「どんな話しですかね?」
 「そうだなー君達の此れからの動向とか?」
 「動向ですか?先程、富山を開放しましたよ」
 「本当かい?何か分かり易い証拠は?」
 「それなら、有りますよ」
 賢治は、持っていたスマホの映像を壁に展開する。
 「Oh、マイゴットネス」 
 展開される映像は、燃えている富山湾。 イヤ、富山市全域。 夜空に照らされ、紅く煌々と燃えている。
 「ワァー綺麗ですねー」
 賢治は、ジョン司令に言う。  ジョン司令以下の人物達は、ドン引きで有る。
 「賢治首席、一体どういう事で?」
 「ビーストに、占領された街を燃やしたのです」
 「ですが……インフラ等が」
 「15年も占領され、廃墟と化しております」
 「街として、回復が出来ない」
 「街に戻す気は、無いですよ?」
 ザワザワと周りの投資家達から、声が上がる。
 「どういう事だ」
 「さて、ジュースはどれかな」
 賢治は、オレンジジュースとコーラを手に取る。 2つを掛け合わせ、黒い闇コーラ朱い液体オレンジを咲かす。 そして、グラスを掲げる。
 「さて、ジョン!今日は3校の首席が5年ぶりに、集まった記念日だよ」
 グラスを円卓の2人に向ける。
 「ン?賢治首席。何時もあってるじゃないか?」
 口に食事を含みながら、長い銀髪に朱い瞳の美少女が言う。 大量の取り置かれた食事が、左右に置かれている。
 「乙姫おとひめ首席、少しは首都首席らしく食事をしたら」
 「食べられる時に、食べるのは基本だよね?千葉首席?」
 黒い髪に、糸目の少年に聞く。
 「そうだね、乙姫首席。グンマーには、高貴すぎて、食事は勿体無いかも?」
 笑顔で、賢治に向かっていう。 周りの空気が、ピキっと音を立て凍る。
 グンマーと南関東連合、互いに未だに戦争中である。 非常に、非常に気まずい感じである。 誰もが、グンマー首席の発言に着目する。
 「君、誰だっけ?」
 賢治は、首を傾ける。
 「南関東の首席は5年前に殺った以来、覚えてなくて」
 更にピキッと世界が凍る。 南関東首席の頬がヒクつく。
 助け舟を出したのは、意外にも乙姫おとひめ首席。
 「木更津君津きさらずきみつ君だよ!」
 「ああ、当時の首席を看取った同級生だったね」
 「そうだよ!5年前に、君が殺した首席の双子の弟でも有る」
 「まぁ、あの時の会議は、荒れたから仕方が無い」
 シュッと音がし、賢治首席は飛んで来たナイフを受け取る。
 「仕方が無いだと!仕方が無いだと!」
 糸目を開き、蒼い瞳の中に炎が宿る。
 「ウン、だってさ。戦争を辞める為に僕を殺す何て言うんだよ?馬鹿でしょ?」
 「兄貴は、平和を愛した人だった」
 「だからって、僕を殺そうとした。そして、僕達は今も争っている」
 賢治は、笑顔でこう答えた。
 「貴様って奴は、許さない!あの時死んでれば」
 「平和が来たとは、思わないな!千葉クズ君」
 パキッとイヤな音が壁を鳴らす。 波乱の夜会は、始まったばかりだ。

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