グンマー2100~群像の精器(マギウス)

奈楼小雪

第2話 朝の通学路にて★

  ビースト、それは人類の敵。 グンマーでは、食料でも有る。 内地では、食べないビーストも食料に変わる。
 「そっちに、逃げたぞー」
 「見つけた!よし殺るぞ!」
 ズッシャっと血しぶきが飛ぶ。 大地にズシンと音を立て、ビーストが躰を倒す。
 2メートル程のウサギが、血を流し倒れている。 動物は、ビーストに変化すると巨大化する。 そして、何より性格が、凶暴に変わる。
 「ぐはあーー」
 「きゃーーー」
 数名の生徒達が、大空に吹き飛ばされる。  ッッドドドと音を立て走るのは、4メール程の猪。 も○のけ姫とかで、出てくる猪そっくりである。
 猪が爆進する方には、登校中の小学生の列が……。 気がついた小学生の一部が、逃げ様とする。
 石に躓いた少女が、道路に転がる。 目の前に猪が迫り、目を瞑った時……。
 「そいや!」
 声と共に、ゴロゴロとガシャンと音する。 恐る恐る、目を開けると猪が転がっていた。 
 「大丈夫かい?」
 声の主は、黒い髪に瞳の少しイケメンの男。
 「ありがとうございます、首席さん!」
 「どういたしまして!早く、学校行かないと遅れるよー」
 「分かりましたー」
 少女は、ペコリと挨拶をし、仲間の方へ歩いて行った。
 首席と言われた男の名前は、至誠賢治しせいけんじ。 周りからは、賢治とか首席と呼ばれている。
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 賢治は、飛ばされ大地に激突した生徒を看に行く。
 「全く、朝から大丈夫か?」
 「ええ、俺たち適合者フィッターは、頑丈ですから」
 「イザとなったら、健康増進装置ヘルスマシンで治りますから」
 「そうか……獲物は逃がさない様に!危なかったぞ!」
 「以後、気を付けます」
 「気をつけてねー、遅刻しない様に、肉を運ぶんだな」
 「「「「ハイ!!」」」」
 5人で、1トンはありそうな猪を運び始めた。
 賢治が、歩いていると季節外れの向日葵ひまわりが、咲いている。 日を向くはずなのに、ずっと賢治の方へ向いている。
 賢治が背中を向けた時、向日葵から大量の種が吹き出し襲う。 ビースト化した向日葵は、人間を襲う!
 賢治が柄に触る前に、向日葵と種が燃え上がる。
 「おはよーケンちゃん!」
 「おはよー朱音あかね副首席、ちょ」
 賢治が避ける。 傍の木がメラメラと燃え上がり始める。
 「眼帯!眼帯!」
 「あっ、忘れていた」
 右目に、眼帯を付ける。
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 「危ない、普通の人間ならメラってるよ」
 「ケンちゃんは、普通の人間じゃ無いから、大丈夫でしょ?」
 「おはよーけんじクーン」
 朱音が眼帯を外し、声の主の方へ振り返る。  ジュっと音がし、声の主の周りに水蒸気が立つ。
 「おはよう、彩華さやか庶務」
 「朝から人を焼こうとする何て!酷いねーケンちゃんー」
 賢治の躰に抱きつくのは、小さい背に蒼い髪。 見上げ潤ませる蒼い瞳は、小動物の様に可愛い美少女。
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 「ビショ濡れになっちゃえー」
 抱きつきながら、べーっと舌を出す。 ザバーっと音がし、朱音は水が滴る良い女に変わる。 制服の白いワイシャツが水に濡れ、肌にくっ付き下着を顕にする。
 「ホウホウ、ブラは赤と……」
 「キャッツ!」
 彩華さやかの指摘で、朱音は両手で胸の当たりを隠す。
 「安心して、朱ちゃん!賢治ちゃんは、人に興味無いからホラ」
 賢治の手を取り、自分の胸に触らせる。 普通の男子なら顔を赤くするが、賢治は何とも無い様だ。
 「賢ちゃん、私の胸のサイズは、AAだよー」
 「へ、そうなんだー」
 「因みに、脂肪の塊を付けた朱音さんはDだよー」
 「肩こりそう」
 「朱音さん、肩こりそうだってーーおばあちゃんかな?」
 シューット服から蒸気が発生し、ワイシャツが乾燥する。
 「彩華さん……焼けちゃえば良いのです!」
 「やられるとでも、思って!」
 朱音が朱い瞳を向け、彩華が青白い鎌を出し一触即発の時。 コケコと声がし、ビースト化した50cm程の鶏が現れた。
 「そうだ、二人共。今日の昼飯は、トリにしよう!」
 「朱音さん、ケンちゃんが、トリを食べたいそうですよ」
 「彩華さん、その様ですね。良いトリがいますね……フフフ」
 ビースト化した生き物は、半知体に変わる。 鶏は、二人の会話が何となくヤバイ事を察し、逃げ出した。 ビースト化したチキンは、鳩の元首相レームダックより賢いかもしれない。
 引き際をちゃんと理解している。  だが、周り込まれた。 逃がさないし、逃げる事は、出来ない。
 2人の姿が消えた刹那、鶏の断末魔が通学路に木霊した。

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