境目の物語
刺激的な旅立ち
霊堂から出た2人は、寄り道なしでギルド【怒鉱竜防衛組合-観測支部】へ。忘れてしまわないうちに、依頼の報告を済ませた。
所持金【1,200.c】→【4,200.c】
そして現在、里の正門。
「そういえば、「お邪魔しまーすっ!」なんて言ってから里に入ったっけ」
「そんなおかしなことしてたの!?」
「いやだって無言で入ってたら、間違いなく門番の2人に襲い掛かられてただろ」
「あはは……確かに。雷鳴さんと地帝さんは、早とちりだからね」
ラグはここに来て最初の思い出を語る。
リティには苦笑いされていたが、喋る少年は笑顔を絶やさない。それくらい、彼にとってはいい思い出だったようだ。
あの時と同じ場所からでも、見える光景はやはり輝かしい。
人気の違いは言うまでもなく、地面には尻尾の這った跡が残らないほど人通りが多い。
それに、立体的な街並みを実際に人が行き交うこの光景。それは数日前までの惨状を知らぬ者ですら、圧倒されるほどだった。
「にしても……」
言いながら、少年は正門のアーチに寄り掛かった門番に目線を運ぶ。
彼は「フンっ」と言ってそっぽを向くが、チラチラと視線を2人に向けている。壁に槍を立て掛けていることから邪魔する意志はないようだが、少年の癪に障ることは言うまでもないだろう。
「よしリティ、そろそろ発つか」
「ええ、そうね」
少年は少女の手を引いて、門の外へと足を運ぶ。ここまで来てようやく、彼らの旅が始まろうとしていた。
だがその時だ。
「待ちなさい!」
2人を呼び止める大声。振り返った彼らの正面には、全力で駆け寄る少女の姿があった。
その容姿、特に腰から生えた地竜の尻尾には、リティのみならずラグにも見覚えがある。リペアをかけて命を救った、あの竜人の少女だ。
「お、おい待てよリリム!」
名を呼ばれた2人よりも先に、嫌な視線を送っていたあの門番が止めに入る。だが彼、リティと対峙した時とは別の方面で、腰が引けていた。
「い、今いい感じだったじゃないか。あいつらの邪魔をすんなよ!」
「なによ、私に文句でもあるの? このへっぽこ恥さらし!!!」
「ひいぃ!?」
門番はどういうわけか、2人にフォローを入れる。だが強く言い返されて、いとも簡単に弾き飛ばされてしまった。
次にリティに尋ねるリリムは、不安そうな顔をしていた。
「ねえリティ、なんでそんなとこにいるの? それにどうしてその男と一緒にいるの?」
訊かれた彼女は、困り顔を浮かべる。でもどうにか伝えようと、一歩踏み出した。
「私……話してたよね。いつかこの里を出て、リリムちゃんみたいに自由に生きるって。
それが、今なの。私はラグと一緒に、外の世界を見に行くのよ」
「……うっ!」
きっぱりと言われて、リリムは一歩後ずさる。
リティの言葉は、彼女に堪えた。だからなのか、次に口を開いた時、彼女の目には涙が浮かんでいた。
「本当だったんだ、闘鶏さまの言ってたこと。やっとリティも、決心つけられるようになったんだね。私、うれしいよ。
……でもッ!」
しかし言葉の最後、彼女の拳がグッと締まる。ギュッと閉じられたまぶたからは、溜まっていた滴がこぼれ落ちた。
そして次の瞬間、彼女は怒りを剥き出す。涙混じりの瞳は、ラグを強く睨みつけた。
「なんでこの男なの!? こんな脆弱な男が、本当にあなたを守れると思ってるの?」
その一言には、2人ともカチンと来た。彼らも一歩前に出て、リリムに言い返す。
「リリムちゃんでもその言い方はないよ! ラグは私が選んだ相手なんだから、私の勝手でしょ!」
「それに俺が脆弱だって? そこまで言われる筋合いはねえよ!」
2人の言い分を聞いても、リリムは引き下がらない。
「なら暴走したリティを止められるって、私に証明してみなさいよ! いくわよ!!!」
「くっ、望むところだ!」
彼女は言うや否や、思い切り踏み込む。力の証明を求められたラグも、瞬時に踏み込む。
そして互いの右拳から、激戦が始まった。
……はずだったのだが、
ドコォォォッッッ!!!
