グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第13話 NEO埼玉の長い1日 前編★


 秩父は、自然に囲まれた豊かな街だった。 過去形の様に、既に昔の面影は消えた。
 今は、国連平和維持本部に変わり風景は一変した。 山肌は削られ、対空砲やミサイル陣地が覗く。  街があった所は、滑走路にされ爆撃機や戦闘機が離発着を繰り返す。
 今日は、国連平和維持本部内に有る秩父駅が騒がしい。 空には、多数のヘリやドローンが飛ぶ。 地上には装甲車や戦車が停まり、屈強な兵士達が銃を構える。
 許可されたマスコミ関係者が、マイクを持ちカメラの前で話す。
 『今日は、グンマー首席と経済関係者が、NEO埼玉に来ます』 『首都圏首席、南関東首席が来るという話です』 『対立する3者が、1度に会するのは5年ぶりです』 『ビーストに占領された、長野を開放する為の会議の様です』
 アナウンサーが、途中で声を止める。
 ゴトン、ゴトンと音を立て列車が入る音がしたのだ。
 青に金色の線が、特徴的の装甲車。
 『南関東首席の装甲列車が、入って来ました』
 暫くして、南関東首席の男子生徒が、姿を現す。 一斉にカメラで、フラッシュに焚かれる。
 『今日は、どういった会議で?』 『グンマー校と栃木で、戦闘を行ってる事に何かコメントを!』 『グンマー校と停戦協定を結ばれる予定は有りますか?』
 マスコミが一斉に、マイクを向け彼に質問を投げ始めた時。
 ゴゴゴ、ゴゴゴ、フシューっと音がし2つの列車が入る。 互いにホームに、向かい合う様に停車した。
 1つは、純白に金色の線が入っている装甲列車。 もう1つは、漆黒に金色の線が入っている装甲列車。
 『首都圏首席、そしてグンマー首席の装甲列車が入りました』
 南関東の首席を放りぱなしにし、一斉に向きを変える。
 まず、出てきたのは、黒いバイザーを付けた連中。 制服の色が黒と金色以外は、殆んど同じ様な感じ。
 『両首脳の親衛隊が、現れました』 『両首席が、出てきました』
 長い銀髪に朱い瞳の美少女、黒髪に黒い瞳の少年。 2人は、ホームの中央で互いに向き合う。
 「白虎乙姫びゃっこおとひめ首席、この間の光は大丈夫だった様で」
 「至誠賢治しせいけんじ首席、中々回復するのに、1時間掛かりました」
 「今日は、副首席殿は来ていないですね」
 「エエ、来てたら、貴方を狙い撃っていたでしょう」
 2人が、そんな会話をしているとある人物が現れる。
 『今、国連軍総司令官、ジョン大将が現れました』 『ジョン大将と2人が、握手をしています』
 マスコミは、3人の姿を写真に収める。 撮影後、賢治はエレベータのボタンを押すと扉が開く。 ジョン大将と2人は、エレベータに乗り上がっていく。
 「乙姫さん、何か忘れている様な気がするけど」
 「賢治くん、私も何か忘れている気がする」
 「「まぁ、いいか!」」
 「オマーガー、チーバの首席置いてきた」
 ジョン大将は、耳に付けたトランシーバで指示を出す。 どうやら、南関東首席を置いて来た様だ。
 『何と、2首席は南関東首席を置いて行きました』 『信じられない事です。協調性の破片も有りません』 『やはり、10年間のシコリが有るのでしょう』
 マイクの前で、言いたい放題言っている。
 南関東の首席は、SPに周りを囲まれながら建物の中に入っていく。 糸目の顔はポーカフェイスで、何を考えているか分からない。
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 ただ、ギリギリと歯を擦り合う音が、列車の音でかき消された。
 マスコミも去り、グンマー側の列車から多数の経済人がホームへ降りてくる。 彼等は、駅で待っている関係者の迎えの車に乗る。
 「全く、皆さん、コーディネートし過ぎて、時間が掛かっちゃった」
 呟くのは、スーツを着た中居屋銃子なかいやじゅうこである。
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 「あれ、首席様は、どこいったんですかー」
 周りを見渡すが、誰も居ない。
 「秘書を置いていかないで、くださいよー」
 スマホを取り出し、賢治の場所を確認する。
 「今行きますからね!待ってて下さい」
 銃子は、脚を進める。 だが、重要な物を見落としていた。
 【関係者立ち入り禁止、許可無い者は最悪射殺されます】
 この看板である。 銃子は、そのまま通路を歩いていく。

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