日向ちゃんは甘えたい!

神崎律

2︰アレカラ

〈兵藤陸〉
「多分忘れものはないかな」


そう言って準備を終えた俺は家を出て学校へ向かう。



「陸~おはよ~!!」



そう言ってこちらに身長は180を超えた図体の・・・背の高い男がこちらに突進してくる。




「あぁ、おはよ~」



彼は葛城海斗、俺のもう1人の幼馴染でクラスメイトである。
 



そして俺と絵里が付き合っていることを知ってる数少ない友人だ。




海斗「今日は元気ないなぁ、今朝もアレか?」  



陸「まぁ、そんなとこだ。」



海斗「いやぁ~昔から仲いいですなぁ~」




陸「アーハイハイ」



海斗「見事にスルーされた!?」



陸「そりゃ朝からとなりの大男がテンション高いんだ、スルーしたいだろ。」



海斗「ひどいなぁ~」



ちなみに俺、海斗、絵里ともう1人幼馴染がいるのだが、俺以外の3人は美男美女の集まりで、
せいぜい中の上の俺がその集団に混ざっていてとても居づらい時もあった。
…世界滅べ。



そんな話をしてる間に俺たちは学校についた。



海斗「アレ?絵里ちゃんはまだ来てないのかな?」



陸「ん?あぁ、両親の墓に寄ってから来るって言ってたな」



そう。絵里には両親がいない。俺たちが中学二年の時に交通事故でなくなったのだ。



それからというもの、絵里は寂しさを忘れるためかよく家に来るようになった。



両親は歓迎していたし、もちろん俺だって賛成だった。


少しでも絵里の気が楽になればと思ってたからだ。



海斗「そっか…もうそろそろで2年だもんね。」



陸「そうだな、あれから絵里は精神的にすごく成長したと思う。」



海斗「そうだね~ずっと片思いだったのに頑張って告白したもんね~」
 
 
陸「そうそう…はい?ずっと?」 

ナニソレオレシラナイ



海斗「うん、ずっと」



陸「へぇ、ずっと。ちなみにどれくらい?」 



海斗「ざっと7、8年くらいかな?」



陸「それ俺らが知り合ったくらいでは?」 



海斗「うん、そうなるね」



マジですか。そんなに前から?



海斗「むしろ気づかなかったの?陸は」



陸「うん、全く」  



それもそうだ。幼稚園・小学校の時なんてこちらから近づけば逃げるレベルだ。むしろ嫌われてるかと思ってた。



中学からは少しずつ打ち解けて普通に話していたが、やっぱりほかの人とは少し対応が違うし正直かなり悩んだ。 
 


それがまさか、俺のことが好きだったからだとは思わないだろ。



というか俺から攻めるとヘタレるのは昔からだったのかよ!



〈日向絵里〉


「アレ?今回私の出番は!?」



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