だんます!!
第八十三話 大人の喧嘩?
「さて、イズマイロフの馬鹿を取り返しに行こうか」
「リミットは明日です。なんとか手回しはしましたが、明日まで引き延ばすので限界でした」
「十分だろう。昔はリミット15分で救助もやったもんさ。生憎ドカンといっちまったがな」
「爆弾処理の失敗の件ですか。惜しい人を亡くしましたね」
ガシャコンとレバーを引き込み、装填と排出を確かめる髭もじゃの軍人は、問題がない事を確認すると、ライフルを肩から提げる。
「組み立て式は便利だが、いまいち信用出来んな」
「平たく言えば全て組み立て式ですよ」
「そういうこと言ってんじゃねぇんだよ」
小野田達に露国軍人が捕らえられた報らせが入ると、モネロン島と礼文島を結ぶ海域で控えていた民間船に扮した露国軍船より直ちに応援が送られた。
急遽として総勢40名投入の失敗は許されない作戦へと発展したのだ。
この一件に関しては、早急に露国上層部より自衛隊の介入は無いように手は打たれている。
何処の国も上層部同士はありがたい紙切れを積んで話が通るように出来ている。所謂完成された談合社会の一例とも言えるだろう。 何処の国の役人でもプロレスと裏金は大好きなのだ。
「失敗したら交渉のカードを一枚握られるってわけだ。必死になるのもわからなくはないが、日本のヲタク兵相手に大袈裟だ」
「確かに演習では満点でも戦場では3点だ! なんて言われてますからね。しかし馬鹿にしすぎですよ」
山間を抜けながら、人目に付かぬように、目標へと進む露軍兵、相手は日本の自衛官と言う事で、若干気が緩みがちではあるが、それを咎めるように、左腕をミスリルで覆い尽くした顔に刀疵のある長髪の男が割って入る。
「あまり日本人を馬鹿にするなよ? 特に冒険者、あいつらとは絶対に戦うな。気付いた時には仲間が大勢死ぬぞ」
「はっ!ご忠告ありがたく!」
鋼の者は、退役軍人がその多くの割り合いを占める。 退役後に新人教練等で教壇に立っていた者等もいる為、自身がベテランとなってから、新兵時代の恩師が鋼となり現場に参加し、役職は同等と言えど、このように説教される場面などは現在の露国軍では珍しくない光景となっている。
万全を期したハルビンの作戦で露国兵鋼の精鋭が50名以上殉職した一件も、露国兵は眉唾だと思っていたが、実際に作戦に参加した者達から話を聞いて、身を引き締めたのは記憶に新しい。
「しかし冒険者ね。時代が変わったって事か。言わばサイキック兵器って事だろ?ネーミングセンスは幼児向けだけどよ」
「いくらヤポンスキーがファンタジー好きだからって、国その物をファンタジーに変えてしまうとは思いもよりませんでしたよ。そこらかしこにモンスターがいるし」
「モンスターGOの流行と共に生まれたらしいぜこいつらは」
木の上で眠る大砂猫の首根っこを掴みプラプラとさせると、大砂猫はフシャーといきり立ち、砂煙を巻き起こして逃げて行く。 咳き込みながらに変顔で肩をすくめるが、其処彼処に魔物がいる日本の土地は、露国兵からするならば筆舌にし難く珍妙に見える事だろう。
「前方にボスから指令を受けているスノータイガーらしきモンスターがいますね」
兵の1人が暗視ゴーグルにて確認した内容を知らせると、髭もじゃの男もそのゴーグルを受け取り確認をする。
「いや、それにしてはデカすぎるな。データにあったのは猫よりちょっとでかいぐらいの大きさだった」
そのゴーグルの視界の中で、大きな白虎は遥か彼方にいる筈の露国兵を睨みつけ牙を剥いた。
「やばい、気付かれたな」
