Bouquet of flowers to Messiah
Saving is the light of the Moon 2
「...ん...」
僕は目を覚ますとそこは真っ暗で何も見えなかった。起き上がると頭が痛む。僕は後頭部を抑えた。
「っ...って...ここは...?」
「やーっとぉ目が覚めたぁ?」
その声に痛みを忘れて顔を上げる。
目の前には王様が座るような玉座に座った雪と、その後ろにフードを被ったあの人がいた。
「...雪!」
「僕なんかよりぃ、ずーっとずーっと強い、深くて暗い絶望なんて初めてだよぉ。それを知りながらぁ本当によく堕ちなかったよねぇ、感心するよぉ」
僕じゃない手が雪の頬を撫でる。そいつの目は砂漠にオアシスを見つけた人間みたいに飢えた目で見ているに違いない。雪が嫌いな目だ。それでも雪は何も反応しない。
「...雪に何をした」
「何をしたぁ?...そうだなぁ、このbaby birdにはぁ、悪夢を生み出す存在になってもらおうかなぁって思ってぇ」
「...なんで...なんでそんなこと!」
「君はメサイアなんだよねぇ?...分からなかったのぉ?苦しんでるのにさぁ?それとも知らないふりぃ?」
「...苦しんでた...?...雪が...?」
薄々気がついてはいた。いつも何かを隠してる、ふざけたくらいに明るい雪でも、たまに暗い顔をする。声をかけたらいつもの顔に戻ってしまう。
どう声をかけていいかわからなくて、いつか話してくれるとそう思って言わずにいたのに。
それを...僕は見て見ぬふりをした...?
「そうだよぉ、雛森雪は苦しんでたよぉ?眠っている五年間はぁ、見てた悪夢から逃れられてなくてぇ?いくら君がいたところでさぁ?完全にはその心に刺さった棘は抜けなかったんだよぉ?」
僕の知らない5年間...?
やっぱり僕は...ダメだったの...?
「陰で密かに苦しんでぇ、それでも雛森雪が笑っていたのはさぁ?ぜーんぶ君の為なんだよぉ?…まあ?雛森雪自身がぁ、自分に言い聞かせていたのもあるけどねぇ?尋がいれば大丈夫、耐えられるってさぁ、強がっちゃってさぁ?バカだよねぇ?」
笑ってたのは...僕のため...?
僕が不安にならないように笑ってたの...?どうして...?
「そうやってさぁ、棘に蓋をしてぇ?見て見ないふりをしてぇ?そして君はそれに甘えきったよねぇ?いつか話してくれるだろうってさぁ?なぁんにも行動に移さなかったよねぇ?その結果がこれだよねぇ?」
見て見ぬふりをした僕のせい。
強引にでも聞けばよかったのかな。
聞いても答えてくれないのに...?
「ずっと、ずーっとだよぉ。雛森雪の心はねぇ、血を流していたのにさぁ、ちょーっとつついただけでぇ呆気なく堕ちてきたよぉ?だからこの雛鳥はねぇ、僕よりも強い悪夢を生み出す存在になるよぉ?」
...反論できない。
確かに僕は見て見ぬふりをした。雪がいつも笑ってた。暗い顔をしていたのを知っていたのに。雪が笑って「なんでもない」って言うから。それでいいと思ってた。
...ちょっと待って。
僕、雪のせいにしすぎじゃない...?
雪の事ちゃんと見てたの?「なんでもない」に流されてちゃんと見てなかったんじゃないの?
流してたのは雪じゃない。
紛れもなく僕だ。
ごめん、ごめんね、雪...!
