だんます!!
第九十七話 そうはイカのきんた◯?
「やっほジンジャー」
「あ、メイズさん!じゃなくてダンマス貴様!!」
「やるか!!やっちゃうのかおい!」
「いや、やめておく。今はまだメイズですら傷一つつけられる気がしない。今は力を蓄えて、機が熟せば殺す」
強さの模索って奴ですねわかります。 心より応援しますよ葬儀屋。 しかし無理にタメ口使ってる感じがビンビンだぜぇ。 もっとクールにワイルドに厨二感出せるように頑張れよ。
やほ、みんなのダンマスだよ。 ちょっと人出不足でお久しぶりにメイズです。
ジンジャーも大分権能が制御出来るようになってきているのかな? 露国の街中で生身で棺引っ張ってやがる。一戦交えてスイッチ入れてやろうと思って会いにきたのに。
「あ、そうだ。多々羅もヒルコもカルラも生きてるからな?」
「なに? いや、それはない。確かに首を見たぞ」
「あぁ、あれ偽物な。ついでに紗鬼も騙されて殺されちゃったぞ。多々羅に」
システマだったけどね。 しかし歯痒いなぁ。 システマぶっ殺したと思ってたから、そこ基準で多々羅潰そうと外堀埋める感じで動き回ってたのに、システマ相手なんだったらもうちょい容赦なくやれてた件。
いや、たらればはいけないな。
「それは…本当か?」
「うん、酷い話だよなぁ。必死で助けを求めに行ったら信用できないとかなんとか言って心臓ズバッだよ、心臓ズバっ」
お前の大好きなリリーと同じ殺され方だよ。
「フォォオォオォオオオオ!!!」
よし、変身頂きました。 もしかしたらシステマの馬鹿、プラモンの構成見てドラゴンぐらいなら創ってきそうな気がするんだよな。 まだコアは不完全な感じだったけど、あいつ曇りまくってて無茶苦茶見え辛いんだよな。 万が一に備えて、ジンジャーには葬儀屋バージョンでいてもらった方が安心だ。 ざまぁする時の為に、ある程度の知識まで与えるのはいいけど、ジンジャー分解されて権能まで与えるのは面白くないしな。
『確率としては低いですが、重複存在粘体を生み出せる確率が0.78%となっています』
あ、多重スライムの術ね。 あれって未完成だよなぁ、自分の本体が無かったら俺みたいに頭ポンポンして自分の式ぶっこむだけでできんのに、わざわざ雑魚いスライムに頑張らせるワロス感。
確率低いとは言え、システマが相手なら多少は警戒した方がいいだろうけど、それこそあいつが出来てもダンジョンバトルの最中だから、あいつはなんも出来んよな?
『配下の者が使用できるようにする可能性もあります』
いくらなんでも不用心だろ。 でもダンジョンバトル中は、ある意味無敵だからバトルの期間中に使い潰すつもりだったら出来なくもないな。 けど、俺とほぼ同じ世界式にしてるんなら配下が死んだらダメージでかいだろ。 それこそ似非だとしてもコアへのダメージは半端ないはず。
いや、このダンジョンバトルを終わらせるつもりがないなら、ある意味あいつは配下でも殺し放題か。
『悲しい話ですが、その通りですね』
まぁ、確率の低い話だし…いや、あかん。 あかんぞ、それで散々出し抜かれて来たんだ。 おちょくるのは好きだが、おちょくられるのは好かん。 ここは、多重スライムの術が完成してる体で警戒しておこう。
『かしこまりまし!? え?』
どしたいコアたん。 さっきの え? 可愛い。 可愛いよコアたん。
『マスター、日本に飛びます。既に日本にて重複存在粘体が確認されました。急を要します』
「おっと、システマ。中々喧嘩上等な事してくれるじゃないの」
やっぱチート垢使うかな。 いや、やめよう。 あんなのは俺じゃない。
『私は好きですけどね。到着しましたが、既に解決してそうですね。あまりに優秀な者達に喧嘩を売ってしまったようです。日本に侵入してからならば、異物の空白にヒルコを投影して再現映像を流せますが如何なさいますか?』
そか、じゃあ侵入経路から一部始終リプレイ頼む。
『かしこまりました、それでは』
上空より生身のままで飛来する人影、半ズボンのスーツ姿のマッシュルームみたいな髪型の少年ヒルコだ。
どうやら露国とがっつり仲良くなってるみたいだな。 ご丁寧にステルス機からのご来場である。
「足立区江北。何処だよ」
着地は蹴りで衝撃波を生み出して難無くくるりんぱ。 荒川河川敷にご到着だ。 上空で衝撃波を使って着地場所を選んだみたいだが随分遠くを選んだもんだ。
それから自重無しに突っ走って、秋葉原に到着。 狙いは冒険者って感じがビンビン伝わってくる。
「さぁ、手当たり次第に行ってみよっか」
指先からは水色のスライムが排出される。 なんて未完全なスライムだろうか。 これを使って乗っ取りたいなら相手を瀕死ぐらいまでに追い込む必要があるかも知れん。 ある程度システマのデバイスで強化しても限界があったのかな?