「ぐっへぇッ!?」
鈍重な打撃音とともに、少年が殴り飛ばされる。その体は正門のアーチ上部、里の紋章を象ったプレートに叩きつけられて、真下に落ちていった。
「いってぇ……今のは尻尾か?」
腹部を押さえながら起き上がる少年は、彼女の尻尾に目を向ける。
その言葉通り、彼を殴り飛ばしたのは拳ではない。拳を回避した彼を、体の捻りによって振り回された尻尾が襲ったのだ。
「あんなのも避けられないの? それでよく「自分は弱くない」だなんて言えたものね」
「くそっ……」
彼女の罵倒に、少年は唇を噛みしめる。しかし彼は言い返すことが出来なかった。
「(全身が、軽く痺れる。何者だこの女……)」
彼は痺れる体をどうにか立たせながら、観察眼で彼女を深く観察する。
そして気づく。同時にその目が、飛び出しそうなくらいに見開かれた。
「(ひ、150だって!?)」
口には出さずとも、驚きは全身に表れる。反応の直後、聞き覚えのある笑い声が里中に響き渡った。
《カッカッカ! リリムちゃん……もといリベラル・リムは、儂が直々に育て上げた尾闘流武術の達人じゃ。魔法にはちと弱いが、肉弾戦なら敵なしじゃ!》
闘鶏様はリリムのことを、一方的に褒め称える。そして彼女自身も、自信満々に胸を張ってみせた。
「これが私の力よ。今ので懲りたのなら、私のリティを返しなさい!」
「くそっ、まだ終わってなんか」
彼女の返上を迫られて、少年も黙ってはいない。どうにか体を起こして、臨戦態勢に戻ろうとする。
だがそうなるよりも前に、リティが少年の前に立った。
「無理しなくてもいいよ、ラグ。リリムちゃんが強いのは、本当のことだもん」
「でもそれだとあいつに……」
彼女に言われても、少年は諦めきれない。それを承知の上で、少女はリリムに語りかける。
「リリムちゃんは本当に、私のことを大切に思ってくれるんだね」
「当たり前よ。リティは私の……たった一人の友達なんだから」
微笑みながらの一言に、リリムは本心を返す。そして「これからもずっと一緒にいようよ」と言葉をかけた。
けれども少女は横に首を振る。
「私だってリリムちゃんと別れるのは嫌。でもそれ以上にね、私は旅がしたいの。ラグと一緒に、外の世界を見たいの」
「で、でもそんな脆弱な男じゃ……」
再度本心を告げられて、リリムも言葉に詰まる。互いに心を曲げさせる、最後の一押しが足りなかった。
だからなのだろう。リティは一度深呼吸をすると、はっきりと言い張る。
「認めてくれないのなら、私だってこうするしかない」
彼女は振り返り、少年の両頬に手を当てる。2人の顔が、接触しそうなくらい近づいた。
「ごめんね、ラグ。今だけ、私のわがままにつき合って」
「えっ、リティ?」
少女の物言いに、少年は理解が追いつかない。すると直後、
チュッ!