「そんな馬鹿な!」
刹那、周囲が昼間のように白い光に照らされる。 照明弾が打ち上げられたのか、暗視ゴーグルをしていた露国兵の多くは視界を潰され混乱の最中、周囲一帯が白銀世界に包まれると、規則的な銃声が響き渡る。
「くそっ!! ぶっ放してきやがった! 応戦しろ!」
「この距離で腕が撃たれた! 誰だ3点とか言った奴!!」
目が慣れ始めると、その凍てつく寒さと、真昼のように照らす陽光に違和感を感じるようになる。
その空に舞うは巨大な怪鳥、そして白銀の世界は白い大虎が吐き出すブレスにより創り出されていると理解した時には既に遅かった。
「くそっ! 撤退だ!!恐らくだが冒険者がいるぞ! 見た事無いモンスターを操ってるんべごんぎゃ!」
突如として戦闘機型のラジコンが、撤退指令を出そうとしていた男を蜂の巣にしたのだ。
「ドローンだ!! 警戒しろ!!」
小型のリモートコントロールされた零戦は集中砲火を浴びるが、機体を大きく旋回させて、銃弾を全て躱すと、再び露国兵へ襲いかかる。
「くそっ! ちょこまかしやがって! そっちに行ったぞ! 上だ!」
連射性の高いサブマシンガンで迎撃を狙うが、目で追うのがやっとな程に高機動な小型零戦は、次々と露国兵を打ち倒して行く。
『威力を抑えた魔力弾じゃ! 死にゃあせんよ!』
「嘘つけ! 血だらけじゃねぇかんばらばはらば!」
ラジコンから漏れ出る声に怒鳴りつけるが、その声は届かず、撃ち抜かれた露国兵は膝から崩れ落ちていく。
『肉が抉れてるだけなんじゃがな。わし魔力とやら少ないしのって聞こえとらんか』
甲高いエンジン音を鳴らしながら急降下すると、再び魔力弾が連射され、2名の露国兵が地に伏していく。
まさにラジコン無双である。
なす術無く、一台のラジコン零戦に10名以上の兵士が撃ち倒されると、いよいよ髭もじゃ達も、離脱しようと地面を踏み込む。
「くそっ、立て直すぞ。二班と合流する」
「待て、その必要はない」
金切音のような甲高い音と共にラジコンが墜落すると、左腕を鎖鎌に変えた男がゆっくりと歩み始める。
「教官…」
「アレクサンドル、俺はもうお前の教官ではないぞ。冷静になれ、ただ闇雲に逃げてもいい的だ。退路は俺が開いてやる、ついてこい」
「はっ! 地獄でもお供します! ヴォロビオフ教官!!」
弾丸のように突撃してくる貫き兎を変形させた左腕で切り捨て、ヴォロビオフと呼ばれた、顔に刀疵のある長髪の男が走り出すと、残された露国兵達もその背を追う。
しかし、そう簡単には行かない。
突如として、空から羽を伸ばした人影が降りたったのだ。
その男は体の前面、顔から足にかけて薄っすらと生身を覗かせ、残り全ては黄色の鳳に憑依され、その周りには紫電が迸っている。
「Вы воин?Маленький пенис」
「お前何言ってるかわからんが、すげぇ失礼だってのはわかる。コッチだって時田さんに魔石服だけ着た状態で外に放り出されたんだから、ここが出るのは仕方ないと言うかなんと言うか」
纏化をした小野田である。 小野田は必死で浴衣を腰に巻き直すが、その隙を逃すヴォロビオフ達ではない。
「Сандэнс Кид Сандэнс Кид 」
一斉に銃撃を始めるが、弾丸の全ては小野田の周囲で宙に浮いたままに止まってしまい、次第にパラパラと朽ちていく。
「あっ、電界が磁界がぁ!とかじゃないからね。ただ雷で焼いただけだぞ」
ヴォロビオフは小野田を穿たんと左手を伸ばすが、その腕が届く事はない。
