グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第3話 朝の生徒会室★


 グンマー校は、榛名山をくり抜いた中高一貫校。 本校でも、選ばれた者しか入れない場所が有る。
 グンマーの最高の攻撃力・権力・頭脳が集まる場所。 それが、生徒会室。
 「「「おはようー」」」
 3人の少年少女達は挨拶しながら、生徒会室に入る。
 「おはよー」
 返事を返すは、バスタオル姿で立つ美少女。 金髪のロングヘアに琥珀色の瞳、整った顔、ボンキュボンのナイスボディ。 湯上りなのか、白い肌は仄かに赤い。
 「おはよーケン様」
 「りん書記、うぉ」
 少女はバスローブ姿のままで、賢治に飛び掛かる。 パラッとバスタオルが、解け床に落ちる。 賢治は、そのまま床に押し倒される。
 賢治の前には、男なら一度は見てみたい光景が広がる。 たわわに実った2つの果実が、見事に見えている。 
 「どう、ケン様?」
 「元気そうで、何より。また、徹夜明けでシャワー?」
 だが、賢治は興味が無い様だ。
 「そぅだよー、ひゃっつ」
 「ん?暗い」
 賢治の後ろから、柔らかい手が周り視界を暗くする。
 「ケンちゃんは、見なくて良いですよー」
 「朝露に消えたいですか?凛書記」
 鎌が凛の首筋に、当てられる。 全裸で立ちすくむ凛の胸に、鎌が当たり凛が悲鳴を上げる。
 「今度やったら、その脂肪の塊を切ってあげる」
 彩華さやかは虚ろな瞳で、凛へ話しかける。 凛も裸のまま立ちがり、彩華に向き合う。
 「フン、クールまな板さんが、言う事は違いますね」
 「何か言ったかな?クールまな板と聞こえた様な……」
 「AAカップでケン様に、暖かいスマホと評された貴女の事です」
 プチっと怒りのマークを出し、彩華は鎌を構える。
 「アカちゃん、此奴殺したら、骨も残さず処分して」
 「アラ、冷静な貴女が此処まで怒るなんてね」
 凛は躰をパチパチと電気で覆われ、裸から制服が姿を変える。 黒地に、金色の可愛らしい制服が現れる。
 <a href="//19656.mitemin.net/i234543/" target="_blank"><img src="//19656.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i234543/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>
 「ちょっと待った!2人とも!此処で戦わないで!」
 朱音あかねが、声を上げる。 何故か、賢治の頭を双丘で挟み、目を隠している。
 「駄乳が黙れ……けんじ君に何しとんねん」
 「アラ、朱音さん、ケン様に何をしているのでしょうか?」
 朱音は赤い瞳を笑わせながら、賢治の頭を撫でる。
 「副首席が、首席様の頭を胸に挟んでダメとは校則には、書いて無いです」
 「そうですわ、私も庶務から副首席に変わろうかしら?」
 「そうだね、私も書記から副書記に変わろうかしら?」 
 「掛かって来ても良いですよ!身の程を知らせて上げる」
 朱音は賢治を頭から離し、立ち上がる。 そして、生徒会室の窓を開け、遠くの森を指差す。
 「そこの森で、ビーストの掃除も兼ねて、戦いをしましょう!」
 「「望む所よ!」」
 3人は燃え燃えメラメラ冷え冷えパリパリ電電バリバリと擬音をさせて、窓から飛び降りる。 残された賢治は、床から立ち上がり、服をパンパンと払い埃を落とす。
 「さて、仕事をしようか……」
 パソコンを立ち上げ、送られ来たメールを読む。
 「南関東首席さんから、昨日の件について抗議」
 どうやら、昨晩の事で南関東首席から、抗議メールが来たようだ。
 「碓か、昨日は栃木、茨城連合と空戦して全員撃墜したんだっけ?」
 と賢治が、呟く。
 昨日は、浦賀水道うらがすいどう上空から離脱後、大洗に再上陸。 水戸と宇都宮上空で、待ち受けていた栃木・茨城の南関東連合と戦闘を開始。
 グンマー校は全100名で、怪我人は3名程でいずれも軽傷。 対する南関東連合は計500名が参加、重軽傷者400名以上という損害を受けた。
 グンマー校的には、普通にトロール漁をして帰る途中に喧嘩した感じ。 南関東からしれみれば、立派な戦闘行為。
 「貴連合とは未だに冷戦が続き……我々も魚が欲しいので……」
 呟きながら、打ち込む。
 今でもグンマー校と南関東メンタルギア校は、10年経っても戦闘状態。 栃木・茨城・千葉の3地域では、未だ10年前の禍根が深く根付いている。
 「貴連合の益々の発展を祈る、至誠賢治。よし、送信!」
 賢治はメールを返信した、 次は、凛書記が纏めた書類に、ハンコを押し仕事が有る。
 「よし、早く押して、授業までに間に合わせよう」
 ペッタン、ペッタンと生徒会室から聞こえるハンコの音が、高速回転を始める。 

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