部の中心的な弓道部員だった私が異世界に転生したら長耳族でした
第一話 「転生」
一体これはどういう事だろう。家に帰る為に駅で電車を待っていたら、後ろからドンッと押され、線路に落ちた。私が慌てて今さっきまで私が立っていた位置を確認したら、先輩が私を見下ろし、嫌な笑みを浮かべていた。その時、先輩が何かを言っていたが、電車の駆動音に掻き消され、聞き取れなかった。そして次の瞬間とんでもない衝撃が私にぶつかった。
_____________
一体これはどういう事だろう。私はあの後どうなったのだろう。考えてるだけで、知ろうとはしてないけど。気付いたら真っ暗な空間に居るし。どこだろう。ていうか私は本当にどうなったの?
「貴方は電車に轢かれて即死したんですよ、弦橋美玲さん」
ふと男の人の声がした。声のする方に振り向くとそこには煌めかしい男が立っていた。ていうか、けっこう美形だ。ううん。今はそうじゃなくて!
「そう…私死んだんだ。…ていうか貴方なんで私の名前を知ってるの!?」「そりゃ神ですので」「はぁ?大丈夫?」「はははは!確かにそうなりますよね!いきなり神を名乗る男が現れたら誰でもそうなりますよ!」
男が大声で笑う。神とか言う者は信用出来ない。お母さんが私を難関高校合格に導く為にひたすら神頼みしてたけど高校合格したのは勉強したからだと思っている。神なんて居ないのだ。
「まぁいいや…。貴方が神だとすればなんで先輩が私を突き落とす様な真似をしたのか分かるよね?なんで?」「えぇ勿論。貴方の先輩は貴方の立ち位置が気に入らなかったんですよ。入学したばっかりの癖に持ち前の明るさと顔の広さで周りから好かれる中心的な立ち位置に」「そんな理不尽な」「そうですねぇ。まあでも貴方の所属している弓道部でも一年の貴方が中心になってしまうと先輩の面目がたたんでしょう。貴方が幾ら全国十六位の記録を持っていても先輩は先輩ですしねぇ」「まあ確かに」「故に先輩という座、権力をないがしろにしないよう、貴方という邪魔者を葬った訳です!」
成る程。それならしょうがないな。私が出しゃばり過ぎたって事だろう。うんうん。一年の分際で出しゃばってくるとか生意気このうえ無いしね。しかし…殺す事はないでしょうよ。はぁ、もう。もっと永く生きたかったなぁ。16歳で天国とか嫌だよ本当。
「おや?おやおやおやおやぁ?えらくしんみりしましたねえ?」「そりゃあこんな若くして死ぬなんて…辛くない?」「辛いですよねそりゃあ。」
神は普通に答えた。こいつの対応がムカつく。そんな事を思っていたら、彼は私の肩に手を置き、こう言った。
「大丈夫です。貴方の様な方達の為の私達ですから」「えっ?」「要するに!貴方の様な不慮の事故で若くして死んでしまった者達に第2の生を与えようと言うのです!!」
神はビシィっと私に指を指した。 あれ?この展開本かなんかで見た様な。あっ、主人公が交通事故とかで死んで神様の所に行ってチート能力貰って異世界転生する奴だ!
「もしかして異世界転生?」「その通り!流石に元の世界に再び生まれるのは嫌でしょう。親の顔とかが偶然見えた時、いたたまれないでしょうしね」「それってチート能力貰えたりするの?」「ちーと能力?いえいえ貰えませんよ。そんな物を易易と渡せるものですか」
おぉ?意外だ。貰えないのか。てことは死ぬ可能性もあるのか。まぁいいか。
「んで、転生します?」「うんする!異世界には興味があるの!」「よろしい。では転生先を探しますので少々お待ちくださいねぇっ」
そう言って神は暗闇に消えていった。チート能力は貰えないが異世界で暮らせる。うん。楽しみだ。一体どんな所だろうか?出来れば弓が使えるといいな。弓道部員ですし。わくわくする。少しすると神が戻ってきた。
「転生先が見つかりましたよ」「えっどこ!?」「ちょっとそれは教えられませんねぇ。楽しみは取っておきたいでしょう?」「確かに」「はい。それじゃ早速飛ばしますね。決して死んではだめですよ。2度の転生は出来ませんので」「はーい」「それでは異世界生活、最期まで楽しんで下さいね!前世では味わえなかった事も楽しむ様に!」
その言葉を最後に、私は光に包まれた。
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一体これはどういう事だろう。私はあの後どうなったのだろう。考えてるだけで、知ろうとはしてないけど。気付いたら真っ暗な空間に居るし。どこだろう。ていうか私は本当にどうなったの?
