だんます!!
第二十九話 罪喰い捕獲作戦24時?
【赤髪】グレイル被害掲示板【災害】
ここでは、赤髪の大剣使い。
最強の【罪シンイーター喰】グレイルに被害を受けた者が集まる板です。
シンイーターへの質問や愚痴はシンイーター板でお願いいたします。
0123 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
大被害にゃにゃん。毎日ゴリラの子守りさせられてるにゃにゃん!!
0124 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
あのゴリラダメダメにゃんにゃん
0125 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
取材中に突如現れて、あんこきなこに質問
名前なんや
あんこきなこ
餅かい!!
チチ鷲掴み
あんこ号泣
イマココ
0126 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
清純なる爆乳を鷲掴みだとぅ!?
0127 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
あのチビ俺の羽毟りやがった。
0128 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
犯されたにゃ
0129 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
それは誤解を生みます
0130 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
いい人でしたよ?赤雷にオヤツくれました
0131 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
お前らバレバレだからハンネ晒せ
0132 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>131バレバレなら必要ない件。
0133 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
はっは!!俺もアルガイオスの羽ほしいぜぇ!!
0134 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
ソフマダンジョンモンスターリポップしない
0135 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>131 絶対やらねぇぞ!!
0136 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
おいシンイーター、お前らの上司だろなんとかしろ
0137 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
俺は知らん
0138 罪ブッチー喰@\(^o^)/
大捕物始めるみたいなんですけど、みなさんうごけますか?
0139 黒剣騎士@\(^o^)/
ブッチー殿が晒すのならば私も晒そう
0140 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>134 そんなわけあるかちゃんと探せ
0141 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
アルガイオスって魔物じゃないの?
0142 被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>138 大捕物って何?祭り?
0143 シンイーターシシオ@\(^o^)/
初期組に号令、ダンマスの統治する3つの異世界からシンイーターの幹部がグレイルを捕らえに集結する。
マップに表示されるシンイーターの紋章が、その幹部達だ。
お前らは各自グレイルさんを見つけたら、近くのシンイーターに連絡してくれ。
0144 金楽@\(^o^)/
なんだその面白そうな催しは
0145  マーズたん@\(^o^)/
あのぉ、今私のスカート覗いてる人、赤髪の大剣使いなんですけど
0146  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
お前二期のセーラー剣士のギルドの奴だろ。
それに関しては俺はグレイルさんを責めない
0147  松岡@\(^o^)/
圧倒的ジュピター派
0148  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
なぁ、今マ◯のシンドバッ◯みたいなキンキラキンのレア装備で固めたイケメンがグレイル追いかけてったんだが、これって
0149  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
ちょ!!パイセン達早くアキバ来た方がいいでやんすよ!!すげぇっ!!すげすぎる!!紅白のシンイーターの制服の奴がやべぇ!!!俺の拳もあんなのできるようなるのか……
0150  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
こっちには緑と白の制服の奴がいるぞ!!モンパンみたいな大剣持ってる奴尋常じゃねぇ!
0151  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
いってくるにゃ ノシ
0152  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
とりあえず情報を精査しよう。
セーラー剣士の奴らは何処にいる?
0153  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>141 魔物じゃねぇ、鳥だ
むしろチョコ◯だ。
0154  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>152 その意見には賛成だ。
俺もセーラー剣士の居場所を聞くべきだと思う
0155  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>152.154 お前らパンツ見たいだけだろ
0156  月野しろさぎ@\(^o^)/
ミスドでーす!
0157  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
ガタッ
0158  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
奇遇だな、たまたまドーナツが食べたい
0159  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
>>158 俺もだぜ。こんな奇遇なことってあるんだな
0160  松岡@\(^o^)/
おい、ジュピターたんはいるのか?
