だんます!!
第十話 話のわかる政治家って貴重だよね?
【東京】ダンジョンマスターだけどなんか質問ある?Part32【迷宮】
0432 ゴブリンキラーシュガー@\(^o^)/
ダンマスー、あのメイズって冒険者ってチートじゃね?
0433 罪食いシシオ@\(^o^)/
ぜってぇそうだぜ!俺は間近であいつ見てるけど強すぎるだろ
0434 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
あえて匿名。だが私もメイズの強さは異常だと感じている。
0435 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
冒険者じゃない俺に教えてくれ。
メイズって奴の何が凄いんだ?
0436 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
てかメイズ云々の前に罪喰いとにゃんこ連盟の資金力異常だろ。
DMわけてくれよ
0437 †漆黒聖天†@\(^o^)/
メイズ伝説、記念病院の新ダンジョン10層で、他の冒険者がハウス引いてトレインかまして来た瞬間、第五位階闇魔法で殲滅。
0438 夜爪猫@\(^o^)/
罪喰いのボスはブッチーにゃん。けど、ブッチーはメイズに心酔してるにゃん
0439 ケットシー日向@\(^o^)/
ウチが見た感じでのTOP10
1 メイズ
2 夜爪猫
3 ブッチー
4 キイロ
5 漆黒聖天
6 松岡君
7 シシオ
8 黒足猫
9 ホリカワ
10 ガンジャ
0440 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
>>439
おいお前!自分入れ忘れてるぞ!!
キイロと順当だろうがモフ猫連!!
0441 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
日向の心臓抜きはえぐい
0442 罪喰い ホリカワ@\(^o^)/
シシオに負けるわけがない
0443 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
首刈り姫忘れてるらへんでモグリ
0444 くろあしにゃんこ@\(^o^)/
夜爪とブッチーどう考えても拮抗
0445 シンイーターシシオ@\(^o^)/
上等だやってやんよトカゲ野郎
0446 ダンジョンマスター
結果発表
1.メイズ
2.ブッチー.夜爪猫.龍アルガイオス王
3.漆黒聖天.モモカ
4.キイロ.日向
5.松岡君.黒足.シシオ
6.ホリカワ.ガンジャ
7.ヌプ蔵
8.ガシラ
9.シュバイン.アイリス
10.あんこきなこ.ダイゴ
0447 ベック@\(^o^)/
お疲れ様ですマスター
0448 明石家いわし@\(^o^)/
お疲れ様です!!
0449 ガシラ@\(^o^)/
お疲れ様です!!マスター!!
0450 夜爪猫@\(^o^)/
お疲れにゃますたー
0451 龍アルガイオス王@\(^o^)/
よっしゃあー!!やっとここまできたぜ!!
お疲れ様ですマスター!!!
0452 ヌプ蔵@\(^o^)/
しゃっす!!お疲れっす!!!
0453 ケットシーキイロ@\(^o^)/
おつでーすにゃん。
0454 ケットシー日向@\(^o^)/
おっつおっつですにゃにゃにゃ!
0455 シンイーターシシオ@\(^o^)/
やっぱりてめーら全員いたのか!
0456 ダンジョンマスター
メイズはチートじゃありません
0457 夜爪猫@\(^o^)/
嘘つくなにゃ!!!!
