日々思うこと

泉 玲

ど根性…草

最近本当に暑い。夜になっても暑いままで、外に走りに出ても全く汗が乾かず、生暖かい風が肌を撫でる。それでも、汗が流れるというのはなんだか気持ちがいい。汗と一緒にモヤモヤした思いとか、悩んでいた事とかが流れ去っていくのか、かきたいだけ汗をかいた後は、気持ちが晴れてさっぱりしている。体は汗だくで全くさっぱりではないのだが。
いつも以上に汗をかいた後、家に帰り、シャワーで汗を流す。そうして落ち着くと、最近、月を見ていないことを思い出した。今は、夜には月が見えない時期なのだなと、少し寂しく思いながら、何とはなしにベランダに出てみる。
先ほどよりは、少し涼しくなった風を頬に受けながら、手すりに寄りかかってしばらく物思いにふけってみる。
ふと横を見ると、隣の排水溝に溜まった土から一本の草が生えていることに気付く。それも、結構しっかりとした太さのある、木と見間違うほどのものだ。こんなに育ち難い場所で、よくこれほど立派にたくましく成長できたものだ、と草を相手に感心する。これを、ど根性草と言うのだろうか、と思いながら、もっと頑張って立派に育っていってほしい、と願う。
走って汗をかいたお陰で気持ちが少し前向きになっているのかもしれない。こんなに難しい状況で、この草が頑張っているのだから、人間で動ける私はもっともっと頑張らなければという思いが心の中に強く生まれてくる。諦めが悪いと言われても構わない、もっと踏ん張って、芯を強く持って生き抜いていこう、と誓いもう一度その草を見た。
私も頑張るから、あなたも頑張って、と声には出さずに挨拶して、部屋に戻る。思いもかけず、ど根性草に元気とやる気をもらい、明日からも精一杯やっていくぞと気合を入れ直した。

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