0161  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
やべぇ、松岡君がいつに無く本気だ
0162  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
拡散
初期組に号令、ダンマスの統治する3つの異世界からシンイーターの幹部がグレイルを捕らえに集結する。
マップに表示されるシンイーターの紋章が、その幹部達だ。
お前らは各自グレイルさんを見つけたら、近くのシンイーターに連絡してくれ。
0163  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
すげぇ。俺たちもこんなんになれるのかな
0164  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
龍王アルガイオスなのに鳥wwww
0165 龍アルガイオス王@\(^o^)/
>>164 よろしい、ならば戦争だ
0166  被害を受けた名無しの冒険者@\(^o^)/
おい!聞け!今、限定的らしいがアキバ全体をダンジョン化してるぞ!!いきなり人とか車消えてオブジェになる!!!封絶みてぇだ!!
━━
さて、やっと包囲が済んだから陸戦仕様なうだ。
とりあえず俺はなんとしてでもグレイルを捕らえる為に、フェリアース、グランアース、レィゼリンの罪喰いギルドから、最高戦力を引き抜いてきた。
赤と白の制服に身を包むのは少数精鋭、フェリアースの罪喰いギルド。
緑と白の制服に身を包むのは研ぎ澄まされた槍のように練度が高いレィゼリンの罪喰いギルド。
そして黒と白の制服に身を包む、百戦錬磨の最強集団グランアースの罪喰いギルドだ。
そして俺はラビュラント・ガーディアン。
ラビリのアバターで出陣している。つまり俺が考えうる最強の布陣を用意した。
大人気ないと思うかもしれないがグレイル相手にこの布陣は大袈裟ではない。
別に殺せばいいだけなら簡単だ。
だが、今回はグレイルの捕獲。
そうなってくると、この布陣は妥当だ。なんと言っても相手はグランアースの罪喰いの副長を務めるグレイルだからな。
「ダンマス、マジでグレイル先輩捕まえんの? あの人苦手なんだよなぁ」
「同じチビ同士だからか?」
「ひでぇ!!確かにチビだけどねっと」
俺の横で自身の身の丈の倍はゆうに超える空色と金の装飾が特徴的である飛竜のような巨大な弩を軽々と引き、番えたランスを連発で撃ち出す少女。
ドゴンと音を立て地を抉り、突き刺さった数秒後にランスが光を放ち爆発する極悪仕様だ。
「うぉーい!!そこのケットシー隠れておきなよぉ!!あぶないよぉん!!」
「だぁほ!!わいが一番危ないわい!!」
「あはは!!グレイル先輩すごいねぇ!!」
「ワレ!!シャラク!!お前グランアース帰ったらしばき回したるからな!!」
狐のお面で顔の半分を隠した薄い水色の髪のボブカットが特徴的な少女は、グランアース罪喰いギルド、フィレンツェの書記長であるシャラクだ。
書記長とは名ばかりで書類も碌に読まずにサインを書き続け、1日の半分以上を、この馬鹿でかい弩をぶっ放す為に使うイタい子ではあるが、こと戦闘に於いてはこれ程信用できる射手はいない。
「べぇーだっ!!死ね死ね死ね死ねぇ!!」
「ちょっ!うわっ!ワレっ!ホンマに死んだらどないするんじゃわれ!!!」
これには流石のグレイルも躱しきるのが難しくなったようで、劇場の壁を駆け上がる。
だが、それで逃げられるような甘い包囲はしていません。
「グレイル、すまんな。死んでくれ」