うーん、やりすぎたか。
けどあのまま放っておいたらみんな死んでただろうしな。
いきなり50匹ぐらいのゴブリンの群れに襲われたらこうなっても仕方ない。
仕方ないったら仕方ない。
まぁ、ダミーコア制御も無事とれたし、結果オーライなんだが……それよりもメールがやばい。
あのドラゴン教授の一件から国関係からの連絡がとめどない。
ここらで一回表に立つべきか…。
しかし総じて俺が前に立つ時は戦争に近い状態になる。
そう考えると、冒険者は1000を超えていた方が理想……はぁ、難しいな。
国の偉いさんみたいなんをコッチに引き込めたら一番やり易いんだがな……。
ファンタジーな他の異世界と違って、保守派の政治家が冒険者するわけないか……。
「コア、話のわかりそうな政治家はいるか?」
『はい、麻草太郎という名の政治家は個人の端末で応募しておりますね』
「ふーん。そいつのデバイス作ってくれ。いい奴だったら渡してみる。その後ラビリのアバターで転移させてくれ」
『了解しました。ダンジョンマスター正規アバター、ラビュラント・ガーディアン構築は完了しています。ダウンロード完了、インストール完了。では、転移します』
まぁ、とりあえず迷宮主流世界では一番ウケるゴージャスな超イケメンアバターであるとだけ言っておこう。
悪ふざけがすぎたが、キンキラキンのアラブ王的な感じだ。
藍色の髪に金色の瞳。
ぶっちゃけ、このアバターはカリッカリにチューニングしてるんで性能はぶっ壊れまくってる。
1500層クラスソロ余裕の本気のメイン垢って感じだと考えて貰えれば結構だ。
まさに、なんでもありを体現している。
とりあえずこのアバターを使う時は、外交関係や力を示す必要がある場合においては最高のパフォーマンスを演出指くれる。
交渉事に於いては最も信用できるアバターであると言っても過言ではない。
数ある通常アバターや特化型アバターなんかもあるが、もう一つだけ自重無しにポイントをつぎ込んだアバターもあるんだが、それは恐らくこの世界でも使用する機会はないだろう。
伏線的な物言いになってしまっているが無いったら無い。
さて、急ぎ早に段階を飛ばしまくっているが、すでに俺ってば麻草邸に来てしまっている。
今後、冒険者や迷宮など国内外と波紋が広がる中で、残すべき人材、切るべき人材の選定は、この段階から行っていても遅くないぐらいだ。
ぽちっとなピンポーン。
『はい麻草です』
「あぁ、こんちわ。自分ダンジョンマスターなんですけど太郎さんいます?」
『……アポ無しでのご来客は旦那様とはお取り次ぎできかねま……はい。何やらだんじょんますたーと仰っ、きゃっ!!』
何やらインターホンの向こう側で揉めているようだが大丈夫なのだろうか?? 声質からしてモロに妙齢の女性の『きゃっ』なんて誰得かわからん。
『すまない、今門を開ける。迎えを出すので待っていてくれないかい?』
「あぁ、お構いなく。勝手に上がりますから」
突然の来訪で驚かせて申し訳ないが、そこまで気を使われるのも面倒だからな。
「うぉーい!!こっちだ!!」
と思ったら、どうやらコアが映し出したビジョンの人と同一人物、言わば御本人の登場である。
こんな昼間に黒ガウン羽織ってハット帽ってこのおっさん中々ぶっ飛んでんな。シチリアマフィアにでも憧れてんのか?
「いやぁ、まさかマスター直々に来てくれるとはね。もしかして人間で君に会ったのは俺が初めてかい?」
「まぁ、日本に限ってはそうなるな。何故そう思ったんだ?」
「迷宮に関するニュースや掲示板は全部チェックしてるからね。もし、ダンジョンマスターが俺と接触するとしたら、メイズってTOP冒険者か、誰も知らないようなのが来ると思ってたからね。そして正解は後者だった。今や初期組のみならず、冒険者といや一大産業。ネットで調べりゃ196人の冒険者の写真は手に入る。だが、お兄さんは明らかに冒険者であるのに、その冒険者の中にはいない。ならダンジョンマスターの知られざる姿だと容易く考えれるだろう」
成る程……色々と事前に調べているようだ。
彼であれば有意義な対話が可能かもしれない。
「さぁ、ダンジョンマスター。俺に何をさせたい。俺は手足となるぜ?冒険者になるご褒美をぶら下げてくれるんならな」
「あなたとはいい話ができそうだ」
「吉か凶かってのはわかんねぇだろうがな。ささ、上がってくれ」
和洋折衷な和風の引き戸に大理石が敷き詰められた高級そうな玄関から上がり中に入ると、そこは高級ホテルの一室のようなリビングが広がっていた。
コア、この部屋の形状を記憶しろ。
《記憶しております。》
そうか。
とりあえずソファがフッカフカやぞって事しか俺は覚えられんがな。
まぁ、いい。本題に入ろう。
「さて、早速本題に入ろう。とりあえずこの先近い未来、冒険者派と日本人派でまず国が割れる」
「いや、割れないね」
「なに?」
俺のプランを一言目からこのおっさんは真っ向否定してきたのだが、まずは聞き手に回ってみようか。
「確かに、このままやれば国は割れる。それで結局冒険者側が主体となる。だがな、道筋が決まってるもんは川なら水が流れるし、電車なら目的の駅に着く。災害や事故がない限りな。だから言える。結局冒険者主体の日本になるなら国を割らずして其の形にしてしまえばいい」
「ほう、それはどうやって? 何度こちらでシュミレートしても争いは起きるのだがな」
「それは国内での冒険者の浸透を主眼に置いたシュミレーションじゃないのかい?」
当然日本国内の話をしているのだから海外は関係ない。その為に日本を纏めようとしているんだが、こいつは何を言っているんだ?