「...雪と話をさせて」
「寝てるけどねぇ?」
「いいから、話をさせて」
そう言うとそいつは少し離れた。
僕は玉座にそっと近づく。そして雪に跪いて手を握る。
「...雪」
呼びかけるとうっすら目を開けてくれた。その目は真っ暗で光がなかった。
「...尋...?」
「...雪、ごめんね。...僕、雪の事ちゃんと見てなかった。雪がいつもなんでもないってごまかしてたのに、僕はそれを見て見ぬふりをして、雪と向き合うことをしなかった。雪が抱えてる棘を、分かろうとしなかった。それを僕は雪が教えてくれないからだって雪のせいにした。教えてくれないのはわかってたけど、それでも雪と、雪の抱えてる棘と向き合わなきゃ、受け入れなきゃいけなかったのに」
「...尋...」
「ねぇ、雪。1人で抱え込むのはやめてよ。お願いだから...1人でなんでも抱え込もうとするのはやめてよ。頼りないかもしれないけど、僕がいるんだよ?僕にも教えてよ、雛森雪を分からせてよ。雪は何を抱え込んでるの?何を1人で苦しんでるの?眠っていた5年間、どんな悪夢を見ていたの?...全部全部受け止めるよ。だから教えてよ」
そして雪は一瞬躊躇った後にゆっくり話し始めた。
僕は目を覚ますとそこは真っ暗で何も見えなかった。起き上がると頭が痛む。僕は後頭部を抑えた。
「っ...って...ここは...?」
「やーっとぉ目が覚めたぁ?」
その声に痛みを忘れて顔を上げる。
目の前には王様が座るような玉座に座った雪と、その後ろにフードを被ったあの人がいた。
「...雪!」
「僕なんかよりぃ、ずーっとずーっと強い、深くて暗い絶望なんて初めてだよぉ。それを知りながらぁ本当によく堕ちなかったよねぇ、感心するよぉ」
僕じゃない手が雪の頬を撫でる。そいつの目は砂漠にオアシスを見つけた人間みたいに飢えた目で見ているに違いない。雪が嫌いな目だ。それでも雪は何も反応しない。
「...雪に何をした」
「何をしたぁ?...そうだなぁ、このbaby birdにはぁ、悪夢を生み出す存在になってもらおうかなぁって思ってぇ」
「...なんで...なんでそんなこと!」
「君はメサイアなんだよねぇ?...分からなかったのぉ?苦しんでるのにさぁ?それとも知らないふりぃ?」
「...苦しんでた...?...雪が...?」
薄々気がついてはいた。いつも何かを隠してる、ふざけたくらいに明るい雪でも、たまに暗い顔をする。声をかけたらいつもの顔に戻ってしまう。
どう声をかけていいかわからなくて、いつか話してくれるとそう思って言わずにいたのに。
それを...僕は見て見ぬふりをした...?
「そうだよぉ、雛森雪は苦しんでたよぉ?眠っている五年間はぁ、見てた悪夢から逃れられてなくてぇ?いくら君がいたところでさぁ?完全にはその心に刺さった棘は抜けなかったんだよぉ?」
僕の知らない5年間...?
やっぱり僕は...ダメだったの...?
「陰で密かに苦しんでぇ、それでも雛森雪が笑っていたのはさぁ?ぜーんぶ君の為なんだよぉ?…まあ?雛森雪自身がぁ、自分に言い聞かせていたのもあるけどねぇ?尋がいれば大丈夫、耐えられるってさぁ、強がっちゃってさぁ?バカだよねぇ?」
笑ってたのは...僕のため...?
僕が不安にならないように笑ってたの...?どうして...?
「そうやってさぁ、棘に蓋をしてぇ?見て見ないふりをしてぇ?そして君はそれに甘えきったよねぇ?いつか話してくれるだろうってさぁ?なぁんにも行動に移さなかったよねぇ?その結果がこれだよねぇ?」
見て見ぬふりをした僕のせい。
強引にでも聞けばよかったのかな。
聞いても答えてくれないのに...?
「ずっと、ずーっとだよぉ。雛森雪の心はねぇ、血を流していたのにさぁ、ちょーっとつついただけでぇ呆気なく堕ちてきたよぉ?だからこの雛鳥はねぇ、僕よりも強い悪夢を生み出す存在になるよぉ?」
...反論できない。
確かに僕は見て見ぬふりをした。雪がいつも笑ってた。暗い顔をしていたのを知っていたのに。雪が笑って「なんでもない」って言うから。それでいいと思ってた。
...ちょっと待って。
僕、雪のせいにしすぎじゃない...?
雪の事ちゃんと見てたの?「なんでもない」に流されてちゃんと見てなかったんじゃないの?
流してたのは雪じゃない。
紛れもなく僕だ。
ごめん、ごめんね、雪...!
「...雪と話をさせて」
「寝てるけどねぇ?」
「いいから、話をさせて」
そう言うとそいつは少し離れた。
僕は玉座にそっと近づく。そして雪に跪いて手を握る。
「...雪」
呼びかけるとうっすら目を開けてくれた。その目は真っ暗で光がなかった。
「...尋...?」
「...雪、ごめんね。...僕、雪の事ちゃんと見てなかった。雪がいつもなんでもないってごまかしてたのに、僕はそれを見て見ぬふりをして、雪と向き合うことをしなかった。雪が抱えてる棘を、分かろうとしなかった。それを僕は雪が教えてくれないからだって雪のせいにした。教えてくれないのはわかってたけど、それでも雪と、雪の抱えてる棘と向き合わなきゃ、受け入れなきゃいけなかったのに」
「...尋...」
「ねぇ、雪。1人で抱え込むのはやめてよ。お願いだから...1人でなんでも抱え込もうとするのはやめてよ。頼りないかもしれないけど、僕がいるんだよ?僕にも教えてよ、雛森雪を分からせてよ。雪は何を抱え込んでるの?何を1人で苦しんでるの?眠っていた5年間、どんな悪夢を見ていたの?...全部全部受け止めるよ。だから教えてよ」
そして雪は一瞬躊躇った後にゆっくり話し始めた。
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