長い黒と白の髪の総髪を結った侍風の男は、緑と白の制服を着たレィゼリンの罪喰いギルド本部長のツァバトだ。
その手に持つ馬鹿でかい大剣は、レィゼリンの守護龍から認められ譲り受けた牙を鍛えた大剣である。
「こらツァバト!!!師匠に向かって物騒な事いうたら………」
鍔迫り合いを始めると、双方は自由落下を始めるが、ツァバトの特大の大剣をはじき返し蹴り落とす。
「お説教せなあかんっなるでぇっ!!」
グレイルが落下しながらツァバトの顔面を踏み潰そうとするがその蹴りがツァバトに届く事はない。
「ってあぶねぇぇええ!!!」
突如数千を超えるナイフがグレイルに襲いかかったのである。
グレイルは即座に大剣を車輪のように回転させてナイフの集合体を弾きかえすと、襲いかかってきたナイフの集合体は巨大な蛇の姿を象る。
そのナイフで形成された大蛇の傍らには、深い紫色の長い髪、グラマラスな男好きしそうな体と、妖艶な泣きぼくろが特徴である、ツァバトと同様レィゼリンの罪喰いギルド副長であるヴィオラである。
相変わらずエロい。
車のボンネットに腰掛けたせいでパンツ見えそうなのである。
ここで移動したら不自然かな? 後ちょっとで見えそうなのに。
「ウチの代表やられたらレィゼリンの名折れだからね、ズタズタにしてあげるわ」
「させろぉ!!!!ズタズタにさせてくれ頼むぅぅ!!!ヴィオラがさせてくれたらもう勃たんくなってもえぇぇ!!好きや!!そのエロい体好きや!させぇぇ!!!」
「ちょ、やめてよグレイル…恥ずかしいじゃない……うー」
しかしこんなエロいのにおぼこ娘である。
グレイルはしてやったりと嗤うと、照れてしまったヴィオラは集中力を失いナイフの大蛇の形が崩れてしまうが、そのナイフの中から突如人影が現れる。
「貰ったぞ坊主」
赤と白の制服を着た長い白髪を一纏めにした老人、フェリアースの罪喰いギルド本部長のアスラである。
アスラは宙に浮く6本の日本刀を二枚六対の羽のように背後に控えさせているが、目が合うと同時にグレイルは六方から斬り付けられている。
「げぇ!!!ジジイ!!こらマスター!!ワレ本気だしすぎやろ!!」
咄嗟に大剣を構え、独楽の様にまわり斬撃を食い止めるが弾き飛ばすには至らなず、その場から飛び跳ねて離脱する。
「余所見をするでない」
「余所見しとかな槍とか剣とか飛んでくるやろが!!」
それは大正解である。
しかしグレイルまた強くなっている。 
この面子相手に笑ってやがる、石投げよ。
「あぶなっ!誰や今石投げたやつ!!!」
あいつ全身に目ん玉ついてんのかな? でも警戒していたとしてもこの攻撃を避ける事は出来ないだろう。
アスラが来たら必ずと言っていい程現れる奴がいるんだからな。
御名答と答えんばかりに、そのグレイルの足元が突如として爆ぜる。
紙一重でグレイルは躱しているが、この大地が揺れコンクリートが砕かれる一撃が、拳のみで繰り出されたとは誰も信じられないだろう。
「グレイル、気を抜きすぎだ!!貴様の良さはその燃えるような髪と同様の熱い心であったはずだ!!!」
「なんか熱苦しいのきた?!」
燃え盛る炎のような煌々とした黄髪の男、こいつもジジイことアスラ同様にフェリアースの罪喰いギルドで副長を務める、全てを拳で切り開く男と謎の二つ名を持つヤシャだ。
うん、やはり熱苦しい。
この包囲網からグレイルが逃げ切れるなど万に一つもない。
その上、俺はシリウスを控えさせている。
俺はここに来て完全勝利を確信する。
「チェックだ、グレイル」
「マスターもラビリなんぞ出しよって物騒なんじゃ!!よぉぉおし!!ええど!!そこまで本気やっちゅーならやったんどゴラァ!!!傲慢なる剣鬼!!!」
グレイルのスキル発動と同時に、ビルの屋上からシリウスが姿を現す。