2人の唇が、重なり合った。
「?????」
少年の顔は真っ赤に染まり、理解の追いつかない思考は疑問符で溢れ返る。
そうした間にも口づけの勢いは止まらず、少女は舌まで突き入れた。
もちろんこんな光景を見て、大衆が無反応でいるわけがない。
行為の意味を知る里民からは驚きの声が上がり、門の壁まで避難していた門番はヒューと口笛を吹かせる。竜人ではない商人や通りがかった冒険者は、恥ずかしさに目を手で覆い隠していた。
さらに闘鶏様とリリムが見せたのは、それ以上の反応だ。
《カッカッカ! とうとうやりおったな! カッカッカッカ!!!》
「う、嘘……」
闘鶏様の笑い転げる声は、そのまま里全体に広がる。彼の様子とは対照的に、リリムは顔を真っ青にして、膝から崩れ落ちた。
そして数秒間の行為の後、ようやく少女は口を離す。
「ぷはっ」
終わったからといって、少年の理解が追いつかないのは同じ。少女は頬に当てていた手を下ろし、少年の右手を掴む。そして、
「行くよラグ!」
「……へ? うおぉっ!?」
少女は門の外へと、思い切り走り出した。引っ張られる少年は、転倒しないようにするだけで精一杯な状態だった。
それが彼らにとっての、刺激的な旅立ち。後の壮大な旅として記される、転機の1ページとなる。
2人の旅には困難が立ちはだかるだろう。仲間を持ったからこそ生まれる感情が、時に足枷となるかもしれない。
それでも、彼らはきっと後悔しない。辿り着く先がなんであろうと、全力で楽しんでくれるはずだ。
大いなる魂を持った獣が導く、奇想天外の大冒険。その旅はついに、次のステージへと進む。
第2章【魄の少年、魂の少女】完
(ryトピック〜【リリム】について〜
正式名称は【リベラル・リム】。リティの幼馴染であり、宿屋を経営する主人のひとり娘でもある、自由奔放な14歳。
暴君を宿す少女とすら対等に接することができる奔放さは、里長である闘鶏様にも気に入られる。彼直々に仕込まれた尾闘流武術の腕前は、門番の雷鳴や地帝に匹敵するとも。
しかし彼女が才覚を示したのは、肉弾戦のみ。魔法への適性はもちろん、霊術どころか竜体にすら恵まれていない。
また能力として、概念系【自由主義】を所持。自らを縛り付けるもの全てをレジストするこの能力は、戟の効果が通用しない相手が存在するという恐怖を、魔人に深く植えつけた。
なお欠点として、多人数でのロールプレイは極端に苦手。他人の意見を聞けない性格も災いし、一部の里民からは「暴君よりも暴君してる」と言われる始末である。
所持金【1,200.c】→【4,200.c】
そして現在、里の正門。
「そういえば、「お邪魔しまーすっ!」なんて言ってから里に入ったっけ」
「そんなおかしなことしてたの!?」
「いやだって無言で入ってたら、間違いなく門番の2人に襲い掛かられてただろ」
「あはは……確かに。雷鳴さんと地帝さんは、早とちりだからね」
ラグはここに来て最初の思い出を語る。
リティには苦笑いされていたが、喋る少年は笑顔を絶やさない。それくらい、彼にとってはいい思い出だったようだ。
あの時と同じ場所からでも、見える光景はやはり輝かしい。
人気の違いは言うまでもなく、地面には尻尾の這った跡が残らないほど人通りが多い。
それに、立体的な街並みを実際に人が行き交うこの光景。それは数日前までの惨状を知らぬ者ですら、圧倒されるほどだった。
「にしても……」
言いながら、少年は正門のアーチに寄り掛かった門番に目線を運ぶ。
彼は「フンっ」と言ってそっぽを向くが、チラチラと視線を2人に向けている。壁に槍を立て掛けていることから邪魔する意志はないようだが、少年の癪に障ることは言うまでもないだろう。
「よしリティ、そろそろ発つか」
「ええ、そうね」
少年は少女の手を引いて、門の外へと足を運ぶ。ここまで来てようやく、彼らの旅が始まろうとしていた。
だがその時だ。
「待ちなさい!」