「まず、勝手に世界の主導権を握る。ダンジョンマスターが秋葉原でしたような電撃的な世界への参入。突如それが当たり前だと言い切る独断場。まさに冒険者デバイスを金で売るつもりだったと語った強行的で非情なスタイル。そのデバイスが無ければ日本が、いや今の平和が全て泡となる。その危機感を諸外国に出す」
「だが、日本が纏まる前からそれは良くないだろう。現状でも海外は冒険者を被検体として提出しろと言われているはずだ」
「良く知ってるな。いくらなんでも国民は差し出せんと突っぱねてる阿波さんはよくやってくれてるよ。けどな、ぶっちゃけ海外のやり方に日本政府はいい加減堪忍袋の緒が切れかかっちまってるのが実状だ。実はな」
麻草は葉巻をカットしてマッチでそれに火をつける。
いるか?と言ってくるがお断りしておこう。
「諸外国から救済支援として日本迷宮へ向けての出兵を試みている。それで奴さんは、こちらで数名の犠牲者を出して世界の危機と銘打って日本入りしようとしてるんだ」
「まさか」
「そう思うだろ?だが、中韓露なんかはノリノリだ。迷宮の周りに連合諸国の外人が常駐する基地を造り、日本を日本としてでなく、世界的に阻止すべき災害の発生地として処理していこうと動き出してる、まぁ結局は」
そこで麻草は引き出しから迷宮でのDMで交換できる金のインゴットを取り出し、テーブルの上にコトリと音を鳴らして置き、此方を見ながらに悪い笑顔を浮かべる。
「それは迷宮での資源を狙ってか?」
「当然だ。迷宮が現れてからすぐの頃に冒険者が売った金、こちらで把握しているだけでも2t近くの金が出てきたんだから騒ぐのは当然だろう。情報は筒抜けで、諸外国には魔物さえ狩れば無限に資源が得られると思われてるからな」
「まぁ、実際そうだがな。ゴブリン1匹で40万の計算だ」
「はぁぁ、とんでもないわな。そして現在、金が売られなくなったせいで、奴さん達はそれに変わる何かに変換されてると勘ぐってやがる。実際は皆、武器を買う為に必死だと言うのに、それを信じてはいないわけだ」
「まぁ、一億をざらに越える剣やら盾やらがあるとは思わんだろうしな。今でも初期組は1人あたり平均100匹はゴブリンを狩る。日当換算日本円で5000万は超えてくるからな。黄金に換算するなら、この一月で、30t以上は発掘されている計算になるからな」
「頭が痛いよほんと。まぁ、話は戻るが……」
麻草はリモコンを操作すると、部屋のカーテンは全て自動で閉じ、天井から照らされる光でテーブルの上に世界地図が映し出される。
そこに、引き出しから取り出した塔のようなミニチュアを並べていく。
なんだこのオシャレで遊び心のあるおっさん。
「やり方としては、それらのダンジョンを諸外国にまずプレゼントしてやるんだ。心配しなくてもダンジョンは世界中に現れますよってな」
「ほう、で、助けて欲しけりゃって脅すのか?」
「いや、日本のダンジョンマスターとは関係の無い、新たなダンジョンとして、ダミーのダンジョンマスターを添える。そんな事はできるか?」
「あぁ、可能だ。むしろ容易い」
その世界各国に置いた塔の横に黒い人間を並べて行くと、一つの事に気付く。
ダンジョンの配置位置が、世界各国の大型の港ばかりだ。
「海を止めるのか?」
「流石だなダンジョンマスター。そうだ、海を制する。秋葉原の封鎖ダンジョンのように、危険性の高いダンジョンを配置し、輸出入を封鎖する。だが、勘ぐられないように、少しずつだ。そうして俺が手回しをして時間を稼ぐと……」
机上の海が黒く染まり、日本の上に塔をいくつもならべ、大昔のRPGのような、勇者の人形が置かれる。
