ハーフエルフの少年
第8章 過去〜兄弟〜
宿の天井。
ああそっか、また倒れたんだっけ?
1週間もまともに動いてなくていきなりはやっぱ無理だったかな?
「起きたか?」
「ギン兄ちゃん」
コツン!
「痛い...」
頭叩かれた...
「無理するなつったろ!何倒れてんだバカ野郎!」
「ひぃ...」
めっちゃ怒ってる。
「どんだけ心配させりゃ気がすむんだ!」
「ごめんなさい...」
「...まぁ俺も気付かずにやってて悪かった」
でも、どうしてボクの事こんなに考えてくれるんだろう?
そもそも弟子にしてくれって言われて修行して、少なくとも兄ちゃんって呼ぶようになってからはずっとボクの事考えてくれてる。
「ねぇギン兄ちゃん」
「なんだ?」
「元々修行つけてって話から今に至るけど、どうしてここまでボクの事...そんなに?」
ずっと気になってた。
出会ってからまだ間もないのに、修行の時以外は弟のように扱ってくれる。
なんで?
「...俺さ、弟が居たんだわ」
実の弟さん?
「5年前、俺の住んでた村は魔物が押し寄せてきてな、みんなパニックになった」
そんな事があったんだ。
「俺と弟は逃げ遅れて、もうダメかと思ったら親父が助けに来てくれた。
魔物が俺らを殺そうとした瞬間、親父は俺らをかばって死んじまった。
俺と弟は急いで逃げて、小川まできた時に休憩を取った。
そんで俺は食料を探しに行くから弟に待ってるように言ったんだ。
でも、それが間違えだった。
戻ったら弟は魔物に食い殺されてた」
「ギン兄ちゃん」
「あの時俺に力があればって思ってね、それで10歳だったし、冒険者になって簡単なクエストとかやって食いつないで、そのうちリズやクロムと知り合ってパーティくんで、魔物の討伐クエストもやるようになって、そんでまぁ過去は忘れようと思って明るくおちゃらけてたんだ」
ボクは黙って聞いてる事しか出来なくなった。
「そんな時にレナートがこの街にきて、あの決闘を見た時の強さに引かれて弟子入りを頼んだ」
「うん」
「レナートの修行はめっちゃ良かった。
自分でも強くなってきてるのが実感湧いたしな!」
「あ、ありがとう...」
「戦闘以外でレナートに接してると、ふと弟を思い出してな、性格とかちょっとそっくりなんだ」
「ボクが?」
「ああ。で、兄ちゃんって呼ばれた時、レナートが本当の弟に見えてさ、まぁなんつうか...歳も生きてたらレナートと同じ歳だから余計にな」
そっか、だからギン兄ちゃんはボクの事。
へへ...。
「何笑ってんだよ!」
「ギン兄ちゃん顔が真っ赤〜!」
「なっ、うるせぇ!そう言うとこ弟に本当そっくり」
「へへへ」
「笑い方もそっくり」
えーそんなにそっくりなんだ。
でも、兄ちゃんが出来てボクも嬉しいな。
「よしっ!決めた!」
「ふえ?」
いきなり何を決めたんだろう?
「俺、レナートに着いて行く」
「へ?」
「まぁ、レナートの事側で見てたいしさ。
あ、嫌なら断ってくれよ?
元々俺が勝手に弟みたいに思ってるってだけで...その...」
「...ボクも思ってるよ。本当の兄ちゃんみたいに!」
「え? 」
「これからもよろしくね」
「あ、ああ!」
こうして、ギン兄ちゃんの過去を知ったボクだけど、ボクの過去は話した方がいいのかな?
そのうち話せたら話そう。
今はとりあえず体力を回復させないとね。
「そういえばギン兄ちゃんって15歳?」
「ああ、言ってなかったっけ?」
「うん、初めて知った」
「まぁとにかく、はやく身体なおせよ!」
「はーい」
ああそっか、また倒れたんだっけ?
1週間もまともに動いてなくていきなりはやっぱ無理だったかな?
「起きたか?」
「ギン兄ちゃん」
コツン!
「痛い...」
頭叩かれた...
「無理するなつったろ!何倒れてんだバカ野郎!」
「ひぃ...」
めっちゃ怒ってる。
「どんだけ心配させりゃ気がすむんだ!」
「ごめんなさい...」
「...まぁ俺も気付かずにやってて悪かった」
でも、どうしてボクの事こんなに考えてくれるんだろう?
そもそも弟子にしてくれって言われて修行して、少なくとも兄ちゃんって呼ぶようになってからはずっとボクの事考えてくれてる。
「ねぇギン兄ちゃん」
「なんだ?」
「元々修行つけてって話から今に至るけど、どうしてここまでボクの事...そんなに?」
ずっと気になってた。
出会ってからまだ間もないのに、修行の時以外は弟のように扱ってくれる。
なんで?
「...俺さ、弟が居たんだわ」
実の弟さん?
「5年前、俺の住んでた村は魔物が押し寄せてきてな、みんなパニックになった」
そんな事があったんだ。
「俺と弟は逃げ遅れて、もうダメかと思ったら親父が助けに来てくれた。
魔物が俺らを殺そうとした瞬間、親父は俺らをかばって死んじまった。
俺と弟は急いで逃げて、小川まできた時に休憩を取った。
そんで俺は食料を探しに行くから弟に待ってるように言ったんだ。
でも、それが間違えだった。
戻ったら弟は魔物に食い殺されてた」
「ギン兄ちゃん」
「あの時俺に力があればって思ってね、それで10歳だったし、冒険者になって簡単なクエストとかやって食いつないで、そのうちリズやクロムと知り合ってパーティくんで、魔物の討伐クエストもやるようになって、そんでまぁ過去は忘れようと思って明るくおちゃらけてたんだ」
ボクは黙って聞いてる事しか出来なくなった。
「そんな時にレナートがこの街にきて、あの決闘を見た時の強さに引かれて弟子入りを頼んだ」
「うん」
「レナートの修行はめっちゃ良かった。
自分でも強くなってきてるのが実感湧いたしな!」
「あ、ありがとう...」
「戦闘以外でレナートに接してると、ふと弟を思い出してな、性格とかちょっとそっくりなんだ」
「ボクが?」
「ああ。で、兄ちゃんって呼ばれた時、レナートが本当の弟に見えてさ、まぁなんつうか...歳も生きてたらレナートと同じ歳だから余計にな」
そっか、だからギン兄ちゃんはボクの事。
へへ...。
「何笑ってんだよ!」
「ギン兄ちゃん顔が真っ赤〜!」
「なっ、うるせぇ!そう言うとこ弟に本当そっくり」
「へへへ」
「笑い方もそっくり」
えーそんなにそっくりなんだ。
でも、兄ちゃんが出来てボクも嬉しいな。
「よしっ!決めた!」
「ふえ?」
いきなり何を決めたんだろう?
「俺、レナートに着いて行く」
「へ?」
「まぁ、レナートの事側で見てたいしさ。
あ、嫌なら断ってくれよ?
元々俺が勝手に弟みたいに思ってるってだけで...その...」
「...ボクも思ってるよ。本当の兄ちゃんみたいに!」
「え? 」
「これからもよろしくね」
「あ、ああ!」
こうして、ギン兄ちゃんの過去を知ったボクだけど、ボクの過去は話した方がいいのかな?
そのうち話せたら話そう。
今はとりあえず体力を回復させないとね。
「そういえばギン兄ちゃんって15歳?」
「ああ、言ってなかったっけ?」
「うん、初めて知った」
「まぁとにかく、はやく身体なおせよ!」
「はーい」
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