大統領フルスイングで殴ったら異世界に転生した件。

慈桜

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まず、常備薬を買い揃える必要がある。コピーは当然するが、態々SPを使う必要が無いので金銭で事足りる部分は金銭で解決しようと思う。
「いらっしゃい、小さいお客さん。お使いかな?」
優しそうなジジイだ。
「うん、このお店で一番高い回復薬を買って来いって言われました」「一番高いと言ってもねぇ、戦争のせいで軍部が大量に買ってしまってて、状態異常と軽い斬り傷に効く奴ならこれだねぇ。これよりいいのは今は無いねぇ」「おいくらですか?」「半銀貨5枚だねぇ、これ以上はまけてあげられないなぁ」「じゃあそれ10個下さい。」「ぬお!!」
銀板5枚、安い買い物だ。いいリアクションであった為に記したが、大きなリュックの中にマジックポーチを量産し、馬用の餌、果物、干し肉、ドライフルーツ、鍋、調味料、肉、魚、簡易テント、布団と余計な物も含めマジックアイテムのコピーを済ませ、厩舎に到着した。
「なんだい坊主、お馬さんを見に来たのかい?」「初めまして、先日アレンの紹介で冒険者になったコナンと言います」「お!!おお!!アレンがパーティ組んだって言う噂の坊主か?どうした?アレンのお使いか?」「はい、そうなんですよ。あいつ人使い荒くて、馬を2頭買ってこいだなんて言いやがって」「っかぁ!!天下のSクラスは何考えてるかわかったもんじゃねぇな、いい馬持ってるってのによぉ。」「ほんとですよ、なんか、女の子にプレゼントするとかで・・。」「坊主・・・。大変だな。」「いいんです、ついでに僕の分も買ってくれるそうなんで、だから一番いい馬を売って下さい!」「おっ!!任せとけ、いい馬ってもどんなんがいい?速い馬か?それとも長く走る馬か?」「いやだなぁ、おじさん。速くて長く走る馬ですよ!」「だよな!わかってんじゃねぇか!」
厩舎の奥から蒼鹿毛の大きな馬を連れてくる親父さん。鍛え抜かれたサラブレッドをばん馬にしたような大きな馬だ。もう一匹は栗毛の毛並みがいい馬だ。
「こいつらはどっちもオンタでな、栗毛は聞き分けがいいし人間の女好きだ、プレゼントには持ってこいなんだが、デカイ方はどうも気性が荒くてな、いい馬だがあんまり勧めれたもんじゃねぇんだ・・・・だが、坊主の要望通りの馬はコイツしかいねぇな。」「ふぅん。いいね、気に入ったよ。2頭でおいくら?」「乗れるかどうか試さなくていいのか?」「・・・それもそうだね。こいつと2人っきりになりたいんだけどいいかな?」「ん?まぁ、いいけどあぶねぇぞ?」「大丈夫、話すだけだから」「おっ?テイマーかなんかか?まぁいいだろう。危なくなったら叫べば助けてやるよ」
話しのわかる親父のおかげで、デカ物とサシで向き合う事となった。
「ブルルルルルン」「今にも頭突きしたりましょうかって感じだなおい」
前脚で地面を抉り威嚇も佳境を迎えた所で軽く胸板にジャンピングビンタをかましてやる。
究極隷属アルティメットスラーブ
全身に奴隷紋が浮かびあがり次第に消えるとデカ物はプルプルと可愛い泣き声を上げ俺の顔を舐める。
「仲良くしようなっ!」「プルルルルン」
ズルイかもしれんが、正直小便が漏れそうだった。今回の戦いが人生史上最も過酷だったと言っておこう。
「親父さん、やっぱりコイツ買うよ」「プルルルルルン」「うお!!目つきが変わってやがる!!お前すげぇな!!」「えへへ、おいくらですか?」「栗毛はいい子だからそれなりに貰いたいが、デカイのに関してはこっちも困ってたから安くしとくぜ。2頭で300万ギリスってとこか・・・、どうだ?」「買った!!あと鞍もつけてください!アレンのつけで!」「がはは!!いいだろう!あいつからちゃんと貰っておくよ」
馬安いな。もっとべらぼうに高いかと思ったが・・・・。ラッキーだったな、よし出発だ。この後栗毛も隷属して、俺は一路フリーズを目指した。

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「行ったぞ、アレン」「あぁ、分かってる。どうだ、面白いガキだろう?」「ああ、とんでもない嘘つきだっつのはわかった。」「ははは、違いねぇ。まぁとりあえず清算しよう。」「おう、ほれチビの金。返してやるんだろ?」「あぁ、で、いくらだ?」「1200万ギリス、きっちり払えや」「高くね?」「下げてこれだよ!あのデカイのはスレイプニルと掛け合わせてできた新種なんだからよ、赤字だっつの」「そのスレイプニル連れてきたのは誰だよ!!しかも繫殖もうまい事行ってるだろが!!」「だから餌代しか貰ってないだろうが!!あいつらはやたら食うんだよ!!」「はぁ、わかったわかった。払えばいいんだろ」「そう言うこった。多分だが、あのおチビちゃんは常識がすっぽり抜け落ちちまったように見えるからな、早くいかねぇととんでもない事になりかねんぞ?」「昨日一日で骨身に染みてるよ、じゃあ行ってくる」


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