その魔術罠師、地上と下界の狭間にて
1-0 決闘
《WINNER 和成《ワナ》》
この文字が実際に表記されることはないが、アングラギルドの賭博決闘──『ベッティングゲーム』専任審判によって公正な取り仕切りにより勝者の名前が告げられた。
この試合は、三種ある決闘形式の内の最も酷なモノであった。
──デュエル『アンリミテッド』
〇───────────〇
アングラギルドには決闘における経験値、ここにおいては決闘の勝敗数、そこでの勝率などによってそれに応じて変動するポイント制の階級制度がある。
決闘形式によって、得るポイントの大きさが変わってくる。
決闘形式は大きく分けて3つ。
『ランキング』
『アンリミテッド』
『トーナメント』
まずは一番オーソドックスな『ランキング』の説明から。
これを説明するには、ランキングにおける順位の他にそこで分けられる階級を知らなければならない。
現在アングラギルドの人口は五千は超える程である。
その中の上位五十位以内に入るのがSランクとされ、あとに続く階級はSランクを除き
上位10%未満──Aランク
上位10%以上25%未満──Bランク
上位25%以上45%未満──Cランク
ここまでがアングラギルドにおける成功者達と言えるだろう。Cランクまでいけば試合毎に決闘手当が出るのだ。いわば表世界のプロのスポーツ選手みたいなものだ。
次に中位の10%──Dランク
プロがあれば当然アマチュアという存在もある。プロになれるかなれないかの壁がこのDランクだ。ランキングは現時点から過去一年間のポイントの総計で決まる。
Cランク以上は勝利によって得られるポイントの桁が違うのだがEランク以下は一律。
と言ってもEランク以下はないのだが……
Dランクのデュエル『ランキング』はCランクと合同で行われる。
ここでの違いは決闘手当が出るか出ないかの違いだけだ。一年間でDランクがCランクに勝ち続けることが出来ればそのまま入れ替わることだって出来てしまう、それがこの位置なのである。
そして残り──Eランク
ここはまぁ……頑張れって位置だ。
という訳でプロになれるかなれないかの位置は平等のスタンスが採られているのだ。
だからこそプロになりたい者は皆、Eランク時にポイントを稼ごうと必死になる。
そうして足掻き切った者だけがDランクというというプロに手が届く位置に立てるのだ。
ここまでで階級制度の説明はひとまず終わりという事でようやく『ランキング』の説明ができる。
先にもあったが、ランキングというのは現時点から過去一年間の累計ポイントによって分けられる。デュエル《ランキング》は基本同一ランク同士の決闘形式。
各ランクの割振りは表世界準拠の一月一日時点での各々のランキング順位で仕分けされる。
それに合わせて一年間そのランクで戦い抜いていくのだ。当然ランクが高い方が勝利ポイントの獲得値も高い。
そこで不公平に思うこともあるだろう。
「それではランクなど上がることはないのでは?」
そこでだ。デュエル『アンリミテッド』が存在するのだ。
これは年に十回だけ上ランクの者に勝負を挑むことが出来るというものである。これに関して上位ランクの者に拒否権は年に三回まで。
ここで勝てば、上位ランクの獲得ポイントに合わせた数値を自身のポイントに加算することが出来る。
となれば、だ。上で負け続けている者の累計数値を抜かすことも可能となるわけである。
だが、当然ペナルティもある。無ければギルド社会における公平性に歪みができてしまう。
そこで設定されたものが、下位の者が負けた場合は、一年間のギルド証剥奪。つまりは何も出来ずにEランクである。
だからこそ絶対の自信のあるものしかこの形式は使わない。
それをせずともプロとなれるCランクまでは実力で上がれるのだから無理をしないものは多い。
だがその上は?