周囲一帯が玄天により凍らされていたので、それを媒介に感電させたのだ。 徐々に電力を上げて行ったので、完全に全身が麻痺してしまっている。
「雷を自在に操れるって結構チートだと思うんだけどなぁ。なぁ、ガーコ」
『グァッ!』
頭の中で相棒の声が響くと、小野田は上機嫌に残党狩りに飛び立つ。
ヴォロビオフは眼だけを動かし、小野田の背中を睨みつけていた。 いくらミスリルを自在に操る事ができる鋼と言えど、生身は人間である。 体の内部にじわりじわりと浸透するように電流を流されては、自由を奪われても仕方がない事だ。
しかし、飛び立った小野田の背後に、まるで意思を持つ蛇のような鎖鎌が遅いかかる。
よもやその翼を切り落とそうかとした途端、その切っ先はピタリと止まる。 既にヴォロビオフのミスリルの届く範囲を越えていたのだ。
あまりの悔しさにヴォロビオフは白目を剥いて意識を手放す。
あまりに一方的な展開に、露国兵はただただ茫然と捕らえられるのを待つ子羊と成り下がるしか、生き残る道は残されていなかった。
しかし、全てが無駄骨であったワケではない。 ほんの僅かにだが、露国は魔物を捕らえ、稚内にて控えていた部隊は、ある程度の魔物達を本国へ持ち帰る事に成功する者達もいたのだ。
上陸作戦を決行した兵達は、致し方なく置き去りにされたが、その僅かな魔物を持ち帰った者達は多大な報酬を得る事となり、階級すらも昇格させたのだ。
そして、この一件は日本政府が極秘裏に処理するが、これが切っ掛けとなり日露交渉へと舞台は移行して行く。
悪ガキ達の知らぬ場所で、行われた交戦。
そんな危険を孕んだ彼等がホテルから抜け出そうと、あの手この手を尽くしている事に、時田さんが必死で対抗し苦労しているせいで零戦ラジコンが墜落した事など誰も知る事は無いのである。
「リミットは明日です。なんとか手回しはしましたが、明日まで引き延ばすので限界でした」
「十分だろう。昔はリミット15分で救助もやったもんさ。生憎ドカンといっちまったがな」
「爆弾処理の失敗の件ですか。惜しい人を亡くしましたね」
ガシャコンとレバーを引き込み、装填と排出を確かめる髭もじゃの軍人は、問題がない事を確認すると、ライフルを肩から提げる。
「組み立て式は便利だが、いまいち信用出来んな」
「平たく言えば全て組み立て式ですよ」
「そういうこと言ってんじゃねぇんだよ」
小野田達に露国軍人が捕らえられた報らせが入ると、モネロン島と礼文島を結ぶ海域で控えていた民間船に扮した露国軍船より直ちに応援が送られた。
急遽として総勢40名投入の失敗は許されない作戦へと発展したのだ。
この一件に関しては、早急に露国上層部より自衛隊の介入は無いように手は打たれている。
何処の国も上層部同士はありがたい紙切れを積んで話が通るように出来ている。所謂完成された談合社会の一例とも言えるだろう。 何処の国の役人でもプロレスと裏金は大好きなのだ。
「失敗したら交渉のカードを一枚握られるってわけだ。必死になるのもわからなくはないが、日本のヲタク兵相手に大袈裟だ」
「確かに演習では満点でも戦場では3点だ! なんて言われてますからね。しかし馬鹿にしすぎですよ」
山間を抜けながら、人目に付かぬように、目標へと進む露軍兵、相手は日本の自衛官と言う事で、若干気が緩みがちではあるが、それを咎めるように、左腕をミスリルで覆い尽くした顔に刀疵のある長髪の男が割って入る。
「あまり日本人を馬鹿にするなよ? 特に冒険者、あいつらとは絶対に戦うな。気付いた時には仲間が大勢死ぬぞ」
「はっ!ご忠告ありがたく!」