「あん? おめぇ何してんだおい」
まさかの。 ここに来てファーストコンタクトが拳語會の面々である。
「イヨォォオオオ!ポンっ!」
「だから太鼓買えっていってんだろ!口でポンするのやめろ!」
声を掛けたのは黒い革ジャン、丸坊主に凶悪な喧嘩上等面のショーキ、その横には上半身裸に赤い革ジャンとリーゼントがトレードマークのバイオズラ。 そしてその背後には双方掛け合わせても一回りでかい歌舞伎役者の風体であるタロウの三人だ。
俺がヒルコならWhat a dayと叫んでる。
「拳語會か、お前らからヤッてやるゲパッ!!」
なんら躊躇いなくショーキの蹴りが振り抜かれる。 ダメージは無いだろうが、体が小さいので吹き飛ばされてしまっている。
「よっしゃあ無回転。お前で今からサッカーしてやんよ」
相変わらずド畜生である。 スライムはタロウがべちゃりと踏みつけてしまい消失している。 その感覚が一瞬本体にフラッシュバックしたのだろう、立ち上がると同時にビクンと体を震わせる隙をこいつらが見逃すはずがない。
横薙ぎに頭を叩き潰すような蹴りを打ち込むと、反撃しようとしたヒルコの顔面にバイオズラの十八番、光拳が振り抜かれ、ほんの僅かに鼻血を垂らす。
「革ジャン赤でよかったぜクソが」
種族特性じゃなくても、ヒルコクラスの奴に僅かながらにもダメージ通るんだなと感心してみる。 もうここまで決まればゴールデンラインである。
拳が振り抜かれ、後頭部から倒れたヒルコの大きく開かれた股間をタロウがゲシッと踏みつける。 さもありなんと、タロウの巨体でキンコが踏み抜かれたのである。
「あぁ、我が戦友達よ。勝利の喜びを分かち合おうか」
「キャラ変わりまくってんぞおめぇ」
タロウの種族特性である鳴動。 レベル差があれば、生命に関わるダメージを与える事は難しいが、こと痛覚に置いては、レベル差に関係無く与える事ができる。
もしヒルコが有無を言わさずに本気を出していれば、ショーキかバイオズラの何方かは道連れに出来たかも知れない。 これがもし三人が揃っていなければ、もしくはヒルコに乗っ取られていたかも知れない。
しかし既に彼らは電動ガンをアイテムボックスから取り出して構えてしまっているのだ。
『鳴動』
南無。
「痛くも痒くもない。僕を怒らせた代償ギャン!ギャギャギャギャあががががが!ぎぃやぁぁぁあああ!!」
「泣く子も黙るカブキックシリーズキンテキン。お前はBB弾1発体に触れるだけで、キンコを踏みつけられるギュンが襲い続ける」
「イギャャアァァァァァア!!!」
お馴染みのゴールデンラインである。 しかしショーキやバイオズラまでサングラスをかけて電動ガンを乱射する意味はあるのだろうか? 鳴動はタロウが撃つから意味があるんだが。
しかし見てるだけで、玉がひゅんってなる。
次第に痛みでおかしくなり、泡を吹いて白目を剥き始めるヒルコ。
そして俺降臨。いまここである。
「おっ、メイズじゃん! 見ろよ、極悪人捕獲だぜ! まさかのバベル? いいって、それはさすがに悪いよ」
「いやタロウ。これしきでバベルは無理だ。だが、それ相応の報酬は期待してくれていい」
「よっしゃあ! 摩天楼フルコースだ!ショーキ、バイオ!俺の奢りだ!玉すっからかんにしにいくぞ!」
三人は小躍りを始めるが、これは本当に嬉しいプレゼントだ。 多額の報酬を支払っておこう。 システマの馬鹿がダンジョンバトルなんてふっかけてくるから直接殺せないのは歯痒いが、まずは奴の手駒を潰す事が出来た事に祝杯を挙げよう。
「いや…だ…僕は…多々羅様を……消した…あいつを…殺す…まで死ね…ない」
「やかまこい」
「ひぎゃぁぁぁあああ!!」
ギリギリ意識を取り戻したヒルコにタロウは再び電動ガンを乱射する。 ヒルコはビクンビクンと体を震わせているが、うん…これは利用価値があるんじゃないだろうか?
