継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》

リッキー

魔法を使うために


 俺が赤ん坊になってから、毎日のほとんどを寝ていたのでよくわからないが半年は経ったと思う。

 ただ、起きている時間は集中して、世話してくれるメイドや、様子を見に来る母、姉の声を聞いていたので、舌をうまく動かせないので話すことは出来ないけど、言葉を理解して聞き取れるようにはなった。

 手に入れることが出来た情報は...

 俺はレオと呼ばれている。

 姉の名前はヘレナらしい。

 両親の名前はわからない。

 母は「お母さんよ」と言うだけで名前は知ることができなかった。

 父の方は忙しいらしく転生初日以来会っていなかった。


 そして新事実!!
 
 この世界には魔法がある。

 初めて見た時は、びっくりしたよ
 メイドの手が光ったと思ったら、俺の体が光りだして、気がついたら体がキレイになってしまったんだから

 これで、この世界が異世界であることが確定した

 魔法の世界か......
 あ~ 早く魔法が使えるようになりたいな...




 <それから2か月>

 やっと俺はハイハイを習得した。

 ということで家の中を冒険したいと思います!

 ただし監視付きで

 自由に動くのは体力がつくのでOKらしいが、さすがに危ないので部屋の外ではメイドが同伴している。


 本当にこの家は大きい
 いったい、いくつの部屋がこの家に存在するのだろうか?
 俺は目的の物を見つけられず力尽き、メイドに部屋まで運んで貰うのを毎日繰り返した。

 この冒険で手に入れたい目的の物とは、本だ。
 特に、魔法の本を見つけることを最重要にしている。
 


 そして1週間が経ち、目的の物がある部屋を見つけた。<書斎>である


 すぐに本に飛びつき俺は本を開いた

 しかし、読めないことを忘れていた

 そこで、近くにいるメイドに目を向ける。

 メイドは、俺の言いたいことがわかったのか

「レオ様、本が気になるのですか?」

 それに俺は直ぐに頷く

「うふふ、どれどれ、これは魔法についての本ですね」

 それを聞き、俺が目を輝かせると

「読んでほしいのですか? いいですよ、ただこの本は難しいので、絵本の方が面白いと思いますよ」

 俺は直ぐに首を横に振った。

「分かりました。では、お部屋に戻ってから読みましょう」


 こうして俺は部屋に戻る


それから、そこそこ厚い本だったので何日かに分けて読んで貰った。

 本には
「魔法とは体内にある魔力を使い、様々なことが出来る。

 魔力とは誰もが持ち、自然界にも存在する。
 ならなぜ、魔法使える人と使えない人が出るのか....
 それは単純に魔力が多い少ないもあるが、どのような適性魔法を持っているかどうかが、ほとんどである。

 適性魔法とは火、水、風、土、光、闇の六属性と無属性とその他のユニーク属性に分けられている。

 六属性は、世界の半分の人が1つは持っている。
 無属性は、ほとんどの人が持っている。
 ユニーク属性は、ごく一部の人が持っている。

 これを聞くと、ほとんどの人が無属性は使うことが出来るものだと思うだろう。
 無属性は自分に使うことで筋力や視力、聴力を上げることができる。
 しかし、これを自由に使いこなすにはたくさんの鍛錬が必要なので、ほとんどの人があきらめてしまう。

 しかも、適性魔法に恵まれていても魔法を覚える機会が無い人がほとんどである...」

 と分かる範囲ではこんなことが書いてあったのだと思う。

 この後のことは、わからない言葉が出てきたのでギブアップした。


 ということで、これからのことを考えてみるとしよう。
 まず、属性は今は知ることが出来ないので考えるのはまた今度だ。

 そして、今から出来ることは魔力を鍛えることだろう。

 ただ、どうすればいいのかわからない
 もしかすると、本のわからなかった部分に書いてあったのかも.....
 
 しかし、わからないことは仕方が無いので自力で考えだすしかない!

 そこで、まずは魔力が体のどこにあるのか探してみようと思う。
 
 どうやって探すのかだって?

 .....それは前世の体と今の体で何か違和感がある場所がないか探すんだよ!

