Bouquet of flowers to Messiah
As a doctor as the Messiah
「...なぁ、前々から思ってたんだけどさ」
「なんだよ」
雛森の任務が終わって医務室で手当てをしている時だった。
「お前、黒咲に対して過保護すぎじゃね?」
「...はぁ?」
俺個人としては過保護にしてきたつもりは無い。元々俺達は特殊と言えば特殊だ。でも俺はそれに甘えてきたつもりは一切ない。
「...根拠は」
「お前、黒咲が任務から戻ってきたあと甘やかしすぎて怪我ひとつで過保護すぎなんじゃねぇのかって話だ」
「怪我なんか昔からだろ。梓音は梓音だ」
「...無自覚こわ...」
「ほら終わり。こっちは仕事があるんだからさっさと部屋に戻れ」
そう言って雛森を外に追い出す。
過保護、か...。
正直思い当たらない節はない。
任務がある時は平気なように見せかけてかなり心配だし、帰ってきた時は怪我ひとつでも心配になっていた。
だが、それも少し前までの話で、今となってはそんなに心配もしていない。
...が。
そう見えているんだろう。
実際梓音に構ってやれるほど暇じゃない。だが、梓音に頼りすぎていたのも事実だ。
「...少し離れてみるか」
少し前にドクターから長期で研修に出ないかと言われていた。
今は昴もいるし、ドクターも帰ってきた。
少しなら離れてみても問題は無いだろう。最近梓音も百瀬さんに特訓されているし、離れて違うことを考えるのにはちょうどいい。
許可を得て研究に没頭した。それはもう梓音の事を考える暇がないほどに。
だがふと過ぎるのだ。
梓音は大丈夫なのだろうか、と。
それから1年とはみ出した程度で俺はチャーチに戻った。梓音は任務でまだ帰ってきていないらしい。
「よぉ、おかえりー」
「...お前に出迎えられることほど嫌なものはないぞ、雛森」
「つれねーなー?」
俺は久しぶりの自分の居場所に向かう。
何ら変わらない場所は居心地がよかった。
...ここに梓音がいたら。
いやいや、帰ってきた時に迎え入れればいい。ひと回りもふた回りも成長した梓音を見るのが楽しみだ。
俺は敢えていつ帰ってくるのかを聞かなかった。聞いてしまっては楽しみがなくなる。
帰ってくるまでは自分の仕事をこなすまでだ。怪我人の治療、ワンダリングの管理、学会研究。やることは山積みだ。
そうして少し過ごしてきて、いつもの通りに書類に目を通すと扉が開いた。そこには、中身が変わっても笑う顔は一切変わっていない、俺のメサイアがいた。
「...久しぶり、ただいま雪」
そして俺はそれを笑って迎えるのだ。
「...おかえり、梓音」
「なんだよ」
雛森の任務が終わって医務室で手当てをしている時だった。
「お前、黒咲に対して過保護すぎじゃね?」
「...はぁ?」
俺個人としては過保護にしてきたつもりは無い。元々俺達は特殊と言えば特殊だ。でも俺はそれに甘えてきたつもりは一切ない。
「...根拠は」
「お前、黒咲が任務から戻ってきたあと甘やかしすぎて怪我ひとつで過保護すぎなんじゃねぇのかって話だ」
「怪我なんか昔からだろ。梓音は梓音だ」
「...無自覚こわ...」
「ほら終わり。こっちは仕事があるんだからさっさと部屋に戻れ」
そう言って雛森を外に追い出す。
過保護、か...。
正直思い当たらない節はない。
任務がある時は平気なように見せかけてかなり心配だし、帰ってきた時は怪我ひとつでも心配になっていた。
だが、それも少し前までの話で、今となってはそんなに心配もしていない。
...が。
そう見えているんだろう。
実際梓音に構ってやれるほど暇じゃない。だが、梓音に頼りすぎていたのも事実だ。
「...少し離れてみるか」
少し前にドクターから長期で研修に出ないかと言われていた。
今は昴もいるし、ドクターも帰ってきた。
少しなら離れてみても問題は無いだろう。最近梓音も百瀬さんに特訓されているし、離れて違うことを考えるのにはちょうどいい。
許可を得て研究に没頭した。それはもう梓音の事を考える暇がないほどに。
だがふと過ぎるのだ。
梓音は大丈夫なのだろうか、と。
それから1年とはみ出した程度で俺はチャーチに戻った。梓音は任務でまだ帰ってきていないらしい。
「よぉ、おかえりー」
「...お前に出迎えられることほど嫌なものはないぞ、雛森」
「つれねーなー?」
俺は久しぶりの自分の居場所に向かう。
何ら変わらない場所は居心地がよかった。
...ここに梓音がいたら。
いやいや、帰ってきた時に迎え入れればいい。ひと回りもふた回りも成長した梓音を見るのが楽しみだ。
俺は敢えていつ帰ってくるのかを聞かなかった。聞いてしまっては楽しみがなくなる。
帰ってくるまでは自分の仕事をこなすまでだ。怪我人の治療、ワンダリングの管理、学会研究。やることは山積みだ。
そうして少し過ごしてきて、いつもの通りに書類に目を通すと扉が開いた。そこには、中身が変わっても笑う顔は一切変わっていない、俺のメサイアがいた。
「...久しぶり、ただいま雪」
そして俺はそれを笑って迎えるのだ。
「...おかえり、梓音」
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