2人を呼び止める大声。振り返った彼らの正面には、全力で駆け寄る少女の姿があった。
その容姿、特に腰から生えた地竜の尻尾には、リティのみならずラグにも見覚えがある。リペアをかけて命を救った、あの竜人の少女だ。
「お、おい待てよリリム!」
名を呼ばれた2人よりも先に、嫌な視線を送っていたあの門番が止めに入る。だが彼、リティと対峙した時とは別の方面で、腰が引けていた。
「い、今いい感じだったじゃないか。あいつらの邪魔をすんなよ!」
「なによ、私に文句でもあるの? このへっぽこ恥さらし!!!」
「ひいぃ!?」
門番はどういうわけか、2人にフォローを入れる。だが強く言い返されて、いとも簡単に弾き飛ばされてしまった。
次にリティに尋ねるリリムは、不安そうな顔をしていた。
「ねえリティ、なんでそんなとこにいるの? それにどうしてその男と一緒にいるの?」
訊かれた彼女は、困り顔を浮かべる。でもどうにか伝えようと、一歩踏み出した。
「私……話してたよね。いつかこの里を出て、リリムちゃんみたいに自由に生きるって。
それが、今なの。私はラグと一緒に、外の世界を見に行くのよ」
「……うっ!」
きっぱりと言われて、リリムは一歩後ずさる。
リティの言葉は、彼女に堪えた。だからなのか、次に口を開いた時、彼女の目には涙が浮かんでいた。
「本当だったんだ、闘鶏さまの言ってたこと。やっとリティも、決心つけられるようになったんだね。私、うれしいよ。
……でもッ!」
しかし言葉の最後、彼女の拳がグッと締まる。ギュッと閉じられたまぶたからは、溜まっていた滴がこぼれ落ちた。
そして次の瞬間、彼女は怒りを剥き出す。涙混じりの瞳は、ラグを強く睨みつけた。
「なんでこの男なの!? こんな脆弱な男が、本当にあなたを守れると思ってるの?」
その一言には、2人ともカチンと来た。彼らも一歩前に出て、リリムに言い返す。
「リリムちゃんでもその言い方はないよ! ラグは私が選んだ相手なんだから、私の勝手でしょ!」
「それに俺が脆弱だって? そこまで言われる筋合いはねえよ!」
2人の言い分を聞いても、リリムは引き下がらない。
「なら暴走したリティを止められるって、私に証明してみなさいよ! いくわよ!!!」
「くっ、望むところだ!」
彼女は言うや否や、思い切り踏み込む。力の証明を求められたラグも、瞬時に踏み込む。
そして互いの右拳から、激戦が始まった。
……はずだったのだが、
ドコォォォッッッ!!!
「ぐっへぇッ!?」
鈍重な打撃音とともに、少年が殴り飛ばされる。その体は正門のアーチ上部、里の紋章を象ったプレートに叩きつけられて、真下に落ちていった。
「いってぇ……今のは尻尾か?」
腹部を押さえながら起き上がる少年は、彼女の尻尾に目を向ける。
その言葉通り、彼を殴り飛ばしたのは拳ではない。拳を回避した彼を、体の捻りによって振り回された尻尾が襲ったのだ。
「あんなのも避けられないの? それでよく「自分は弱くない」だなんて言えたものね」
「くそっ……」
彼女の罵倒に、少年は唇を噛みしめる。しかし彼は言い返すことが出来なかった。
「(全身が、軽く痺れる。何者だこの女……)」
彼は痺れる体をどうにか立たせながら、観察眼で彼女を深く観察する。
そして気づく。同時にその目が、飛び出しそうなくらいに見開かれた。
「(ひ、150だって!?)」
口には出さずとも、驚きは全身に表れる。反応の直後、聞き覚えのある笑い声が里中に響き渡った。
《カッカッカ! リリムちゃん……もといリベラル・リムは、儂が直々に育て上げた尾闘流武術の達人じゃ。魔法にはちと弱いが、肉弾戦なら敵なしじゃ!》
闘鶏様はリリムのことを、一方的に褒め称える。そして彼女自身も、自信満々に胸を張ってみせた。
「これが私の力よ。今ので懲りたのなら、私のリティを返しなさい!」
「くそっ、まだ終わってなんか」
彼女の返上を迫られて、少年も黙ってはいない。どうにか体を起こして、臨戦態勢に戻ろうとする。