鋼の者は、退役軍人がその多くの割り合いを占める。 退役後に新人教練等で教壇に立っていた者等もいる為、自身がベテランとなってから、新兵時代の恩師が鋼となり現場に参加し、役職は同等と言えど、このように説教される場面などは現在の露国軍では珍しくない光景となっている。
万全を期したハルビンの作戦で露国兵鋼の精鋭が50名以上殉職した一件も、露国兵は眉唾だと思っていたが、実際に作戦に参加した者達から話を聞いて、身を引き締めたのは記憶に新しい。
「しかし冒険者ね。時代が変わったって事か。言わばサイキック兵器って事だろ?ネーミングセンスは幼児向けだけどよ」
「いくらヤポンスキーがファンタジー好きだからって、国その物をファンタジーに変えてしまうとは思いもよりませんでしたよ。そこらかしこにモンスターがいるし」
「モンスターGOの流行と共に生まれたらしいぜこいつらは」
木の上で眠る大砂猫の首根っこを掴みプラプラとさせると、大砂猫はフシャーといきり立ち、砂煙を巻き起こして逃げて行く。 咳き込みながらに変顔で肩をすくめるが、其処彼処に魔物がいる日本の土地は、露国兵からするならば筆舌にし難く珍妙に見える事だろう。
「前方にボスから指令を受けているスノータイガーらしきモンスターがいますね」
兵の1人が暗視ゴーグルにて確認した内容を知らせると、髭もじゃの男もそのゴーグルを受け取り確認をする。
「いや、それにしてはデカすぎるな。データにあったのは猫よりちょっとでかいぐらいの大きさだった」
そのゴーグルの視界の中で、大きな白虎は遥か彼方にいる筈の露国兵を睨みつけ牙を剥いた。
「やばい、気付かれたな」
「そんな馬鹿な!」
刹那、周囲が昼間のように白い光に照らされる。 照明弾が打ち上げられたのか、暗視ゴーグルをしていた露国兵の多くは視界を潰され混乱の最中、周囲一帯が白銀世界に包まれると、規則的な銃声が響き渡る。
「くそっ!! ぶっ放してきやがった! 応戦しろ!」
「この距離で腕が撃たれた! 誰だ3点とか言った奴!!」
目が慣れ始めると、その凍てつく寒さと、真昼のように照らす陽光に違和感を感じるようになる。
その空に舞うは巨大な怪鳥、そして白銀の世界は白い大虎が吐き出すブレスにより創り出されていると理解した時には既に遅かった。
「くそっ! 撤退だ!!恐らくだが冒険者がいるぞ! 見た事無いモンスターを操ってるんべごんぎゃ!」
突如として戦闘機型のラジコンが、撤退指令を出そうとしていた男を蜂の巣にしたのだ。
「ドローンだ!! 警戒しろ!!」
小型のリモートコントロールされた零戦は集中砲火を浴びるが、機体を大きく旋回させて、銃弾を全て躱すと、再び露国兵へ襲いかかる。
「くそっ! ちょこまかしやがって! そっちに行ったぞ! 上だ!」
連射性の高いサブマシンガンで迎撃を狙うが、目で追うのがやっとな程に高機動な小型零戦は、次々と露国兵を打ち倒して行く。
『威力を抑えた魔力弾じゃ! 死にゃあせんよ!』
「嘘つけ! 血だらけじゃねぇかんばらばはらば!」
ラジコンから漏れ出る声に怒鳴りつけるが、その声は届かず、撃ち抜かれた露国兵は膝から崩れ落ちていく。
『肉が抉れてるだけなんじゃがな。わし魔力とやら少ないしのって聞こえとらんか』
甲高いエンジン音を鳴らしながら急降下すると、再び魔力弾が連射され、2名の露国兵が地に伏していく。
まさにラジコン無双である。
なす術無く、一台のラジコン零戦に10名以上の兵士が撃ち倒されると、いよいよ髭もじゃ達も、離脱しようと地面を踏み込む。
