Bouquet of flowers to Messiah

有賀尋

Disappear shout out and wait for the dawn

伊織が目の前にいる。でもその伊織はメサイアコートを着ていない。
来ているのは北方の服。見たこともあるし、戦ったことも、殺したこともある。

そして伊織は俺に銃を向ける。

それは確かに俺に向けられた伊織からの「殺意」。そして「虚無の目」。

もう俺は立つことも出来ない。
血を流しすぎた。目の前がぼやける。

伊織に伸ばした手は届くことなく宙をさまようだけ。

「...伊...織...」
「...死ね」

冷たく放たれた言葉を最後に、俺は意識が消えた。



「...もる、衛...!」

はっと目が覚めて起きるとそこはただのチャーチの部屋。

...夢...?

心なしか呼吸が早くて苦しい。

「大丈夫ですか、衛?魘されていましたが…」
「...大丈夫、ごめん...」

ゆっくり呼吸をすると落ち着いてくる。大丈夫、伊織はここにいる。


......それが正夢になるだなんて思いもしなかった。

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