 もしダメだったら?
 
 ダメだったら....今は諦めて、本が読めるようになるのを待つしかない.....

 こうして、俺の魔力探しは始まった
 
 俺は目を瞑って体中に意識を向けた
 手、腕、爪先、足、頭、首、胸、腹.....
 
 ん?
 腹に少しだが違和感がある気がする。
 更に、腹に意識を向けているとヘソの辺りに何か、小さな塊がある気がした。

 これが魔力なのか?
 信じがたいが、他にはそれらしき物が全く見当たらないのでこの塊を魔力と考えることにしよう。

 それじゃあ、魔力を見つけることが出来たので、本題である魔力を鍛える方法を考えたいと思う。
 しかし、全く思いつかない.....

 どうしようか.....
 こういう時は、発想の転換だ!
 どうしたらいいかじゃなくて、今、この塊を使って何が出来るかで考えよう。
 もし、それが全く魔力に効果の無いハズレであったとしても仕方がないとしようじゃないか

 そして、この塊で出来ることと言ったら動かすことだろう
 理由は単純、他に何も思いつかないからだ.....

 まあ、とりあえず魔力を動かす方法を考えてみよう
 ....と言っても思いつくのはでどうにかするぐらいだ。

 とりあえずダメもとで、塊を気合で動かそうと思う。
 
 目を閉じて、意識をヘソの塊に集中する。
 そして、『魔力よ動くのだ』みたいなことを念じ続けた.....

 すると、信じられないことにほんの少しだけだが塊が動いてしまった。

 う、動くぞ.....!

 本当に、気合だけで動いたので驚いてしまった。
 まあ、動いてくれることに越したことは無い。

 こうして、俺はあっさりと目的であった、たぶん魔力を鍛えることが出来るであろう方法を見つけることに成功した。
 
 ただ、果たしてこの方法を続けたら、本当に魔力は増加するのだろうか?
 俺は、自分の見つけた方法を疑うが、現在、他にやることも出来ることも無いのでとりあえずやってみようと思う。

 まあ、継続は力なりって言うしね。継続が魔力になることだってきっとあるさ!

 それから毎日、俺は起きていられる少ない時間中、ずっと魔力を動かし続けた。
 動かすと言っても、塊の可動範囲がほんのわずかな為、ほとんど達成感は無かった.....
 その為、本当にこの特訓は意味があるのかと疑ってしまった。

 それでも、「もう少し、もう少しだけ」と自分に言い聞かせて諦めずにしばらく続けていた。

 そして、1週間が過ぎた頃

 あることに気が付く
 魔力が大きくなってる!!
 そして、可動範囲が広くなってる!!

 魔力の大きさはへそよりも確実に大きくなっていた 
 可動範囲もヘソ周辺なら動かせる程度には成長していた

 やっぱりこの魔力の鍛錬で魔力を増やすことが出来るんだ!
 これがわかったことで、疑いなくこの練習を続けることが出来るようになった。
 そして、疑うことをやめたおかげで特訓の効率が大幅に良くなった。
 

 ―――さらに3か月

 やっと全身に魔力を動かすことが出来るようになった。
 
 そして、魔力の大きさはへそ4つ分くらいまでに成長した。
 しかも魔力の形を変えることに成功した。


 それからも魔力の鍛錬は続いた。

 ただ、ある程度の大きさになった途端、魔力は大きくなることがなくなった。

 それでも俺は何かが起きるかもしれないと続けた。

 すると―――
 感じることが出来る魔力の色というか濃度?が濃くなった気がした。
 
 そして、動かす方も全身に動かせるようになってしまったのでもう成長しないと思っていた....
 しかし、今度は徐々に魔力を動かす速さが上がっていることに気がついた。

 こうして、俺の魔力成長劇は始まった.....

コメント

  • ノベルバユーザー601233

    面白いですね、
    続きも読ませてもらいます。

    0
  • ドリーヴ繋

    楽しく読ませて貰ってます。
    折角のルビの所が気合から着合になってますよ。漢字の間違えには注意してくださいね。
    それでは続きを読みたいのでこれで失礼。

    10
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品