そうそれがこの形式の肝なのである。
Cランクより上に行きたければ上のランクで燻ってる者よりポイントをとるか上位者を喰らうかの二択なのである。
だが、他にも抜け穴がある。
それが年に四度行われるデュエル『トーナメント』である。
ここにおいてデメリットなどない。強いていうなら大きな怪我をする可能性があるくらいだ。
参加条件はBランク以下全員にある。
その参加希望者の中からランダムに百人選出されその名の通りトーナメント形式で決闘を行っていく。
この形式はハッキリ言って大人気である。
何故なら先の言った通りデメリットなどなく上位入賞すればAランク〜回相当のポイントを獲得することが出来るからだ。
ここでデュエル『ランキング』における各ランクの勝利ポイントの数値を教えよう。
上から順に
Aランク────1000ポイント
Bランク────100ポイント
C&Dランク──10ポイント
Eランク────1ポイント
となっている。
大体一人あたり年に百は決闘を行う。
となると大体の各ランクボーダーは年10勝に相当する。
ここで先のデュエル『トーナメント』の入賞ポイントを伝えようと思う。
優勝すればAランク勝利十五回相当=150000ポイント
準優勝でもAランク勝利十回相当=100000ポイント
三位であれAランク勝利五回相当=50000ポイント
四位がAランク勝利一回相当=10000ポイント
八位入賞でBランク勝利五回相当=5000ポイント
といった形で手にすることが出来る。
つまりは一発逆転のチャンスがあるのだ。
述べたこれら三つのデュエルを通し上位を狙い一攫千金を目指していくのだ。
以上でひとまずデュエル形式の説明を終わりにしようと思う。
〇──────────〇
今終わった決闘においてギルド全体に波紋が起きた。ザワザワと騒いでいた観衆の誰一人として言葉を失うなんて状態は初めてのことだった。
デュエル『アンリミテッド』においてどんなに力自慢であろうと上位ランクを喰らうのは滅多なことで起きることではない。
しかし稀にこういったことが起きることがある。そういった場合は、ギルド内が新たなる強者の誕生に騒ぎに騒ぎまくる。
だが今は場が静寂に包まれているのだ。
それもそのはず。入会したての少年が初戦にてギルド最強の一角、『殲滅』の二つ名を持つ魔女を完封で下したのだから。
この文字が実際に表記されることはないが、アングラギルドの賭博決闘──『ベッティングゲーム』専任審判によって公正な取り仕切りにより勝者の名前が告げられた。
この試合は、三種ある決闘形式の内の最も酷なモノであった。
──デュエル『アンリミテッド』
〇───────────〇
アングラギルドには決闘における経験値、ここにおいては決闘の勝敗数、そこでの勝率などによってそれに応じて変動するポイント制の階級制度がある。
決闘形式によって、得るポイントの大きさが変わってくる。
決闘形式は大きく分けて3つ。
『ランキング』
『アンリミテッド』
『トーナメント』
まずは一番オーソドックスな『ランキング』の説明から。
これを説明するには、ランキングにおける順位の他にそこで分けられる階級を知らなければならない。
現在アングラギルドの人口は五千は超える程である。
その中の上位五十位以内に入るのがSランクとされ、あとに続く階級はSランクを除き
上位10%未満──Aランク
上位10%以上25%未満──Bランク
上位25%以上45%未満──Cランク
ここまでがアングラギルドにおける成功者達と言えるだろう。Cランクまでいけば試合毎に決闘手当が出るのだ。いわば表世界のプロのスポーツ選手みたいなものだ。
次に中位の10%──Dランク
プロがあれば当然アマチュアという存在もある。プロになれるかなれないかの壁がこのDランクだ。ランキングは現時点から過去一年間のポイントの総計で決まる。
Cランク以上は勝利によって得られるポイントの桁が違うのだがEランク以下は一律。
と言ってもEランク以下はないのだが……
Dランクのデュエル『ランキング』はCランクと合同で行われる。
ここでの違いは決闘手当が出るか出ないかの違いだけだ。一年間でDランクがCランクに勝ち続けることが出来ればそのまま入れ替わることだって出来てしまう、それがこの位置なのである。