さぁ、お仕事ですよシリウスさん。
「待ってたぞグレイル」
グレイルの傲慢なる剣鬼、グレイルクラスの冒険者なら皆そうなのだが、デバイスを吸収し続けた先に可能となる限定的な存在改変、冒険者が生涯で一つだけ創造し習得できるオリジナルスキルがある。
そのグレイルの傲慢なる剣鬼は俺から一寸法師の話しを聞いて内容を曲解し、デカくなったら最強とわけのわからん理由で創られたオリジナルスキルである。
「シリウスゥゥゥウ!!!」
グレイルの強さで巨大化とか悪い夢でしかない。
だが、それを唯一制する事ができる存在。
それが、グランアース罪喰いギルド本部長シリウスなのだ。
狙い通りである。
グレイルをブチ切れさせて、傲慢なる剣鬼を引き出してシリウスでチェックメイトだ。
「剣鬼の子守唄」
巨大化したグレイルは、シリウスのオリジナルスキルの発動と同時に、その動きを完全に止める。
このシリウスのオリジナルスキルは、子守唄など優しいモノではない。
グレイルは傲慢なる剣鬼を使用すると理性を失ってしまう、だからこそ、シリウスは巨大化しているグレイルを意のままに操ることの出来るオリジナルスキルを生み出したのだ。
性格の悪いやつである。
そこでシリウスは声を拡声させる。
『冒険者の諸君!!今の内に思い思いにグレイルに攻撃しろ!!力を合わせろ!!』
これには初期組だけでなく、二期、三期のギャラリーと化していた冒険者達も、イベントのフィナーレなのだと攻撃を繰り出す。
当然グレイルに攻撃判定が入るわけもないのだが、この間シリウスはグレイルの脳内に数千数万の武具が突き刺さる悪夢を見せ続けている。
ただの嫌がらせである。
いつ間のにか、周囲には300人近くの冒険者が集まり一つの輪になっている所で、グレイルの傲慢なる剣鬼は終わりを迎える。
「はぁはぁはぁ、シリウス。お前も後で絶対しばく」
「はは、ジャスト1分だ。いい夢は見れたかい?」
徐々に小さくなりながら、シリウスとグレイルは言葉を交わすが、グレイルは心なしか楽しそうな顔をしている。
まぁ、無茶苦茶なやり方であるし、大袈裟にやり過ぎてくれたが、結局はメッセージでの頼みごとをコイツは達成してくれただけだからな。
言わば茶番だ。
「よぉぉおし!!!お前らよう大規模のレギオンレイド組んだな!わいの完敗や!ごめんなさいや!!ええか!!その気持ちを忘れんな!!悪い奴やっつけんのに、世界やギルドやグループの垣根越えて力を合わせんのも冒険者や!こっから先、30層越えてくると仲良しこよしではどないもこないもならん事も増えてくる!欲も大切や!せやけど、ダミーコアの制御なんて、この先いつでも取れる!やから何より命を一番にせぇ!わいらの世界では凡ミスで仲間死んで大泣きした事もある!けどな、お前らがそうやって手を取り合っていけば、そんな思いせんですむ!わいは今回皆にちょっかいかけたんは、罪喰いとしてもそうやけど、まず大前提として冒険者の先輩としてこれを伝えたかったからや!!」
爆音、そう言うのが分かりやすいだろうか。
冒険者300人の歓喜の叫びが重なると、それは爆音である。
一部の女性陣は氷点下の冷ややかな視線を飛ばしているが、多めに見てやって欲しいものである。
俺が頼んだメッセージの内容は、危うい冒険者がいたら色々教えてやってくれだ。それに対して、グレイルは極端に受け取めたのかも知れんが、結果手を取り合って、強大な敵に立ち向かう事を教えてくれたので万々歳である。
まぁ、逃げ回って落とし所を失ってしまっていたのは間違いなさそうだがな。
「ほんで、なんやダンジョンマスター様から、お前らに贈り物があるらしいで!」
は?
