日向ちゃんは甘えたい!

神崎律

10︰ボクラノ



〈兵藤陸〉

例の買い物をした次の日の学校で事件は起きた。

今日は絵里は成瀬と登校するとの事で俺は海斗と学校に来ていた。

海斗「いやぁー、なんか昨日から元気ないですね〜陸さん?」

こいつ…まだ昨日のことを…

陸「おいおい、その借りなら返しただろ?」

海斗「まぁまぁ、陸が俺に頼るなんてなかなかレアだからさぁ〜」

そう言って海斗は俺を挑発するように見つめている。


そしてクラスについた時、異変に気づいた。


海斗「今日、なんかいつもより騒がしくない?」


陸「そうか?いつもこんな感じじゃね?」


そう言い辺りを見回すとクラスの女子がやたら俺たちを見ている。


海斗「陸なんかした?」

陸「いや、特になんにも」

海斗「まぁ、陸の場合何もしなさすぎの可能性もあるから怖いんだよね。」 


陸「やめろ。不安を煽らないでくれ…」


そんな話をしていると1人の女子が立ち上がりこちらに来た。


クラスの委員長の井原彩香さんだ。


彩香「ねぇ、葛城君。ちょっと話があるんだけど」


なんだ、海斗に用か。イケメンは死ね…
いや、なんでもない。ホントに。

海斗「ん?どうしたの?」


彩香「葛城は兵藤くんと仲いいよね?付き合ってるの?」


海斗・陸「・・・はい?」


その問いかけについて正直よくわかんなかった。いや、分かりたくなかった。


彩香「実は、昨日坂本さんと買い物と買い物に行ってる時に見ちゃったんだよね。あなた達2人が買い物して、スタバに行ってるとこ。」


・・・そこまで言われてもなぁ。
別に男2人で買い物してもスタバ行っても良くない!?


陸「えーっと、ただ買い物してスタバ行っただけだよ?」


そう言った途端、彼女のスイッチが入ったらしく、こちらを睨んだ。



彩香「あのね、男2人で出かけてたら女子としては、期待しちゃうじゃない!葛城君攻めの兵藤受けか!それとも兵藤君の攻めからの葛城君の受けか!」


この時点で俺と海斗は大体の状況は察した。
恐らく彼女は、世にいう腐女子なのだろう。


彩香「兵藤君の誘い受け?!誘い受けよね!わかるわぁ〜」

陸「まだなんも言ってないよ?!」


彩香「言わなくてもわかるわ!いやでも兵藤くんの強気攻めも…」


陸「やめろ!妄想の中で俺を汚さないで!」


もはや軽く涙目です。

海斗「あの〜今日のクラスの雰囲気がいつもとちょっと違うのってもしかして…?」 


海斗がそう尋ねると彼女はもの凄い勢い
で食いついた。


彩香「そうよ!クラス一のイケメンとその幼馴染のカップリング!興味ないわけがないわ!」

 
もうここまで来ると反応に困る。

とりあえずクラスの女子の誤解を解こう。

彩香「ちなみにこの話はこの学年中で有名よ!」  


なん…だと?一体どうすればいいんだよ、



そうしてその日中にはどうにか誤解を解くことが出来たのだった。



  

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