「貴方は電車に轢かれて即死したんですよ、弦橋美玲さん」
ふと男の人の声がした。声のする方に振り向くとそこには煌めかしい男が立っていた。ていうか、けっこう美形だ。ううん。今はそうじゃなくて!
「そう…私死んだんだ。…ていうか貴方なんで私の名前を知ってるの!?」「そりゃ神ですので」「はぁ?大丈夫?」「はははは!確かにそうなりますよね!いきなり神を名乗る男が現れたら誰でもそうなりますよ!」
男が大声で笑う。神とか言う者は信用出来ない。お母さんが私を難関高校合格に導く為にひたすら神頼みしてたけど高校合格したのは勉強したからだと思っている。神なんて居ないのだ。
「まぁいいや…。貴方が神だとすればなんで先輩が私を突き落とす様な真似をしたのか分かるよね?なんで?」「えぇ勿論。貴方の先輩は貴方の立ち位置が気に入らなかったんですよ。入学したばっかりの癖に持ち前の明るさと顔の広さで周りから好かれる中心的な立ち位置に」「そんな理不尽な」「そうですねぇ。まあでも貴方の所属している弓道部でも一年の貴方が中心になってしまうと先輩の面目がたたんでしょう。貴方が幾ら全国十六位の記録を持っていても先輩は先輩ですしねぇ」「まあ確かに」「故に先輩という座、権力をないがしろにしないよう、貴方という邪魔者を葬った訳です!」
成る程。それならしょうがないな。私が出しゃばり過ぎたって事だろう。うんうん。一年の分際で出しゃばってくるとか生意気このうえ無いしね。しかし…殺す事はないでしょうよ。はぁ、もう。もっと永く生きたかったなぁ。16歳で天国とか嫌だよ本当。
「おや?おやおやおやおやぁ?えらくしんみりしましたねえ?」「そりゃあこんな若くして死ぬなんて…辛くない?」「辛いですよねそりゃあ。」
神は普通に答えた。こいつの対応がムカつく。そんな事を思っていたら、彼は私の肩に手を置き、こう言った。
「大丈夫です。貴方の様な方達の為の私達ですから」「えっ?」「要するに!貴方の様な不慮の事故で若くして死んでしまった者達に第2の生を与えようと言うのです!!」
神はビシィっと私に指を指した。 あれ?この展開本かなんかで見た様な。あっ、主人公が交通事故とかで死んで神様の所に行ってチート能力貰って異世界転生する奴だ!
「もしかして異世界転生?」「その通り!流石に元の世界に再び生まれるのは嫌でしょう。親の顔とかが偶然見えた時、いたたまれないでしょうしね」「それってチート能力貰えたりするの?」「ちーと能力?いえいえ貰えませんよ。そんな物を易易と渡せるものですか」
おぉ?意外だ。貰えないのか。てことは死ぬ可能性もあるのか。まぁいいか。
「んで、転生します?」「うんする!異世界には興味があるの!」「よろしい。では転生先を探しますので少々お待ちくださいねぇっ」
そう言って神は暗闇に消えていった。チート能力は貰えないが異世界で暮らせる。うん。楽しみだ。一体どんな所だろうか?出来れば弓が使えるといいな。弓道部員ですし。わくわくする。少しすると神が戻ってきた。
「転生先が見つかりましたよ」「えっどこ!?」「ちょっとそれは教えられませんねぇ。楽しみは取っておきたいでしょう?」「確かに」「はい。それじゃ早速飛ばしますね。決して死んではだめですよ。2度の転生は出来ませんので」「はーい」「それでは異世界生活、最期まで楽しんで下さいね!前世では味わえなかった事も楽しむ様に!」
その言葉を最後に、私は光に包まれた。
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