「ボクも聞いたよぉー!今日の為に用意してたんだって!!」
俺の横でシャラクもわけのわからん事を言い出す。
「私もそう聞いているな」
ツァバト!!お前こういうノリわからん奴だろうが!!
「みんなぁ!!これ凄いから楽しみにしてなさぁいっ」
さっきまで照れまくってた癖に、セクシーお姉さんに戻ったヴィオラもそんな事を言いはじめる。
てかなんの話しだよ。
「懐かしいのう、儂等が最後に見たんは確か…」
「ダンマスが頑張って作った雪だるまぶっ壊した時だぜ!!くりすます?とか言う日で、ブチ切れたダンマスが馬鹿でかいアイスゴーレム俺らに差し向けた時だぜ?燃えたよな団長!!」
「いや、ギルド長ではあるが、団長ではないのう」
「細けぇんだよハゲジジイ」
「あ゛ぁ?」
フェリアースのアスラとヤシャが漫才を始めているが、何がなんだかわからん。
なんの話をしてるんだコイツらは。
「バベル……お願いできませんか?マスター。レギオンレイド成功報酬の」
「はぁぁ!?なんでこんな娯楽でバベル出さなきゃならねぇんだよ!!」
バベルは言わば魔石のみで構築される天貫く魔石の塔だ。
高純度の魔石の塔を、制限時間内にガリガリ削ってDMを稼ぐ言わば某有名格ゲーの車ぶっ壊す感じのボーナスなんだが、本来は200層突破条件の特大ボスモンスター相手に死線を越えて、レギオン組んで乗り越えた奴らに与える特別報酬だ。
それをこんな所で………。
くそぅ。引くに引けん。
どぼちて……どぼちてもれが身銭を削って……。
「よぉぉおし!!お前ら!!今からレギオンレイド成功報酬バベルを贈る!!喧嘩しねぇで仲良く稼げよ!!」
《バベル発動に100000DP必要とします、よろしいですか?》
うん…。いいお。ブワッ。
《了解しました。泣かないで下さい。最高純度のバベルを用意しますので、現状の冒険者レベルでは大半はポイント戻って来るかと予測されます、それでは》
俺の心臓から、天を包み込むような翼を生やした美の結晶とも言える虹色の幼女が飛び出す。
罪喰いの面々はその幼女に膝をつき、祈りを捧げる。
『覇軍の塔発動』
澄み上がり思わず涙が溢れてしまいそうになる程に美しく、天使の歌声と共に銀鈴を奏でたかと錯覚させる美声が響き渡ると、相反して肉が蠢き命を授かったようなえげつない音を立てて天を貫く魔石の塔が聳え立つ。
皆一様に、時が止まったかのようコアの本当の姿に心を奪われ固まってしまっているが、バベルが発動すると共に、再びコアは俺の心臓へと消えて行く。
「さぁぁ!!冒険者諸君!!!力を合わせて己の糧とする為に!!バベルを破壊し手中に収めろ!!!!」
爆音の歓声が再び巻き起こり、冒険者達が必死でバベルに武具を振り続けるが、その殆どが弾かれているのが見てわかった。
だが……。
「あっはっは!!ボクも加勢するよ!!」
「私も久々のバベルだからな、本気を出そう」
「あらツァバト奇遇ね、私も本気出せてないから不完全燃焼なの」
「ほっほ、儂もちぃとばかし大人気ない事してやろうかの」
「よっしゃあ!!祭りだぜ!!祭りぃ!!」
「シリウス、後は頼んだで!!真っ二つにしてもうたれ!! 傲慢なる剣鬼」
「任せとけ、全て我らグランアースの罪喰いが戴く!!剣鬼の子守唄」
罪喰いの幹部の面々が突如参戦しバベルが中腹からへし折れるのを見て、俺は言葉を失ってしまった。
「やめろぉーーー!!!!」
『マスター、あの者達が関与するのであれば、時間内にバベルは残りません』
まぁ……楽しかったからいっか。
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