10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

Last




一頻り涙を流しながら師匠への別れの言葉を肴に俺の誕生日祝いが始まり集落がお祭り騒ぎになる中、俺はこっそりと抜け出して森の中に入る。

一帯に感知魔法を広げて人が居ない事を確認すると俺は眼を開く。
するとそこから黒髪の青年が現れる。
「大成功だねぇ」
「まずいですよ師匠、絶対にばれないで下さいね?」
「みんな馬鹿だと思わないかい?考えたらわかるだろう?死にたい奴がリッチなんかになるかってさ」
「いや、最後にストップかけてくれなきゃ俺も騙されてましたよ」
「あははは!でも本当に良いのかい?その眼があればなんでも思い通りだよ?」
「いや、もう間に合ってますから」
「じゃあ遠慮しないよ?」
「えぇ…けど本当にもう会えないんですよね…」
「そうだね…でもリブラ…私は嬉しいよ…君を転生させた時に手違いでこの世界に落ちて本当に辛かった…帰る為にここまでのシナリオを作り上げる為に3000年もの時間を要した。そして約束通りに私を助けてくれた事、本当に感謝する」
「でもなんとなく気付いたのはハウロミ島でカイリさんに会ってからですよ?神様との約束なんて記憶から消えてたし、あの時頭の中で言ってくれなきゃ気付きませんでしたよ、確信持てなかったし」
「全ては結果だよ。けどまさかリブラが持っていたなんてね…遠回りしてしまったよ…じゃあ今回は痛くないように交換するよ?」
「どうぞ」
「ありがとう、けどあの魔導砲はちょっときつかったかな」
「師匠なら助けてくれると思ってましたよ」
「そりゃあ守るさ、愛しい弟子だもの」
「あなたが師匠で良かったです」
そして眼を交換すると師匠は笑顔を残しながら消えた。
そこからステテテテと聞き慣れた足音が聞こえ始める。
「主君!!!今のはもしや!?」

「shiiiiiiii」





〜fin〜









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コメント

  • いぷしろん

    面白かったです!師匠サイドの番外編とかも読んでみたいです

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