とある鋭き針の物語

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第1〜3関門

「まずは回路の理解からじゃ。
針縫、効果のある適当な針を作ってくれ。」

「了解。
とりま即死針を作るか。」

という訳で、私は即死針を作ることにした。


「…よし、できた。で、この後は?」

「それを儂に貸してくれ、解析させてもらう。
…もし儂を信用できないのなら、蘇生用の針を刺しといてもいいんじゃよ。」

「大丈夫。あんたが裏切れば、竜也が黙っちゃいないだろうからね。
はい、即死針。」

私は即死針を手渡す。彼は慎重に針を受け取り、竜也と交代した。


「捕喰竜を使うから、暴走に気をつけといてくれ。
纏霊技ー捕喰竜1型!」



俺は右腕に捕喰竜を纏う。
あ、言い忘れていたが、1型よりも2型の方が口とコストが大きい。つまり戦闘向きだ。
そのまま俺は右腕で、即死針を喰った。
こうすることで、中の構成を調べる事が出来る。


「ええと…
なるほど。しかしこれでは…」

どうやら解析が終わったらしい。


「どうだった?」

「ああ、なかなかのものだったぜ。ただ…」

「ただ…?」


「効果内容は即死じゃなかったな。
どちらかというと、内臓破壊針って感じだったぜ。」

「えっ、それってどういう…」

私は疑問に思う。だって邪神は確実に即死と言っていたのだ。それに対し、時空竜が答える。


「この針は衝撃波で内臓を直接破壊するというものだったのじゃよ。ただ単に、奴相手には衝撃波が弱すぎたのじゃろう。」

そうだったのか…というか魔王って、中身も硬いのかよ!?


「そういえば、なんで解析なんてしたの?」

「いい所に目をつけたな。今からおぬしには、意識的に効果を持った針を作れるようになってもらう。これはその練習用じゃよ。一度作ったことのあるものなら、少しは理解しやすいじゃろうからな。
では始めるぞ!」

「了解!ご指導宜しく頼むわよ、時空竜。」

彼の言う通り、無意識を形にするのは楽かもしれないわね。


今となっては、この時の考えを改めたい。そう思わせるほど難しいことだということに私が気づいたのは、1週間経った日のことだった。






「…あっ、形が崩れてない!!」

「どれ、成功したのか試してみるか。生命竜、頼んだぞ〜。


はぁ…やっぱり私がこの役目なのね…。久々の出番もこれじゃ台無しね。まあいいわ。
数少ない出番なんだし、任せときなさい!」

その瞬間、彼の雰囲気がいつもとは違うものになった。というか、女っぽい…


「それじゃあ針縫ちゃん、宜しくね。」

「あの…それって、針を刺せって意味ですか?」

「それ以外ないでしょ!」

…今のところ、彼女生命竜の時が一番狂ってる気がする。普通、自分を殺せなんていう人はいないだろう。とりま私は、即死針?をぶっ刺した。

刺してすぐ後に、いつも通りの変化が表れる。


「!? がはっ!、ごほっ!?、うぅぅ〜

なかなか効いたわよ。内臓のほとんどは弾け飛んだしら。」

「ということは…成功ね。やったあー!!」

私は喜びに浸る。1週間ぶっ続けの努力がついに実ったのだ。


「お疲れ、針縫。これで第3関門ぐらいは突破かな。


そうじゃな。ここさえできれば後は応用しまくって、体に覚え込ませるだけじゃ。」

内心俺もホッとした。もちろん彼女の成功があってのことであるが、見守りの仕事にひと段落ついたこともでかい。


「相当喜んでおるの。こんな針縫を見るのは初めてじゃ。
まあ、気持ちに一区切り着いたら、続きをやるからの。覚悟しておくのじゃぞ!」

「あははっ、分かったわ!」

私はただひたすら喜びに浸り続けた。メンタルを使い過ぎたというのもあるようで、気持ちを切り替える気になったのは、今から2時間後のことであった。



即死針(内臓破壊針)

消費MP:130 (12巻き)

構造

(針)>(衝)>(衝)>(衝)
>(央)>(範)>(拡)>(拡)>(拡)
>(and)>(衝)>(衝)



(針)=特殊技能
(衝)=衝撃波
(央)=中央部(発動箇所)
(範)=効果範囲
(拡)=拡大
(and)=他効果接続

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