そして残り──Eランク
ここはまぁ……頑張れって位置だ。
という訳でプロになれるかなれないかの位置は平等のスタンスが採られているのだ。
だからこそプロになりたい者は皆、Eランク時にポイントを稼ごうと必死になる。
そうして足掻き切った者だけがDランクというというプロに手が届く位置に立てるのだ。
ここまでで階級制度の説明はひとまず終わりという事でようやく『ランキング』の説明ができる。
先にもあったが、ランキングというのは現時点から過去一年間の累計ポイントによって分けられる。デュエル《ランキング》は基本同一ランク同士の決闘形式。
各ランクの割振りは表世界準拠の一月一日時点での各々のランキング順位で仕分けされる。
それに合わせて一年間そのランクで戦い抜いていくのだ。当然ランクが高い方が勝利ポイントの獲得値も高い。
そこで不公平に思うこともあるだろう。
「それではランクなど上がることはないのでは?」
そこでだ。デュエル『アンリミテッド』が存在するのだ。
これは年に十回だけ上ランクの者に勝負を挑むことが出来るというものである。これに関して上位ランクの者に拒否権は年に三回まで。
ここで勝てば、上位ランクの獲得ポイントに合わせた数値を自身のポイントに加算することが出来る。
となれば、だ。上で負け続けている者の累計数値を抜かすことも可能となるわけである。
だが、当然ペナルティもある。無ければギルド社会における公平性に歪みができてしまう。
そこで設定されたものが、下位の者が負けた場合は、一年間のギルド証剥奪。つまりは何も出来ずにEランクである。
だからこそ絶対の自信のあるものしかこの形式は使わない。
それをせずともプロとなれるCランクまでは実力で上がれるのだから無理をしないものは多い。
だがその上は?
そうそれがこの形式の肝なのである。
Cランクより上に行きたければ上のランクで燻ってる者よりポイントをとるか上位者を喰らうかの二択なのである。
だが、他にも抜け穴がある。
それが年に四度行われるデュエル『トーナメント』である。
ここにおいてデメリットなどない。強いていうなら大きな怪我をする可能性があるくらいだ。
参加条件はBランク以下全員にある。
その参加希望者の中からランダムに百人選出されその名の通りトーナメント形式で決闘を行っていく。
この形式はハッキリ言って大人気である。
何故なら先の言った通りデメリットなどなく上位入賞すればAランク〜回相当のポイントを獲得することが出来るからだ。
ここでデュエル『ランキング』における各ランクの勝利ポイントの数値を教えよう。
上から順に
Aランク────1000ポイント
Bランク────100ポイント
C&Dランク──10ポイント
Eランク────1ポイント
となっている。
大体一人あたり年に百は決闘を行う。
となると大体の各ランクボーダーは年10勝に相当する。
ここで先のデュエル『トーナメント』の入賞ポイントを伝えようと思う。
優勝すればAランク勝利十五回相当=150000ポイント
準優勝でもAランク勝利十回相当=100000ポイント
三位であれAランク勝利五回相当=50000ポイント
四位がAランク勝利一回相当=10000ポイント
八位入賞でBランク勝利五回相当=5000ポイント
といった形で手にすることが出来る。
つまりは一発逆転のチャンスがあるのだ。
述べたこれら三つのデュエルを通し上位を狙い一攫千金を目指していくのだ。
以上でひとまずデュエル形式の説明を終わりにしようと思う。
〇──────────〇
今終わった決闘においてギルド全体に波紋が起きた。ザワザワと騒いでいた観衆の誰一人として言葉を失うなんて状態は初めてのことだった。
デュエル『アンリミテッド』においてどんなに力自慢であろうと上位ランクを喰らうのは滅多なことで起きることではない。
しかし稀にこういったことが起きることがある。そういった場合は、ギルド内が新たなる強者の誕生に騒ぎに騒ぎまくる。
だが今は場が静寂に包まれているのだ。
それもそのはず。入会したての少年が初戦にてギルド最強の一角、『殲滅』の二つ名を持つ魔女を完封で下したのだから。
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