10年間修行した反動で好き勝手するけど何か問題ある?

慈桜

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神域に戻ると俺は早速フェアリーランドの中にある魔晶石とにかくたくさんを浜辺にブチまけた。
「主君これをどうなさるので?」
「いや、あの黒い巨人が後一週間もすれば世界の綻びに辿りつくだろう?じゃあどうせ世界はお陀仏だ。それじゃあ面白くないからな、もがいてみようと思ったワケだ」
高純度の魔晶石を惜しみなく使い俺は兵器を造ろうと考えたわけだ。
俺が撃てる最強の魔法式を組み込み撃ち続ける事ができるであろう兵器だ。
俺は一時も休まずに魔晶石を変形させ融合し形を作っていく。その様子をカルマやライそしてタナトス、時田さんや星持ちの面々が見守る中作業を続ける。
「もしかしたら発動と同時に暴発する可能性もある。細心の注意は払っているが、念の為にヨルムンガルドとロウエント、ビーステイルダムに行ってるみんなを神域に避難させてくれないか?それと夜は絶対に月を見るなと伝えておいてくれ!」
各々に返事をし、散らばっていく。
「主君…おやすみになられた方が…」
「いや、大丈夫だ。時間が無いからな。カルマ、すまないが手の空いてる奴全員に俺に魔力を送ってくれるように言ってくれないか?これ以上回復薬も飲めないし吸魔の腕輪もからっけつだ。俺が10年ため続けた魔素が…」
正直ツライ。体が震えるし立つ事も難しい、師匠を殺す為に貯めていた吸魔の腕輪も空とかマジで笑えない。今日何回魔力欠乏を起こした?あれ?わかんねぇや…はは。裸で氷点下の中に氷水を浴びせられるような苦しみを何度も何度も…。
最後にカルマが話しかけてきたのいつだっけ?
もう嫌だ…もう術式刻みたくない。
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。
苦しい苦しい苦しい苦しい。
死にたい……死ねば楽になるのか?
「主君!!唇が紫です!!お休みください!我らもこれ以上魔力を送れませぬ!!」
あはは、休んだらダメだよ…。休んだら完成しないよ…。
管理者はいつまで待ってくれるんだ?
明日か?明後日か?それとも7日も待ってくれるのか?
月神以外のヤツは?
わからないだろう。
わからないならやらなきゃ駄目じゃねぇか。
あぁ、なんだこれ。
あったかい。
この魔力…あぁ、母ちゃんに似てるな。
「しっかりしなさい、民の上に立つ者ならば」
「あれ?母ちゃんどうやって?」
「何を言っているの?」
あぁ、なんだ、シェルルの母ちゃんか…。あったかい魔素だな…。
そこから避難してきた熟生達が俺の後ろに並び順番に背中に手を当て魔力を流してくれる。
「あるじぃ!俺の魔力けっこうすげーぞぉ?」
「何を言っておられますか一星殿、我ら六騎槍の極上の魔力には叶いますまい!主様、行きますぞ」
「喋ってないで送らないっすか?主顔色まずいっすよ?」
「旦那ぁ、しっかりしてくださいよ?」
「あぁ、主よ…すぐに我が魔力を」
心地よく少量の魔力が注がれ続けた中で星持ち達の莫大な魔力を注ぎこまれ何時の間にか気を失うように眠ってしまっていた。
まだはるか彼方から歩み寄る黒い巨人の足音に心地良さすら感じて微睡みに落ちた。
その間も民達は魔力を送り続けてくれていたのだろう、体に巡る別物の魔素を己の魔力に変換する熱で目が覚めた。
「よし、やれるぞ。」
「主君、無理はなさらずに」
「ありがとうカルマ、出来ればお前も腹一杯食って寝て回復して欲しい…やはりカルマや星持ちの魔力量は絶大だ。この調子で行けば必ず完成するはずだ。」
「はい………」
少し涙を浮かべたカルマがトボトボとライを抱えて家に戻って行く。
頼むぞ。あと少し…あと少しだ。





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