日向ちゃんは甘えたい!

神崎律

14︰ホウカゴ



〈兵藤陸〉〈某ファミレス〉

俺は今、重大な危機に直面している。
来週、この神代学園で期末テストがあるのだ。

それによってテスト勉強をするためにファミレスにくる学生も多い。俺達もその手の連中だ。


そしてこのテストで赤点を取るとその次の週にある修学旅行に影響がでるらしい。



いや、別に俺が頭悪いとかじゃないぞ?
いつもクラスの上位5人には入ってるし。

ただ問題は…


「りっくんさん!私に勉強を!教えてください!」
  

そう。我が愛すべき彼女、日向絵里さんだ。


彼女はとてもとてもすごい伝説を毎回のテストで出している。

彼女は毎回のテストで各教科毎回同じ点をとるのだ。

国語40
数学100
世界史40
英語100
物理40

ちなみに我が校の赤点ラインは40点である。

もう1回言う。40点だ。

てかなんで赤点ギリギリが3教科あるのに残り教科満点なんだよ。おかしいだろ…
バランス悪いすぎぃ…

陸「絵里さんよぉ、いつもいつも教えても大変な点じゃないですか。」


そう、毎テストの度に俺がかなり教えてるのにこんな調子だ。


絵里「いやぁ、りっくんに教えてもらってなかったらもっと酷いと思うな?エヘヘ」

そう言って彼女は恥ずかそうにこちらを見る。
アホなのか?

絵里「それに、りっくんは私が苦手なとこ得意だし!」


陸「いや、俺の苦手もお前よりは軽傷だぞ?」


絵里「ですよねぇ、私なんて点悪かったら先生に補習を頼んでなんとかしてるし!」

と、彼女は得意げに言った。


陸「なんで堂々としてるんだよ、悲しくなるからやめよ?」


絵里「うぅ…とにかく!今回もお願いします!」 


陸「はいはい、」


と言ってもなかなか困る。

小学校の時の俺は
国語はライトノベルで磨かれ、
算数はシャ〇バで感覚をつかみ、
英語は洋ゲでなんとなく覚え、
世界史はF〇Oでマスターし、
物理に至っては直感でやり過ごしてきたのだから。

ゲームやラノベでの経験が俺を作ってる。
それをどう教えればいいかなんてなかなか難しいのだ。

しかしそれを何とかするのが俺だ。
今回こそ、このバランスブレイカーを攻略する!

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