システマの側近中の側近がシステマを殺そうとしている…いや待て。 システマは敢えてそれをわかって不完全な力を持たせた状態で送り込んで来たのか? 態々数少ない手駒を切り捨ててまで? なんのために? 
こいつを殺す為なら現状日本の冒険者では心許ないレベルまで強化されてるから、俺は異世界の冒険者に依頼をする確率が高いと考えたとしよう。 それを踏まえて狙いは俺の管理下の異世界か? じゃあこいつの中にはシステマがいるかもしれんな。
「ちょっと失礼」
ヒルコの口の中に指突っ込むだけの簡単なお仕事です。 こいつもモヤモヤだから外からはわかり辛い。 どう?コアちゃん。
『ヒルコの眼を通して、此方を伺ってはいたようですが、ヒルコの中に多々羅は存在しません』
じゃあ次元兎が見たかったのか?
『正確には世界を渡る方法が見たかった……では?』
なかなか強かなやっちゃな。 コッチミンナ姿勢でダンマリ決め込むかと思えば虎視眈々と狙い定めてるってワケか。
じゃあヒルコが捕らえられたのは知ってるって考えた方がいいな。 改造して暴れさせてやろうかとも思ったが、変に向こうの強化素材を与えかねんから没だな。
コア、監獄タイプの迷宮のテンプレート出してくれ。 とりあえず出入り口の無いダンジョンに閉じ込めておくわ。
『ダンジョンバトル中の為、ダミーコアの増加が出来ません』
ファック。
じゃあ、ヒルコの存在そのものをデバイス化してくれ。
『それは自室に招き入れると言う事でよろしいのですか?』
なんも無くて暇だろうけどな。 亜空間の精神世界の中ならシステマにも干渉される事は無い。 ヒルコは有効なカードとして使わせてもらう。
「あ、メイズさん!じゃなくてダンマス貴様!!」
「やるか!!やっちゃうのかおい!」
「いや、やめておく。今はまだメイズですら傷一つつけられる気がしない。今は力を蓄えて、機が熟せば殺す」
強さの模索って奴ですねわかります。 心より応援しますよ葬儀屋。 しかし無理にタメ口使ってる感じがビンビンだぜぇ。 もっとクールにワイルドに厨二感出せるように頑張れよ。
やほ、みんなのダンマスだよ。 ちょっと人出不足でお久しぶりにメイズです。
ジンジャーも大分権能が制御出来るようになってきているのかな? 露国の街中で生身で棺引っ張ってやがる。一戦交えてスイッチ入れてやろうと思って会いにきたのに。
「あ、そうだ。多々羅もヒルコもカルラも生きてるからな?」
「なに? いや、それはない。確かに首を見たぞ」
「あぁ、あれ偽物な。ついでに紗鬼も騙されて殺されちゃったぞ。多々羅に」
システマだったけどね。 しかし歯痒いなぁ。 システマぶっ殺したと思ってたから、そこ基準で多々羅潰そうと外堀埋める感じで動き回ってたのに、システマ相手なんだったらもうちょい容赦なくやれてた件。
いや、たらればはいけないな。
「それは…本当か?」
「うん、酷い話だよなぁ。必死で助けを求めに行ったら信用できないとかなんとか言って心臓ズバッだよ、心臓ズバっ」
お前の大好きなリリーと同じ殺され方だよ。
「フォォオォオォオオオオ!!!」
よし、変身頂きました。 もしかしたらシステマの馬鹿、プラモンの構成見てドラゴンぐらいなら創ってきそうな気がするんだよな。 まだコアは不完全な感じだったけど、あいつ曇りまくってて無茶苦茶見え辛いんだよな。 万が一に備えて、ジンジャーには葬儀屋バージョンでいてもらった方が安心だ。 ざまぁする時の為に、ある程度の知識まで与えるのはいいけど、ジンジャー分解されて権能まで与えるのは面白くないしな。
『確率としては低いですが、重複存在粘体を生み出せる確率が0.78%となっています』
あ、多重スライムの術ね。 あれって未完成だよなぁ、自分の本体が無かったら俺みたいに頭ポンポンして自分の式ぶっこむだけでできんのに、わざわざ雑魚いスライムに頑張らせるワロス感。
確率低いとは言え、システマが相手なら多少は警戒した方がいいだろうけど、それこそあいつが出来てもダンジョンバトルの最中だから、あいつはなんも出来んよな?
