日向ちゃんは甘えたい!

神崎律

13︰ドキドキ



〈兵藤陸〉

絵里と公園でのキスから次の朝、彼女は珍しく家に来なかった。

高校に入ってからだと初めてじゃないか?


いつものように身支度をすませ、朝食の準備をしている時に彼女はきた。

絵里「あ、りっくん、おはよ。」


その時の彼女は元気がないというか、心ここにあらずというか、とにかく、彼女の中に何かがなかった。


陸「あぁ、おはよ?」


そう言って俺は彼女の分の飯を作り、一緒に食べた。


陸「あの、絵里?昨日の夜なんかあったか?」


絵里「・・・・・・なんにもないよ?」


妙に間があったな…なんかあったのか。


陸「そ、そっか、あ、そろそろ学校行くぞ!」


絵里「・・・うん、そうだね。」




〈学校〉〈教室〉


海斗「おはよ、陸〜」
 
陸「ん、おはよ。」

海斗「なんか嬉しそうだな、なんかいいことでもあったの?」

陸「う、嬉しそう?なのか?」

海斗「うん、幸せそうな顔してらっしゃる」


陸「ソ、ソウデスカ」
 
な、なんだ、幼馴染ってそんなこともわかんのか?

海斗「反応的に絵里ちゃんとなんかあったのかな?」


・・・とりあえず昨日の公園でのことは海斗には教えたくないな。絶対にいじられる・・・


陸「いや、べ別に」

海斗「ふーん?てっきり俺はお二人さんがキスでもしたのかと。」

なんだコイツ!エスパーか!?

・・・最悪こいつを殺るしかなさそ…

陸「な、なんでそんな結論になるんだよ。」


海斗「いやぁさっきから絵里ちゃんがこっちをチラチラ見てるからてっきり事後なのかと、」

ホントだ! 
絵里が何か言いたそうな目でこちらを見ている!

陸「ホントだ…てか事後とかいうな、人聞きが悪いだろ。」


海斗「それもそうだね。で、どうなの?」

陸「いや、まぁ、うん。」


海斗「ふーん、何となく察したよ。」

陸「あぁ、」

俺らの間にそれ以上の会話はなかった。




〈日向絵里〉

さっきから2人は何話してるんだろ…
昨日の公園での事からいつも以上にりっくん
が気になる…
もし昨日のキス、りっくんが嫌だったらどうしよ…
嫌われたくないなぁ…


恵「えーり、どーしたの!」

絵里「あ、いやなんでもないよ?」


恵「そうは見えないんだけど?」


絵里「えー?そうかなー?」

恵「うん、すごく幸せそうな顔してるよ?」

絵里「そ、そうかな?」


恵「うん。」

絵里「まぁ、最近は色々な事があったから!」
 
恵「あっ…察したよ、幸せにね。」

絵里「うん!」


恵「絵里は恋に奥手な子だと思ってたから意外だよ。成長したね。」

そう彼女は言い残して自分の席に戻っていきました。


・・・とりあえずりっくんの気持ちが知りたいな…なんか方法ないかな〜

そう思って、私はスマホを開いて、ある人物にメッセージを送った。





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