だがそうなるよりも前に、リティが少年の前に立った。
「無理しなくてもいいよ、ラグ。リリムちゃんが強いのは、本当のことだもん」
「でもそれだとあいつに……」
彼女に言われても、少年は諦めきれない。それを承知の上で、少女はリリムに語りかける。
「リリムちゃんは本当に、私のことを大切に思ってくれるんだね」
「当たり前よ。リティは私の……たった一人の友達なんだから」
微笑みながらの一言に、リリムは本心を返す。そして「これからもずっと一緒にいようよ」と言葉をかけた。
けれども少女は横に首を振る。
「私だってリリムちゃんと別れるのは嫌。でもそれ以上にね、私は旅がしたいの。ラグと一緒に、外の世界を見たいの」
「で、でもそんな脆弱な男じゃ……」
再度本心を告げられて、リリムも言葉に詰まる。互いに心を曲げさせる、最後の一押しが足りなかった。
だからなのだろう。リティは一度深呼吸をすると、はっきりと言い張る。
「認めてくれないのなら、私だってこうするしかない」
彼女は振り返り、少年の両頬に手を当てる。2人の顔が、接触しそうなくらい近づいた。
「ごめんね、ラグ。今だけ、私のわがままにつき合って」
「えっ、リティ?」
少女の物言いに、少年は理解が追いつかない。すると直後、
チュッ!
2人の唇が、重なり合った。
「?????」
少年の顔は真っ赤に染まり、理解の追いつかない思考は疑問符で溢れ返る。
そうした間にも口づけの勢いは止まらず、少女は舌まで突き入れた。
もちろんこんな光景を見て、大衆が無反応でいるわけがない。
行為の意味を知る里民からは驚きの声が上がり、門の壁まで避難していた門番はヒューと口笛を吹かせる。竜人ではない商人や通りがかった冒険者は、恥ずかしさに目を手で覆い隠していた。
さらに闘鶏様とリリムが見せたのは、それ以上の反応だ。
《カッカッカ! とうとうやりおったな! カッカッカッカ!!!》
「う、嘘……」
闘鶏様の笑い転げる声は、そのまま里全体に広がる。彼の様子とは対照的に、リリムは顔を真っ青にして、膝から崩れ落ちた。
そして数秒間の行為の後、ようやく少女は口を離す。
「ぷはっ」
終わったからといって、少年の理解が追いつかないのは同じ。少女は頬に当てていた手を下ろし、少年の右手を掴む。そして、
「行くよラグ!」
「……へ? うおぉっ!?」
少女は門の外へと、思い切り走り出した。引っ張られる少年は、転倒しないようにするだけで精一杯な状態だった。
それが彼らにとっての、刺激的な旅立ち。後の壮大な旅として記される、転機の1ページとなる。
2人の旅には困難が立ちはだかるだろう。仲間を持ったからこそ生まれる感情が、時に足枷となるかもしれない。
それでも、彼らはきっと後悔しない。辿り着く先がなんであろうと、全力で楽しんでくれるはずだ。
大いなる魂を持った獣が導く、奇想天外の大冒険。その旅はついに、次のステージへと進む。
第2章【魄の少年、魂の少女】完
(ryトピック〜【リリム】について〜
正式名称は【リベラル・リム】。リティの幼馴染であり、宿屋を経営する主人のひとり娘でもある、自由奔放な14歳。
暴君を宿す少女とすら対等に接することができる奔放さは、里長である闘鶏様にも気に入られる。彼直々に仕込まれた尾闘流武術の腕前は、門番の雷鳴や地帝に匹敵するとも。
しかし彼女が才覚を示したのは、肉弾戦のみ。魔法への適性はもちろん、霊術どころか竜体にすら恵まれていない。
また能力として、概念系【自由主義】を所持。自らを縛り付けるもの全てをレジストするこの能力は、戟の効果が通用しない相手が存在するという恐怖を、魔人に深く植えつけた。
なお欠点として、多人数でのロールプレイは極端に苦手。他人の意見を聞けない性格も災いし、一部の里民からは「暴君よりも暴君してる」と言われる始末である。
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