『配下の者が使用できるようにする可能性もあります』
いくらなんでも不用心だろ。 でもダンジョンバトル中は、ある意味無敵だからバトルの期間中に使い潰すつもりだったら出来なくもないな。 けど、俺とほぼ同じ世界式にしてるんなら配下が死んだらダメージでかいだろ。 それこそ似非だとしてもコアへのダメージは半端ないはず。
いや、このダンジョンバトルを終わらせるつもりがないなら、ある意味あいつは配下でも殺し放題か。
『悲しい話ですが、その通りですね』
まぁ、確率の低い話だし…いや、あかん。 あかんぞ、それで散々出し抜かれて来たんだ。 おちょくるのは好きだが、おちょくられるのは好かん。 ここは、多重スライムの術が完成してる体で警戒しておこう。
『かしこまりまし!? え?』
どしたいコアたん。 さっきの え? 可愛い。 可愛いよコアたん。
『マスター、日本に飛びます。既に日本にて重複存在粘体が確認されました。急を要します』
「おっと、システマ。中々喧嘩上等な事してくれるじゃないの」
やっぱチート垢使うかな。 いや、やめよう。 あんなのは俺じゃない。
『私は好きですけどね。到着しましたが、既に解決してそうですね。あまりに優秀な者達に喧嘩を売ってしまったようです。日本に侵入してからならば、異物の空白にヒルコを投影して再現映像を流せますが如何なさいますか?』
そか、じゃあ侵入経路から一部始終リプレイ頼む。
『かしこまりました、それでは』
上空より生身のままで飛来する人影、半ズボンのスーツ姿のマッシュルームみたいな髪型の少年ヒルコだ。
どうやら露国とがっつり仲良くなってるみたいだな。 ご丁寧にステルス機からのご来場である。
「足立区江北。何処だよ」
着地は蹴りで衝撃波を生み出して難無くくるりんぱ。 荒川河川敷にご到着だ。 上空で衝撃波を使って着地場所を選んだみたいだが随分遠くを選んだもんだ。
それから自重無しに突っ走って、秋葉原に到着。 狙いは冒険者って感じがビンビン伝わってくる。
「さぁ、手当たり次第に行ってみよっか」
指先からは水色のスライムが排出される。 なんて未完全なスライムだろうか。 これを使って乗っ取りたいなら相手を瀕死ぐらいまでに追い込む必要があるかも知れん。 ある程度システマのデバイスで強化しても限界があったのかな?
「あん? おめぇ何してんだおい」
まさかの。 ここに来てファーストコンタクトが拳語會の面々である。
「イヨォォオオオ!ポンっ!」
「だから太鼓買えっていってんだろ!口でポンするのやめろ!」
声を掛けたのは黒い革ジャン、丸坊主に凶悪な喧嘩上等面のショーキ、その横には上半身裸に赤い革ジャンとリーゼントがトレードマークのバイオズラ。 そしてその背後には双方掛け合わせても一回りでかい歌舞伎役者の風体であるタロウの三人だ。
俺がヒルコならWhat a dayと叫んでる。
「拳語會か、お前らからヤッてやるゲパッ!!」
なんら躊躇いなくショーキの蹴りが振り抜かれる。 ダメージは無いだろうが、体が小さいので吹き飛ばされてしまっている。
「よっしゃあ無回転。お前で今からサッカーしてやんよ」
相変わらずド畜生である。 スライムはタロウがべちゃりと踏みつけてしまい消失している。 その感覚が一瞬本体にフラッシュバックしたのだろう、立ち上がると同時にビクンと体を震わせる隙をこいつらが見逃すはずがない。
横薙ぎに頭を叩き潰すような蹴りを打ち込むと、反撃しようとしたヒルコの顔面にバイオズラの十八番、光拳が振り抜かれ、ほんの僅かに鼻血を垂らす。
「革ジャン赤でよかったぜクソが」
種族特性じゃなくても、ヒルコクラスの奴に僅かながらにもダメージ通るんだなと感心してみる。 もうここまで決まればゴールデンラインである。
拳が振り抜かれ、後頭部から倒れたヒルコの大きく開かれた股間をタロウがゲシッと踏みつける。 さもありなんと、タロウの巨体でキンコが踏み抜かれたのである。
「あぁ、我が戦友達よ。勝利の喜びを分かち合おうか」
「キャラ変わりまくってんぞおめぇ」