「くそっ、立て直すぞ。二班と合流する」
「待て、その必要はない」
金切音のような甲高い音と共にラジコンが墜落すると、左腕を鎖鎌に変えた男がゆっくりと歩み始める。
「教官…」
「アレクサンドル、俺はもうお前の教官ではないぞ。冷静になれ、ただ闇雲に逃げてもいい的だ。退路は俺が開いてやる、ついてこい」
「はっ! 地獄でもお供します! ヴォロビオフ教官!!」
弾丸のように突撃してくる貫き兎を変形させた左腕で切り捨て、ヴォロビオフと呼ばれた、顔に刀疵のある長髪の男が走り出すと、残された露国兵達もその背を追う。
しかし、そう簡単には行かない。
突如として、空から羽を伸ばした人影が降りたったのだ。
その男は体の前面、顔から足にかけて薄っすらと生身を覗かせ、残り全ては黄色の鳳に憑依され、その周りには紫電が迸っている。
「Вы воин?Маленький пенис」
「お前何言ってるかわからんが、すげぇ失礼だってのはわかる。コッチだって時田さんに魔石服だけ着た状態で外に放り出されたんだから、ここが出るのは仕方ないと言うかなんと言うか」
纏化をした小野田である。 小野田は必死で浴衣を腰に巻き直すが、その隙を逃すヴォロビオフ達ではない。
「Сандэнс Кид Сандэнс Кид 」
一斉に銃撃を始めるが、弾丸の全ては小野田の周囲で宙に浮いたままに止まってしまい、次第にパラパラと朽ちていく。
「あっ、電界が磁界がぁ!とかじゃないからね。ただ雷で焼いただけだぞ」
ヴォロビオフは小野田を穿たんと左手を伸ばすが、その腕が届く事はない。
周囲一帯が玄天により凍らされていたので、それを媒介に感電させたのだ。 徐々に電力を上げて行ったので、完全に全身が麻痺してしまっている。
「雷を自在に操れるって結構チートだと思うんだけどなぁ。なぁ、ガーコ」
『グァッ!』
頭の中で相棒の声が響くと、小野田は上機嫌に残党狩りに飛び立つ。
ヴォロビオフは眼だけを動かし、小野田の背中を睨みつけていた。 いくらミスリルを自在に操る事ができる鋼と言えど、生身は人間である。 体の内部にじわりじわりと浸透するように電流を流されては、自由を奪われても仕方がない事だ。
しかし、飛び立った小野田の背後に、まるで意思を持つ蛇のような鎖鎌が遅いかかる。
よもやその翼を切り落とそうかとした途端、その切っ先はピタリと止まる。 既にヴォロビオフのミスリルの届く範囲を越えていたのだ。
あまりの悔しさにヴォロビオフは白目を剥いて意識を手放す。
あまりに一方的な展開に、露国兵はただただ茫然と捕らえられるのを待つ子羊と成り下がるしか、生き残る道は残されていなかった。
しかし、全てが無駄骨であったワケではない。 ほんの僅かにだが、露国は魔物を捕らえ、稚内にて控えていた部隊は、ある程度の魔物達を本国へ持ち帰る事に成功する者達もいたのだ。
上陸作戦を決行した兵達は、致し方なく置き去りにされたが、その僅かな魔物を持ち帰った者達は多大な報酬を得る事となり、階級すらも昇格させたのだ。
そして、この一件は日本政府が極秘裏に処理するが、これが切っ掛けとなり日露交渉へと舞台は移行して行く。
悪ガキ達の知らぬ場所で、行われた交戦。
そんな危険を孕んだ彼等がホテルから抜け出そうと、あの手この手を尽くしている事に、時田さんが必死で対抗し苦労しているせいで零戦ラジコンが墜落した事など誰も知る事は無いのである。
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