「日本が主体の構図が出来上がると…だが麻草、何故お前は俺が日本側だと考えた?たまたま日本だったかもしれないだろ?」
麻草は肩透かしを食らったようにおどけて笑い、葉巻の火を消すと悪い笑みを浮かべる。
「まぁ、こう見えても麻草グループの総帥だからな。ダンジョンマスターが日本を思っているなら、俺に会いに来てくれるって信じてたのさ」
「……ほう、お前は面白いな。よしわかった、よろしく頼むよ」
詳しくは知らんが、こいつは謎の自信に満ち溢れている。
暇つぶしになりそうなんで暫く遊んでみよう。
「じゃあとりあえずここ住むわ!」
「はぁ?!」
とりあえず協力関係にあるのだからそれぐらいは必要だろう。
こんなかっこいい家なら住みたくなるのは当然だ。
オプションの変なおっさんは要らんが、使える男であるからな。
亜空間の六畳一間のマイハウスよりは俺に似合ってるだろう?
 
んで、そんなこんなで数日過ぎた。
「おらっ!!あっ!!ちょ!あーー!こら太郎!なんだこのクソゲー!!なんで先住民がこんなデカイモンスター狩るんだよ!!」
「この名作をクソゲーだとゴラ!あ゛ぁ!? 才能無ぇんだから早くダンジョン造ってくれよ!そんな初級の敵に勝てねぇんだからよぉ!!」
ここ数日、俺は麻草邸に入り浸っている。
そりゃあもう自分の家かのように。
この家はなんでもある。
なんかないかなって思えばなんでもあるのだ。
だから今だけフォーマットの操作権限を渡して太郎ちゃんにダンジョン造りをさせてるんだが酷いったらありゃしない。
フロアの広さと構造を計算してリポップを設置しないからシュミレーションで動かしたらミニチュアのゴブリン達が異常繁殖して殺し合いの共食いだ。
狭いなら区画を大量に、広いなら距離をとって。
これ基本だ。まぁ、造った事はもちろん潜った事すらないんだから仕方ないわな。
一例としては、ラーメン屋跡地のダンジョンは蠱毒のような状態で殺し合い共食いを繰り返しゴブリンが異常繁殖し、更には進化すら遂げているんだが、これは俺が基本に則ったダンジョン造りが出来ている証拠だ。
いいダンジョンは封鎖すると種の進化が見られるが、悪いダンジョンは絶滅する。
太郎ちゃんのダンジョンは明らかに後者だ。
何故狭い路地にリポップ魔法陣を3つも置くんだろうか。
「だから言っているだろ太郎。ドーム型のモンスターハウスでいいじゃないか。どうせ隣の中国への設置だろ?」
「それじゃ攻撃だと勘ぐられかねんだろう」
「あー、めんどくさい。それじゃあまず普通の初心者用ダンジョンを設置してみよう。ポイントは山ほどあるし、マッピングも終わってるから直ぐに設置できるはずだ」
太郎は口を閉じて泣きそうな顔をするが、ジジイ寄りのおっさんが可愛くいじけてもしばきたくなるだけって不思議を知る事ができた。
「この天津って港湾に設置したらいいんだろ?」
「いや、中国の場合はまず北京にしよう。丁度反日80周年式典みたいなのをする頃だからな、そこにダンジョンを出現させて混乱、そして混乱に乗じて大型貨船が入港できる港は全て押さえる…できるか?」
そう考えるなら、実質中国は海を失う。
これはかなりの痛手だろう。
しかし問題もあるだろう。
「容易い……容易いが隣国ばかり攻めると、こちらから派生したと考えられるんじゃないのか?」
「そこが狙いだ。常に世界の注目を近隣に集めつつ、対応を間に合わせずに広げて行く、日本を叩くと自国の処理に追われる。この状況を作り出せればいいんだ」
「成る程な。実に面白い。まぁ、とりあえずお隣さんと遊んでみるか」
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