タロウの種族特性である鳴動。 レベル差があれば、生命に関わるダメージを与える事は難しいが、こと痛覚に置いては、レベル差に関係無く与える事ができる。
もしヒルコが有無を言わさずに本気を出していれば、ショーキかバイオズラの何方かは道連れに出来たかも知れない。 これがもし三人が揃っていなければ、もしくはヒルコに乗っ取られていたかも知れない。
しかし既に彼らは電動ガンをアイテムボックスから取り出して構えてしまっているのだ。
『鳴動』
南無。
「痛くも痒くもない。僕を怒らせた代償ギャン!ギャギャギャギャあががががが!ぎぃやぁぁぁあああ!!」
「泣く子も黙るカブキックシリーズキンテキン。お前はBB弾1発体に触れるだけで、キンコを踏みつけられるギュンが襲い続ける」
「イギャャアァァァァァア!!!」
お馴染みのゴールデンラインである。 しかしショーキやバイオズラまでサングラスをかけて電動ガンを乱射する意味はあるのだろうか? 鳴動はタロウが撃つから意味があるんだが。
しかし見てるだけで、玉がひゅんってなる。
次第に痛みでおかしくなり、泡を吹いて白目を剥き始めるヒルコ。
そして俺降臨。いまここである。
「おっ、メイズじゃん! 見ろよ、極悪人捕獲だぜ! まさかのバベル? いいって、それはさすがに悪いよ」
「いやタロウ。これしきでバベルは無理だ。だが、それ相応の報酬は期待してくれていい」
「よっしゃあ! 摩天楼フルコースだ!ショーキ、バイオ!俺の奢りだ!玉すっからかんにしにいくぞ!」
三人は小躍りを始めるが、これは本当に嬉しいプレゼントだ。 多額の報酬を支払っておこう。 システマの馬鹿がダンジョンバトルなんてふっかけてくるから直接殺せないのは歯痒いが、まずは奴の手駒を潰す事が出来た事に祝杯を挙げよう。
「いや…だ…僕は…多々羅様を……消した…あいつを…殺す…まで死ね…ない」
「やかまこい」
「ひぎゃぁぁぁあああ!!」
ギリギリ意識を取り戻したヒルコにタロウは再び電動ガンを乱射する。 ヒルコはビクンビクンと体を震わせているが、うん…これは利用価値があるんじゃないだろうか?
システマの側近中の側近がシステマを殺そうとしている…いや待て。 システマは敢えてそれをわかって不完全な力を持たせた状態で送り込んで来たのか? 態々数少ない手駒を切り捨ててまで? なんのために? 
こいつを殺す為なら現状日本の冒険者では心許ないレベルまで強化されてるから、俺は異世界の冒険者に依頼をする確率が高いと考えたとしよう。 それを踏まえて狙いは俺の管理下の異世界か? じゃあこいつの中にはシステマがいるかもしれんな。
「ちょっと失礼」
ヒルコの口の中に指突っ込むだけの簡単なお仕事です。 こいつもモヤモヤだから外からはわかり辛い。 どう?コアちゃん。
『ヒルコの眼を通して、此方を伺ってはいたようですが、ヒルコの中に多々羅は存在しません』
じゃあ次元兎が見たかったのか?
『正確には世界を渡る方法が見たかった……では?』
なかなか強かなやっちゃな。 コッチミンナ姿勢でダンマリ決め込むかと思えば虎視眈々と狙い定めてるってワケか。
じゃあヒルコが捕らえられたのは知ってるって考えた方がいいな。 改造して暴れさせてやろうかとも思ったが、変に向こうの強化素材を与えかねんから没だな。
コア、監獄タイプの迷宮のテンプレート出してくれ。 とりあえず出入り口の無いダンジョンに閉じ込めておくわ。
『ダンジョンバトル中の為、ダミーコアの増加が出来ません』
ファック。
じゃあ、ヒルコの存在そのものをデバイス化してくれ。
『それは自室に招き入れると言う事でよろしいのですか?』
なんも無くて暇だろうけどな。 亜空間の精神世界の中ならシステマにも干渉される事は無い。 ヒルコは有効なカードとして使わせてもらう。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
969
-
-
159
-
-
238
-
-
4
-
-
149
-
-
4405
-
-
89
-
-
1978
-
-
107
コメント